私の夢と君が描く未来
「だから、一緒に戦おう」
「…………」
おい、ベイルくん。黙るなよ。
ここは「そうですね。僕が守ります!」だろ??
「…………」
ここで黙られたら、もう何て言って説得すれば分かんないぞ!?
くそぉぉぉ、何かイライラしてきたぁーーー!
「じゃあ、もう良いよ!」
私は踵を返し、扉の方へ歩き出す。
「ベイルくんがやらないなら、私一人でも行くからね。あの髭将軍にここまでやられて、黙っていられるかって。私は好きなようにやる!」
将軍の憎たらしい髭面が頭に浮かぶと、思わず拳を握りしめてしまう。
「やりたいこと我慢するなんて、私にはできない。人生一度きりなんだ。遠慮ばかりして後悔するなんて、私は絶対に嫌。もう絶対、あの村には戻らないんだから……!」
もう一度振り返って、ベイルくんの表情を確認するが、彼は視線を落としたまま動かない。私は溜め息を吐き、前を見た。
「ベイルくんはそこで泣いてなさい! リリアちゃんが目を覚ましたら、慰めてもらうといいさ!」
扉を開き、外に出ようとする私だったが……。
「スイさん、待って!」
振り返ってベイルくんの表情を窺ってみると……。
「僕、やります」
……なんだよ、お子ちゃまなのに、男らしい顔しているじゃないか。
「スイさんは、僕が守る。僕も自分にウソは吐きません。夢だけじゃない。結婚のことだって、自分で決めるんだ」
……結婚?
なんのことだろう。
まぁ、いいか。
やる気になってくれたなら、それで十分だ!
「オーケー、それでこそベイルくんだ」
私は再びベイルに歩み寄り、隠し持っていた短剣を手にする。
「それじゃあ、やろうか!」
「はいっ!」
いつものように、短剣で指先を傷つけ、祈りを捧げた。
「天にまします我らが星の巫女よ。今こそ我が血に貴方の祝福を。そして、彼に魔を払う力を与えたまえ!」
ベイルくんが私の指先を口に含むと、彼の体から蒸気が上がる。そして、顔を上げると、大人になったベイルくんの顔が。
なぜだろう、じっと見つめてくる彼を見ていると、何だか頬っぺたが熱くなるような……。
「聖女様、行きましょう」
「うんっ!」
二人で部屋を出る。その瞬間だった……。
「待って、ベイル。行かないで……」
部屋の奥から、リリアちゃんの声が。
「リリア、すまない……」
ベイルくんは呟くと、私を見て頷いた。私も頷き返し、一歩踏み出す。
さぁ、反撃開始だ!
と思ったのだけれど……。
「な、何者だ! そこを動くな!」
またも不審者として、私たちは包囲されてしまうのだった……。
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