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大きな大きなプレゼント

何も見えない。

何も聞こえない。

ただ、手を引かれている。


と、言うのも、私はベイルくんに「これからプレゼントを渡す場所に移動するので、これを」と言われ、アイマスクと耳栓をした状態で、どこかに連れていかれているのだ。


ピタリ、とベイルくんが動きを止めたので、私も足を止めると、耳栓が外された。何だか賑やかだ。人混みの中? いや、少し遠いような気もするけど……。


「スイさん、アイマスクを取りますよ」


「う、うん」


アイマスクが取られ、少し眩しさを感じる。まずは元の姿に戻ったベイルくんの笑顔が目に移ったが、もう夕暮れの時間だ。どこか高い場所にいるらしく、少し冷たい風を感じた。


「ここは?」


「とっておきのプレゼントです。さぁ、見てください!」


ベイルくんはニッコリと笑ってから、私の前から横に移動した。そして、私の目の前に広がったのは……。


「な、なにこれ……?」


私たちは、高層ビルの屋上(五階建てだったらしいけど)から、王城につながる大通りを見下ろしていた。ただ、普段の道とは違って、人に溢れている。人がいるだけでなく、大通りの両端には小さいお店のようなものがたくさん並んでいた。


「もしかして、これって……」


「はい。あと五秒。時間もぴったりです」


「ぴったり、って何が??」


私は確認しようとした途端、拡声器を使った誰かしらの声が、大通りに響いた。


「これより、夏の祝祭を開始します。星の巫女に感謝を捧げ、ベイリール様の誕生日を存分に祝いましょう」


え? えええ??

もしかして、やっぱり、これって!?


「夏祭り??」


「はい! 今年は中止の予定だったのですが、スイさんを喜ばせたくて……ちょっと無理を言って何とか開催してもらいました。でも、プレゼントはこれだけじゃないですよ。ほら、見て!」


遠くから「ひゅーーーーん」っと聞いたことがない音が。ベイルくんの指先の方を見て、目を凝らしてみると、光の玉が空に向かって飛んでいく。


なんだ、あれ?と首を傾げた、その瞬間――。


ドンッ!という爆発音と同時に、空中に光の花が広がった。


しかも、一回じゃない。

二回三回、四回五回と続けて!!


「べ、ベイルくん……なにこれ!? 凄い綺麗なんだけど!!」


「花火ですよ。お祭りやイベントでよく使われるのですが、初めてですか?」


「こんなの初めてだよ! すっげぇ! 都会すっげぇ!!」


ハナビが終わると、今度は愉快な音楽が流れ出す。どうやら生演奏らしく、街はさらに活気で溢れた。


これが都会のお祭り……。

た、楽しそう……!!


「ねぇねぇ、ベイルくん。下に降りて……お祭り見れないかな?」


「もちろん、見れますよ。でも、これを外しちゃダメですよ」


ベイルくんはどこからか帽子とサングラスを取り出す。そして、ジャンプして帽子を私の頭に乗せてくれた。


「今のスイさんは有名人です。人の多いところにいたら、大騒ぎになってしまうので、こっそり遊びましょう!」


「……うん!! ベイルくん、ありがとう!!」

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