裏表ラバーズと100とジジイ
本番当日。前のバンドはライブハウス一のバンド。その後のサウサンはステージにたった。彼らはたった一つの自分達の音を奏で始める。その演奏は観客の胸に矢を刺す。
俺達は本番を迎えた。ライブにはサウサンを含め5バンドが出る。初ライブで無名の俺達は2番目に出ることになっている。ライブで演奏する曲は2曲。響輝達は初ライブに少し緊張していた。
「ここまで来たのか、」
アタルが胸の鼓動を抑え呟いた。その言葉に全員が頷く。最初のバンドが演奏を始めた。会場はとても盛り上がっている。このライブハウスでは一位二位を争う程の人気らしい。2曲目が始まり終盤へと近づいていく。曲は終わり、サウサンのライブが始まった。
「sound of thunderです。名前だけでも覚えてください。まず始めに聞いてください」
『裏表ラバーズ-wowaka-』
ライブを見ている観客は唖然としていた。全く聞いた事の無いバンドが出てきたのだから当たり前だ。しかし演奏を聞き始めると全員がリズムに乗り始めた。サウサンはあっという間に観客の心を掴んだ。まるで女たらしの男が女の子を簡単に落とすように。漏れ出した演奏の音を聞き、ライブハウスに入ってくる人も多かった。ギターの音、ピアノの音色、そしてドラムのリズムが完全に皆を虜にしていった。観客はどんどん増えていき、定員が50人程のライブハウスがパンパンに埋まりざっと数えて100人はいる。こんなに人が入るなんて誰もが思っていなかった。曲が終了した。たった3分弱の演奏でライブハウスで一位二位を争うバンドに勝ったのだ。
「ありがとうございます」
この一言だけで歓声が上がった。そしてアタルはメンバーの紹介を始めた。そして2曲目が開始した。
『Super Driver-平野綾-』
メインボーカル ユミ
曲を始まるとステージに上がり始める男性が出始めた。ダイブだ。それに合わせアタルもダイブをした。ほんの少し前まで不可能だと思っていた。しかし、実際は不可能なんてなかった。ナポレオンは言ったらしい。「我輩の辞書に不可能の文字はない!」と。不可能ばっかりの世界だと思っていたが違った。響輝はそう思った。誰も知らない、オリジナルの曲も無いバンドが初ライブでここまでになるとは誰が思っただろう。すぐに2曲目も終わってしまった。気が付けば歓声とアンコールでいっぱいだった。
「お客様の元へいきな」
そう言って許してくれたのはここのライブハウスのオーナーのお爺さんだった。
「もちろんです。最後までやりますよ」
響輝はオーナーに即答した。すぐにステージに立って何も言わずにギターを弾き始めた。それに合わせユミも弾き始める。
『天体観測-BUMP OF CHICKEN-』
久しぶりの投稿となってしまいました。
今回は
『裏表ラバース-wowaka-』
『Super Driver-平野綾-』
『天体観測-BUMP OF CHICKEN-』
の3曲です。サウサンの初ライブのお話でした。
観客の心を掴んでゆくサウサンを書きました。
次回もお楽しみに!
wowaka様、ご冥福をお祈りします。




