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憶測

 柳木を救助した蒼は、天宮乗るヘリに戻り状況の報告を天宮に報告をしていた。


「無事柳木さんを救助しました。魔物も跡形もなく消滅した事も確認済みです。」


「分かった、ありがとう蒼君。それにしてもあれは…一体なんだったんだ?あんな白い魔物は見た事もないのだがね…」


「はい…新種の魔物…ですかね…」


「…恐らくかもね。」


 蒼は先の戦闘を思い返してみて、魔物を一刀両断した際に感じた違和感があった事を天宮に伝える。


「あの魔物を両断した際、核となる魔石を切った感触がしなかったのです…。」


「つまり魔石は無かったと…言う事かな?」


「…はい。」


 天宮は考え込む…

(結論からして動力している核がなければ、そもそも存在を維持する事もままならないそれなのに動けるのはおかしい…)


「だとすれば…核は本体ではなく、別にある可能性もあるか…」


「それは…可能なんですか…?」


「聞いた事はないが…核である魔石が無くそのまま灰になって消えた事から鑑みて妥当だろう…。」


 天宮の話しを聞いた蒼だが、今までそんな事をした魔物など聞いた事無い。

近くに魔石があるならなば探知に引っ掛かっていてもおかしくない、現に柳木さん達はその魔物の反応を追ってこの森を探索していたはず…なのに魔物自体は核無しという矛盾。


(何か見落としていないか…)


「…そもそも、核があるならば灰になって消える事はないはずなんですがね…。」


「そうだね、君の言うとおりさ…だからこそ不気味なんだよあの魔物はね。」


「もしや、人の手で生み出された人工の魔物って思うのは考え過ぎですかね…」


 何気ない蒼の言葉だったが…天宮は目を見開いて応える。


「いや、可能性はある。断定はできないがね…」


「え…?」


 天宮は一つ思い当たる事があった。


「今から9年前に対魔物用兵器開発と魔物の生態を調べる両方の研究を行ってたチームがあったんだ…」


 その研究チームには二人の主任がいてそのうちの1人が魔物を使役し兵器運用できないかと言う信じがたい提案をしたそうだが…当然リスクの方が上まり同じ研究員から却下されたのだが…彼はあろう事が、防衛技術シンポジウムの防衛装備庁が主催するイベントにこの話を披露し既に魔物の使役の成功していると豪語して見せた。

 彼の魔物の使役に興味を持った研究員達で既に魔物の使役する技術の確立していた事が後に分かったそう。

 この話を産学官が集う場に持ちかけたのだが…やはりリスクが高いのと、そもそも魔物を倒す為の兵器を求めているのに魔物が魔物を倒したとしてもいつ暴走するか分からない状態で実行するほど皆寛容ではない事を伝えられ…またして事実上却下となった。


「その技術を開発した主任があの魔物を使役していると…?」


「いや、彼は既に他界してるよ…3年ほど前にね…。」


「君もニュースの報道で見た事あるだろ…対魔物兵器開発研究所チーム(プロフェクトゥス)が何者かの襲撃を受けてその際に彼は殺害された事件さ…」


「確かその事件の、襲撃した者達はまだ…」


「見つかってないな…未だ犯行に及んだ者達の動向が分からずじまいなんだけどね…。」


「つまり…天宮さんは、今回のあの魔物は襲撃した者達が彼の研究の資料を盗み悪用していると…思っているのですね…。」


「そうだね…先程も言った通り断定はできないから、とりあえずこの話はこの辺にしておこうか…結局のところ憶測でしかないからね。」


「そ、そうですね…分かりました。」


 天宮も蒼もこれ以上話しても結局のところは憶測でしかなく、証拠がなければただの妄想である。

結局あの魔物については分からず仕舞いなのは否めないが、この話で蒼は確証な無いがこの一連の事件と状況は繋がってる事の方が腑に落ちた気がした。




 


 




 



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