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凄く硬いですね

勉強ができるようになったある日、レックスさんが私の部屋を訪れた。


「スイ様、次は技術試験の準備に入りましょう」


「ぎ、技術試験?」


そうか、勉強だけじゃないって言われてたような……。


「何をするんですか……?」


レックスさんは、無駄にキリッとした目で私を見つめて言う。


「主に身体能力のテストですね。スイ様は学生時代にどんなスポーツクラブに入っていましたか?」


「……えーっと。キタククラブ、です」


「キタククラブ? 初めて聞きますね。スイ様の故郷では有名な競技なのですか?」


「そ、そうじゃなくて」


涙目の私の横、朝の予習授業に来てくれていたベイルくんが助け舟を出してくれた。


「レックス。スイさんの故郷は田舎だから、スポーツクラブの活動がほとんどなかったんだよ。そうだよね、スイさん?」


「う、うん。だから、運動はどっちかと言うと苦手で……」


「なるほど」


納得してくれたのかレックスさんは頷く。


「だとしても安心してください。学科試験と同じく、プロの指導員を用意してあります。アーロン、中に!」


「はい!」


部屋の扉が開くと、男性が一人入ってきた。


「初めまして、アーロンです」


手を差し出した男性……

アーロンさんは、肌が健康的に焼けていて、身長も高く、さらに良い感じの細マッチョだった。


「貴方がスイさんですか。レックス様から話しは聞いています。ずっとお会いしたかった」


「わ、私にですか?」


「もちろん」


アーロンさんが笑顔を見せると、白い歯が光る。


こ、これは……ちょっと苦手なタイプ!


異様に距離感が近いというか、無駄にテンション高そうだし!


だけど、背も高いし、あの筋肉はちょっと触ってみたい、かも?


顔を引きつらせる私に気付くことなく、レックスさんは言う。


「アーロンはありとあらゆる競技に精通した、運動のスペシャリストです。もちろん、聖女の資格試験に出る項目も網羅していますので、彼の言うことをよく聞いて、あらゆる障害物を突破できよう訓練しておいてください」


「は、はぁ」


どんな特訓が待っているのだろう。しかもこの人と一緒だと思うと、ちょっと憂鬱だなぁ……とアーロンさんの方へ視線を向けると、彼は白い歯を輝かせた。


「じゃあ、今日から午後になったら運動場へきてください。よろしくお願いします!」


「こ、こちらこそ」


うわ、凄い笑顔。

苦手だなぁ。でも、これから色々と教わるわけだし、取り敢えず何か褒めておくか。


「……あの、背高いですね。あと、凄い筋肉」


「はっはっはっ、よく言われるんです。触ってみます?」


「いいんですか?」


もっこりと力こぶができたアーロンさんの腕に恐る恐る手を伸ばす。


こ、これは悪くない。


「とっても硬いですねぇ」


「そうでしょうそうでしょう! はっはっはっ!」


ま、こんな感じならリネカーよりはマシか。単純そうなやつだし、顔も悪くないしね。


あと、背も高いし、何よりもこの筋肉……悪くない。


もうちょっと触ってみようかな。

もみもみ。


「凄いでしょう? こっちも触ってみてください。硬いですよ」


「ホントだぁ。鉄板が入っているみたい。すごーい!」


「はっはっはっ!」


これだけ硬くなるって、男ってすげぇなぁ。もみもみ。


ん?

ベイルくん、何でほっぺた膨らんでるの?

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