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実験記録の闇

澪は古びた研究所のデータベースから、一連の非公開の実験記録を入手した。ホログラフィックディスプレイに映し出されたテキストは、十年前のものだった。そこには、感情制御技術の初期段階で行われた人体実験の詳細が記されている。被験者の年齢、状況、反応。そして彼らの多くが行方不明になったこと。


記録を書いた研究者は、当時の葛藤を率直に綴っていた。「私たちは未来を創っているのか、それとも怪物を解き放つのか」。彼の筆致からは、理想と現実の狭間で引き裂かれる心が伝わってくる。澪はその文章に自分の存在を重ね、なぜ自分がこの世界にいるのかを考えざるを得なかった。


五年前のアイドル時代、澪は定期的に行われる健康診断で奇妙な注射を受けていた。医師は「栄養補給だ」と説明したが、その日に限ってメンバーの一人が倒れた。今思えば、その注射は実験の一部だった可能性がある。実験記録には、その日に行われた「試薬投与」の結果が記されており、対象者の感情指数が急激に低下したと報告されていた。


現代の澪は、これらの記録を読んで怒りと絶望を感じる。しかし同時に、彼女の中に新たな決意が生まれた。過去の闇を暴くことでしか、自分の未来を取り戻せないと悟ったのだ。彼女はハンドラーに黙って、そのデータを安全な場所に複製し、次の行動に備える。

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