表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/239

暑苦しいほどの情熱

「ジャンプ! 行けるから、ジャンプして!」


午後、私は運動場でアーロンさんの気合が入った叫びに晒されている。


「で、でも……怖いです!」


「根性あれば大丈夫! さぁ、ジャンプ!」


これが何に役立つか分からないけど、私は足場から足場へ飛び移る訓練に挑んでいた。ただ、絶対に私のジャンプ力じゃあ飛び移れない距離なのに、


アーロンさんは「根性があれば大丈夫」の一点張りで、やらないと終わらない空気に追い詰められているのだった。


「根性! さぁ!」


「うっ、ううう……うわあぁぁぁーー!!」


私はやけくそで飛び移ろうとする。が、やはり私のジャンプ力ではぜんぜん届かず……。私は重力をしっかりと実感したのち、巨大クッションの上に落下するのだった。


「いったぁ……」


クッションの上とは言え、お尻が痛い。もう十回チャレンジしているけれど、全部ダメだったし、そろそろお尻が真っ二つになっちゃう気がするんだけど……。


マジでアーロンのやつ、ただの筋肉馬鹿だろ!


根性あれば何でも乗り切れるとか言いやがって!


苛立っていると、ボフンッと音がしてアーロンさんが足場から飛び降りてきた。あんな高いところからジャンプしたのに、見事に着地して白い歯を輝かせている。


「ウエェェェーーーイ! 飛んだねぇ。大丈夫だった?」


「は、はい。ちょっと痛いけど、大丈夫です」


何が「ウエェェェーーーイ」だよ。どういう意味だよ。


不満がマックスに達しようとしていたが、ふとアーロンさんを見てみると、彼はなぜか悲し気に目を細めた。


「もしかして……俺、無理させちゃった?」


アーロンさんはひょいっと私を持ち上げる。お姫様抱っこってやつだ……。


しかも、顔が近い。って言うか、何でそんなに見つめてくるの??


「……スイちゃん」


ちゃん?


「は、はい」


「初めて会った時から思っていたけど……可愛いね。俺、タイプかも」


きゅ、急に……??


「付き合っている男、いるの? 気になっている男は? 顔赤くなっちゃって、本当に可愛い」


何この人!

さっきとキャラ違くない??


しかも、これって情熱的なアプローチってやつ?


それとも、これいくらいは都会だと当たり前なの??


「やべぇ。俺、一目惚れなんて初めてかも」


「そ、そんな」


私に一目惚れ? 本当に?

ウソでしょ、心臓がドキドキする。


こんなに強い力で抱きしめられるの、初めてだし。反応に困っていると、アーロンさんが真剣な顔で見つめていることに気付く。


「スイちゃんは、俺のこと……どう思う?」


「どうって、言われても……難しい、です」


「じゃあ、好きか嫌いのどちらかで答えるとしたら? 二択だけ。それ以外はなしだよ」


どういうこと??

この人、私に好きって言わせようとしているよね?


なんでそこまでするの?

そんなに私のこと……好きなの?


答えに困る私を見つめるアーロンさんは、どこか切なそうな顔になる。


「黙られちゃうと悲しいよ。お願い、どっちなのか教えて」


「そ、それは……」


どうしよう、好きって言わないと……アーロンさんのこと、悲しませちゃう、かも。


「す、す……」


じっと見つめてくるアーロンさん。い、言うから……そんな目で見つめないで!


「す――」


「スイさーーーん! どこーーー?」


どこからか、ベイルくんの声が。アーロンさんは動揺した表情を見せながら、私を下ろす。


「べ、ベイリール様が見学にきたようです。練習の続きを始めましょう」


こんなに動揺するって……


この人、マジで私にマジなのかな??

「面白かった!」「続きが気になる、読みたい!」と思ったら

下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援お願いいたします。


「ブックマーク」「いいね」のボタンを押していただけることも嬉しいです。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ