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未婚の侍女ですが何か?

 そもそも辺境伯の娘であるわたくしが、なぜ侍女をしていて、行き遅れているのかをご説明するのが先でしょうか。


 先にお伝えした通り、わたくしの生まれ育った領地ーー国と隣国シャニウアとの境目であるマクベス辺境伯爵領は、森が豊かで農業などが盛んに行われており、領地の財政などは何にも問題ないのですが、如何せん、魔物。

 そう、魔物が出るのがかなり大変な問題で、それを代々騎士の家系である我がマクベス家が昼夜問わずに魔物狩りをしております。恐ろしい魔物が出る為に、王が直々に騎士に伯爵の地位を与えて、その地に住まわせた過去があるくらいなのです。あ、うちのことです。


 魔物というのは、私に憑いているホワイティのように可愛らしいものから、鮫みたいな歯並びの獰猛なのまで様々にいる訳でして。あと、熊みたいなのとか。ライオンみたいなのとか。


 一応、農民たちが農業を出来るように切り拓いた土地には、そういう強そうなのはあまり出没しないのですが、領地の殆どは森なので、わんさか凶暴な魔物がいるわけです。

 それを倒す為に、騎士の精鋭部隊が領地には存在していて、その長がわたくしが子どもの頃は父が勤め、現在は兄が勤めております。


 そして、わたしはと言いますと。15歳の頃から遠い親類である、こちらのフィン侯爵家へと奉公をしてまいりました。

 全ては、辺境伯だと結婚相手を選ぶのに限りがあるので、王都に御殿を構える侯爵で居候兼、生まれたばかりのお嬢様にお使えをする為に。

 奉公勤めをしながらデビュタントを迎え、社交界デビューもし、華やかなお茶会などにも何度か参加させていただきました。あ、13年くらい前に一回だけ良い縁談のお話も受けたことがあります。


 まあ、結果的に。嫁にも行ってませんし、15年間お嬢様につきっきりですけれども。

メイリアお嬢様が可愛らしすぎて。お側をお離れすることが出来なかったのが原因です。後悔はしておりません。


 思えば前世の時代から、可愛くて美しいものに目がなかったわたしです。心癒やされません?きれいは正義、可愛いは正義。メイリアお嬢様は、そんなわたしの可愛いものを目一杯愛でたいという気持ちが、もしかして今世で具現化してしまったのではないかと毎日拝見する度に思う次第なのです。


 あ、そういえば最初は口喧しく結婚について色々おっしゃっていた両親と兄でしたが、ここ数年は諦めたらしく何も言ってきませんね。ちなみに兄は10年以上前に結婚しております。子どもも一姫二太郎と恵まれたようです。


 つまり。


 わたしには別に子をなす義務もなければ、伯爵領を継ぐ義務もない。自由かつ愛しのお嬢様を近くでずっと見守れる幸せの渦中にあり、今世万々歳のわたしです。あ、前世もそれなりに幸せでした。

 そういえば、前も結婚はしませんでしたね。あの時は単純に結婚したくても、まず出会いもなくて婚活すらしていなかったわけですが、今世は伯爵の娘。それなりに見た目も良いですし、ウン十年前は一回婚活してますし、選ぼうと思えば結婚をする道を選べました。だけどそちらの幸せよりも、可愛いお嬢様にお使えする喜びを選んだのです。

 なんて良い人生なのでしょう。

 未婚でも良くないですか?わたしが納得しているので、これで良いです。


説明文ばかりで申し訳ありません。

もうしばらく…!

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