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深山の王  作者: 森村征爾
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冒頭 弱き生命

エゾヒクマの個体数は令和8年現在で11500頭。


近年、人里に降り家畜や人間を襲うのは自然界では縄張りを追い出された弱者たち。


山の王、山の主と呼べるべきヒグマは確固たる縄張りで肥沃な深い山で暮らしている。

だが弱肉強食は自然界の理。

新たな主を山は産む。

次なる山の王はまだ弱き生き物。



何かが割れた。

それが“開く”という形なのかどうかは、まだどこにもない。


ただ、黒いものがある。

重く、途切れず、どこまでも続く。

その中に、わずかに差し込むものがある。

触れてくる。


同じ場所を、何度もゆっくり通る。

冷たくない。

でも自分ではない。

それが近づくたび、黒いものの中に少しだけ揺れが生まれる。

口のようなものが触れている。

しかしそれが何かはまだ分からない。

ただ、そこにある。

そして離れない。


最初に残ったものは、匂いでも音でもなく、

黒の中に沈まない残り方だった。

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