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一つ星のドラゴンバスター

 

 昨日の夢は何だったんだろう。凄く綺麗な所だった。

 いつか行ってみたいなぁー。


 今日はドラゴンバスターという称号をもらう為お城に行くことになっている。


 城へはお昼前にくるようにとリンダさんに言われた。

やはり、授与された後国王様の計らいで軽い食事会が開かれるそうだ。普通は国王様がわざわざそのような事をされることはないそうで、かなりの異例な対応だそうだ。

 なんでも、一つ星のど新人に称号を授与する事は前例が無く初めての事のため、国王様もどういう人物か気になるそうでその為に催される事になったと言う事らしい。


 やばい。どうしよう。緊張してきた。。


 いくらわたしでも、国の代表様に会うなんて出来事、日本でもないしこの異世界でも当然ない。


 なんでもドラゴンバスターの一人となるとドラゴンの討伐や調査、捕獲などドラゴンに関する仕事で特に危険な案件になるとドラゴンバスターが請け負う仕事になるそうだ。

 わたし達が受けたような軽い物じゃなく、最低でも危険度A以上のドラゴンか複数いる場合はこれに当たるらしい。


 何その無理ゲー!わたしには無理だよって顔を青くしてたら大概はドラゴンバスターも複数参加するみたいで、神話級やS級とかにでもならない限りそこまで危険では無いそうだ。学院でも、ドラゴン専用の講義があるそうでわたしは強制的に参加さることになってる。そこで、良く学びなさい!ってリンダさんにも言われた。

 因みにリンダさんもドラゴンバスターだそうだ。


「ミミリー、買って来たよー。」


「あ。ありがとうレイラ。ごめんねー。わざわざ買いに行ってもらって。」


「ほんとよー。まったくー。可憐な乙女が戦闘服しか持ってないとかありえないよー。」


「えへへ。だって、仕事に生きるつもりだったからそんなの気にした事もないよー。」


「もーーー。乙女はそんな事言っちゃいけません。ミミリー可愛いのにー。もったいないよー。ほらー見てごらん。このドレス。」


「うわーーー。綺麗ーー。」


 レイラが買って来てくれたドレスは真紅のマーメイドラインのドレス。胸元には色とりどりの石が飾られ、とっても華やかだ。肩が全部出てるので、少しスースーしそうだけどまぁいいか。


「ほらー。着てみてー。」


「う、うん。」




「うわーー。ミミリー素敵ーー。背が高めでスタイルいいからすごく似合うー。」


「えっ。そうかな。変じゃ無いかな?」


「うん!とってもいいー!ミミリーには赤が似合うね。サイズもピッタリ!ほら!ミミリーも鏡で見てみなよ。」


 鏡に映し出されたわたしは、うん。わたしじゃなかった。今まで村にいる両親の為に仕事をしたいたので、それ以外の事を考えた事がなかった。髪型やメイクなどの身だしなみなんて気にした事も無かった。日本にいた頃は身だしなみも仕事のうちってゆー所もあったけど、この異世界に来てからはその日生きる事が最優先だったからそんな余裕は無かった。

 そんな鏡に映るわたしは自分が知ってる自分とはかけ離れていて言葉がないよー。



「うそ、みたい。」


 そして、そんな姿を母様にみて欲しいと思っていたら知らずのうちに涙が流れてきた。

 どんなに暮らしが大変でもわたしを最優先に育ててくれた母様。仕事の帰りにはいつも珍しい石や動物の爪などお土産を持って帰って来てくれた父様。アーガンスに、出発する時シロも一緒にみんなで、笑顔を見送ってくれた。


 そんな事を思い出したら涙が止まらない。


 


          会いたいなぁ




「ちょっ、ミミリーどうしたの?何か気になるところがあったの?ドレス気に入らなかった?」


「ふぇーーーん。」


「ちょっ。ほらー涙ふいてー。折角のドレスが台無しになっちゃうよ。」


 暖かいなぁ。レイラ。まだ出会ってそんなにたって無いのに、まるで昔から一緒に居たみたいだ。お姉ちゃんみたい。

 わたし、恵まれているなぁ。


「ありがとうレイラ。わたしと一緒にいてくれて。」


「えっ?!ちょっ。急にどうしたの?辛い事でもあったん?」


「えへへ。ごめん。なんか、嬉しいなぁって思ったら泣けてきちゃった。もう、大丈夫!心配しないで!」


「もー。なんなのよー。まぁ、でもそんなミミリーの顔見たら何にもいうことはないわ。ほら、馬車がきちゃうから顔洗っておいでー。」


「うん!!」


 なんとか、準備を終えたところで馬車が宿屋まで迎えに来た。この宿は値段が安い代わりに街の端っこにある。そんなところに、さまざまな装飾とアーガンスの紋章が入った王族専用の馬車が来たものだから、外は大騒ぎになってる。

 騒ぎといっても粗相があったら大変だから遠巻きに人が沢山集まってみてるだけだけど。


「うおっ!なんでこんな所に王家の馬車がー?」

「えっ!誰かなんかやらかしたのー?」


とかの話がそこかしこから聞こえて来る。


 うーーーん。出づらい。


部屋がある二階の窓から下を見てたら、馬車から燕尾服のような着た執事さんらしき人が出てきた。

それを見た宿屋の主人が跪いて対応している。一礼すると、二階のわたしの部屋まで全速力でやってきた。


「ちょ、ミミリーさん?なんか、城の執事さんが呼んでるよー。どーしたの?なんかやらかしたの?厄介方はごめんだよ!」


「あ。すみません。厄介事じゃないですよー。ちょっと、仕事の件で呼ばれたんです。すぐ、行きます」


「よし!ミミリー行こうか!」


「うん!」


 わたしとレイラが手を繋いで外に出ていくと、ドレス姿のわたしを見た宿屋の主人や見物に来てた人達の話し声がやんだ。


 (えっ?なに!この沈黙。)


 そんな中宿屋の主人の娘、マリナちゃんが「おねーちゃんとっても綺麗!」との言葉を皮切りに同様の言葉がたくさん投げかけられてた。

 そんな空気に当然慣れてないわたしは俯くしか無い。

 (ひやーー。見ないでー。はずかしーー)


 俯きながらもレイラと手を繋いで一歩出ると、執事さんが挨拶をしてくれた。丁寧に会釈したあと

「はじめまして、ミミリー様。お迎えにあがりました。アーガンス王の側仕えのゴードンと申します。どうぞお乗り下さいませ。」

 と手を差し出してくれた。


 (えっ?馬車に、執事に、お手を拝借って、いったい何の映画??)


「ほら!ミミリー。執事さんが乗りやすいように手を差し出してくれてるよ!」


「あ、うん。よろしくお願いします。」


「いえ。では参りましょう。」


 そうして馬車に乗って城に向かう。なかもやっぱり豪華で夢としか思えなかった。だって城に着くまでの記憶が無いもん。


「あ!!ミミリー、お城に着いたよー。」


 その、レイラの声で我に帰った。これ本当に現実なのかなー。嘘みたいだよー。


 お城はまさに映画やアニメとかから出てきたかのような現実感のない雰囲気だ。正面入り口の扉も、入って直ぐあるフロアの広さも天井から下がるシャンデリアも、床に敷かれたカーペットも何もかも女の子なら夢見るファンタジーなザ、キャッスル!


 うわーーーーーーーーーーー。


 隣にいるレイラも呆気に取られている。


「す、すごいね。ミミリー。」


「う、うん。」


 もうね。それしか出てこないよ。


「さー。ミミリー様、レイラ様、こちらはどうぞ。」


 ゴードンさんに案内され、控室に通された。


 そこで、しばらく待機し式が始まったら呼ばれるらしい。


わたしとレイラはその間、ゴードンさんが出してくれるお茶を飲んで待っている。

 

 二人で部屋をキョロキョロ見回して。窓から外を眺めたりしていると、ゴードンさんが呼びにきた。

 いよいよみたい。


「ミミリー様、レイラ様、大変お待たせ致しました。準備が整ったのでこちらへおいでください。」


「「はい。」」


 そうして、案内され王の謁見室に通された。

中に入ると、左右にお貴族様達が沢山並び中央にわたしが通るための道が開けられている。そして、その奥に一皮豪華な椅子にただならぬオーラを纏った王が鎮座している。

 中佐ヨーロッパを彷彿とさせる王冠とマント。髭は蓄えていないが、白い髪をオールバックにして思っていたよりも若い。おじいちゃんを想像していたわたしはちょっと驚いた。

 そして、両脇には妃や王子と思われる王族が左右に並ぶ。


 本当に夢の世界に来たみたい。


 そして、司会のように声をあげる騎士。


「これよりドラゴンバスター授与式をはじめる。ミミリー、前へ。」


「は、ふぁい。」


 あ、噛んじゃった。まっいいか。


なんかクスクス聞こえる気がする。もーーー。いいじゃん別にーー。

 まぁ、でもお陰で緊張がとけた。


 そうして、王の三メートルくらい手前のところで、教えられた通りに挨拶をする。そう、両手で少しスカートを持ち上げてするあの挨拶だ。すると、騎士に手渡されたドラゴンを模した絵が書いてある腕章を持ち王も立ち上がる。


 わたしはそれに合わせるようにして前へ出、再びスカートを摘み腰を少し落とし待っていると、王自らが腕章を左腕にはめてくれた。


「えっ?」

「ちょっ。王…。」


と、周りがあわてる。というのも王は渡すだけで、付けるのはゴードンさんがやる予定だったからだ。


「良いのじゃ。このような若き物が此度の称号を得たのは初めての事。儂がそうしたいのじゃ。ミミリーよ、君は素晴らしい事をした。こんなにか細い腕で良くあのウィンドリードラゴンを倒したものだ。しかし、君はまだまだ若い。これから良く学び、沢山の経験をして立派な運び屋となって、世界の為に尽くして欲しい。よいな?」


「はい!!もちろんです。陛下!」



 こうして、ここにはじめての一つ星のドラゴンバスターが誕生した。

 



次は学院へ入学です。

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