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初仕事と友達!

 

 

 目の色を変えて案内板の前に立つわたし。


早速貼ってある数々の依頼を見てみる。それらの光景はとても色とりどりだ。というのも、依頼の難易度は紙の色によって分かれている。簡単なものは白、危険があるかもは黄色。戦闘が避けられなさそうなのは赤。一番ヤバいのは黒。

 

 ヤバイの定義は色々あって、もっとも多いのは最初は黄色だったのが、誰かが失敗し難易度が変わって赤になり、それでもクリア出来なくなって、そうなっても尚依頼を続けたい場合最終的に黒になる。だから、黒なんてそう滅多にない。


 わたしみたいな駆け出しは白しか勿論受けられない。黄色を受けるためには二つ星。赤は星四つ。当然黒は五つ星のみ。といった具合だ。


 まぁ、黒なんて無い方がいいし。下手をすると見る事もないまま運び屋稼業を引退していく人だってざらなんだ。


 「さて、今ある依頼はー。」


 やっぱり殆どが白、黄色だね。赤もあるにはあるけど極端に少ない。だから、あると凄く目立つね。黒は…やっぱり無いね。



 折角だから何か仕事しよー。


んーーーーー。よし、じゃあ初めはこの手紙を届ける。にしよう。


 これと決めた紙を案内板から剥がし受付カウンターまで持っていき、腕章を受付にある登録板に翳すと受注が完了し、依頼書が発行される。最終的にこの依頼書にサインをもらえれば仕事終了だ。だから、大切にしないとね。


 紙をもらって、その紙は空間収納にしまっておく。


 「よし、じゃあ依頼主さんの所に行ってみよー。」


 意気揚々と外に出たわたし、不注意でちょうど入ってくる人にぶつかってしまった。


 「あっ。すみません。」


 「いえ、こちらこそ。」


 うっかりしてしまった。こういう動き出したら周りが見えなくなる所直さなきゃなぁ。ってか、さっきの真っ黒の人って職業統括に居た人だ。あの人も運び屋になったんだ。おおー同期ってやつですね。次会ったら声かけてみよ。


 その後も何度か角を曲がる度に人にぶつかってしまったわたしだけど、なんとか依頼主の元まで辿り着い。


「こんにはー。運び屋でーす。依頼を受けきましたー。」


 とドアをノックして声をかけると依頼主さんがでてきた。


「ほう。随分若い娘さんだねー。運び屋をやっているのかい?」


 出てきたのは60歳くらいのお婆さんだった。ハツさんという。なんか、昭和の日本人みたい。

そんなどうでもいい事を思いながら話を続ける。


「それで、お手紙の輸送の依頼との事ですがどちらまでお届けしますか?」


「ああ。実は孫が今度お誕生日があるからそのためのケーキの注文書を届けて欲しくてね。歳を取ると、長い距離歩けないからね。それで、そのお店は職業統括の隣にあるラクレールというお店に届けたもらえるかい?」


「はい。わかりました!任せて下さい!じゃあ、直ぐに行ってきます。」


 そうやって、ラクレールへ行き控えを貰って戻ってきたら。


「ハツさーん。ただいま戻りましたー。」


そう言って、控えを渡した。それと同時に依頼書にサインを貰った!初仕事完了の瞬間だ!


「ありがとうね。次はラクレールのケーキを孫の所へ届けてもらう依頼をだすからもし、見かけたらよろしくね。」


「はい!わかりました!」



 無事依頼を終え、アカデミーに戻る。完了の依頼書を受け付けにだせば報酬が貰える。今回の報酬は100キラだった。

まぁ、大分簡単だったしこんなもんでしょう。


 さてどうしよ。夕方までは時間あるし。とりあえず案内板を見るだけ見てみようか。


 そうして、案内板の所へいくと入り口でぶつかった真っ黒の人が居た。

 どうしよ。声かけてみようかな?


「こんにちはー。さっきはすみません。」


 私が声を変えると真っ黒の人は顔だけこちらに向き、下から舐めるように視線を送って来た。


「ああ。」


 って「ああ。」じゃないよ。それだけかー!


 めげないもん。。


「あなたもはこびやさんなの?」


今度はこちらを向きもせず、


「いや。違う。」


 はあーーー??なにその態度。根暗!格好も黒いから心も黒いのか!


 って言いたけど我慢する。


「忙しそうみたいだから、わたしはこれで。」


「……」


  最後は無視かーーー。ふん!もう声かけてやんない

  んだから!


 なんか悶々としながら今日は宿へ向かったわたし。

 なんか依頼は楽だったのに最後の最後に凄く疲れた。


 今日泊まる宿を決めたわたし。決めては朝夕ご飯付き!

しかも、リーズナブル。正に駆け出しにうってつけの宿だ。

 話によるとここのオーナーさんは自分も駆け出しのからそういう宿な随分と助けられたとかで自分もそうしているらしい。この宿が安いってゆうよりも駆け出しだから安いという感じだ。だから、それ以外の人はもっと高いみたい。


 ありがたいなぁ。


 案内された部屋に荷物を置いたら、すぐさま夕飯にゴーだ。


 食堂へやって来たわたし。特に変わったところはない食堂だけど、掃除が行き届いているようでとても綺麗だ。


 テーブルに着くと、宿泊者専用の夕食が運ばれて来た。

 今日のメニューは野菜炒めと、パンとスープ。あとコーヒーが付いてる。足らなければ追加注文すればいい。でもわたしには充分だ。


 味もまぁまぁで、美味しくいただいた。食べ終わってコーヒーでもを飲んでると隣の少女が声をかけて来た。


「あなた、みない顔ね。登録したばかり?」


「あ、はい。そうです。今日登録してきました。


  

「そうなんだ。わたしは今日二つ星になったの。」


「おおー。おめでとうございます。」


「ありがとう。で、あなたの職業はなに?」


「はい。わたしは運び屋です。」


「ふーーん。女の子で運び屋って珍しいわね。」


「そうですね。体力勝負なところがあるから確かに少ないかもしれませんね。あなたは、何の職業なの?」


「あ、ごめんなさい。わたしはレンジャーよ。護衛もするけど主な仕事は道案内とかかな。あと洞窟とかでの補助もやるわ。あっ。ごめんなさい。わたしの名前はレイラよ。貴方は?」


「あ、すみません。わたしはミミリーです。よろしく。レイラさん。」


「レイラでいいわよ。ミミリーねこちらこそよろしく。でも、運び屋さんなら一緒に仕事することあるかもね。宿はここ?」


「うん。そうだよ!一緒に仕事する時はよろしくお願いします。でも、まだ、わたしじゃ雇うほど稼げてないからいずれということで。」


「ウフフ。ここであったのもなにかの縁よ。必要な時は声をかけてね。報酬は貴方が依頼を達成した時の報酬の中から少し貰えればいいから、気軽に声かけてね。」


「えっ!ほんと!!ありがとう!!じゃあ、荷物持ちとかも出来るから必要な時は言ってね。空間収納使えるから役に立てるかも!」


「あら、それは助かるわね。こちらこそよろしく。」


 なんだか友達できたかも!さっきまでのモヤモヤは、

 吹っ飛んだ!

 よし!明日も頑張ろう!!






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