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カードチェス  作者: 破天ハント
第二部第二章︎︎ 準クリエイター編(前編)
57/73

序文


 フレームカラー五大色、五大分類、五大記号、五大領域とそのイメージの関係性について


・黄(白)

 分類:人物

 領域:捨札

 記号:♢出力

 イメージ:魂の輝き、霊性、創造力、神聖性

(元々は白だったが、デザインの都合上で黄に変更された)


・黒(紫)

 分類:未知

 領域:消札

 記号:★ランクスター(☆レアリティスター)

 イメージ:未踏の世界、神秘性、不可視、想像力

(黒はデザインの都合上で紫に変更される場合がある)


・赤

 分類:生物

 領域:場

 記号:♡体力

 イメージ:本能、情熱、意志、愛

 

・青

 分類:人工物

 領域:手札

 記号:♤戦力

 イメージ:理性、知識、思考、技術


・緑

 分類:自然物

 領域:山札

 記号:♧動力

 イメージ:原初の世界、基礎、調和、中立性



 各色の対立関係について


 黄(白)と黒は光と闇、昼と夜、内と外、表と裏、聖と俗、真実と虚構、物質と精神、現実と理想、顕在化と不可視化、創造物と想像物、再生と破壊、この世とあの世、善と悪、政治と宗教、王と民、人と神の象徴。

 黄は見えざるもの明るみに出す色。黒は見えているものを包み隠す色。二色は互いに対立しているが似ている要素もあり、しばしば入れ替わる。


 黄と対応するはずの捨札領域を活用するのは、未知(クロワク)に分類される駒札(悪魔、幽霊、妖怪等)が大半。

 消札は「第二の捨札」でもある。一般的なカードゲームでは、捨札(墓地)といえば黒、消札(除外ゾーン)といえば白のイメージが強いが、カードチェスでは逆転している。


 スターは夜の世界に浮かぶ光点のシンボル。闇であると同時に光でもある。白抜き(☆)は相対的希少価値をあらわし、黒塗り(★)は絶対的本質価値をあらわす。

 ダイヤは暗い地中に埋まる輝く石のシンボル。これもまた、闇であると同時に光でもある。ダイヤは宝石や金銭、コインなどの世俗的価値をあらわすが、対応色である黄は霊性や精神的価値をあらわす。


 ダイヤの由来でもある貨幣、コインのイメージは、出力や対価をあらわす記号として流用されている。

 対価札は架空のカードだが、アナログ版カードチェスでは実態のあるカードを使用する。不変の対価札には黄色のダイヤ、消えゆく副対価札には紫のダイヤがイラスト欄に描かれている。

 また、コインの形である円盤型は太陽のシンボルでもある。ダイヤは輝く太陽の出る昼の世界を、スターは星が輝く夜の世界を象徴する。

 だが、円盤型は新月もしくは満月のシンボルになる。スターは別の惑星系における恒星(別の太陽)にもなりうる。


 人物(キワク)の駒札は、そのほとんどが歴史上の偉人がモデル。未知(クロワク)の駒札は神話や伝説上の存在がモデル。「かつて生きていたが、今はこの世にいない者」と「かつては想像上のものとされていたが、今は顕在化した存在」。



 赤と青は火と水、陸と海、肉体と頭脳、感情と論理、女性と男性、動と静、能動性と受動性、攻撃と防御、革新と保守、主観と客観、野生性と文明性の象徴。

 赤は、内側から自然とわきあがる情熱によって行動する色。青は、外側から取り入れた情報を適切に処理する色。二色は互いに対立しているが似ている要素もあり、しばしば入れ替わる。


 赤は燃えたぎる火山。青は静かなる湖面。赤は火のように力強く積極的で、青は水の流れに任せるように受け身。

 だが、火は人間の知恵や文明をあらわす青のシンボル、水は生命の基本である赤のシンボルでもあり、逆転している。


 一般的に、赤は女性、青は男性として区別するのに利用される。赤い記号であるハートの由来は聖杯であり、聖杯は子宮を象徴する。青い記号であるスペードの由来は剣であり、剣は陰茎を象徴する。


 カードチェスにおいて体力とは「場にとどまろうとする力」であり、赤いハートの記号であらわされる。ただ自身がそこにあり続けるための動かざる力であり、能動的に相手を攻撃する力ではない。

 だが、ハートの色は能動性の赤であり、本来とは逆転している。


 剣は戦いのシンボル。カードチェスでは青いスペードが戦力の記号として用いられる。剣は人工物(アオワク)に分類されるので、くしくも青と合っているともいえる。

 だが、戦いや激しい生存競争の色は本来赤なので逆転している。

 また、トランプにおけるスペードは黒桃とも呼ばれ、上下を逆にするとハートとよく似たデザインになる。


 赤は流血闘争の色であるが、戦争の勝敗を決めるのは青のもつ技術の力。いつの時代も、技術の向上が戦争を変えてきた。

 カードチェスはドロー以外に運の要素が低く、対局の勝敗を決めるのは、デッキ構築とプレイング。よりしっかりとデッキを練り、落ち着いて考えたプレイヤーが勝利する。


 手札は、計画を立て戦略を練る領域。だが、自分から見た相手の手札は、「何が出てくるかわからない隠された領域」でもある。

  また、手札に関連する行為であるドローは、計画性とは真逆の運要素や衝動性をはらんでいる。


 場は、互いの勝敗を賭けた戦場。だが、「出された駒がすべて丸見えになる領域」でもある。隠された状態の手札とは違い、その後の展開をすべて計算することができる。


 人工物(アオワク)は人間(人物(キワク))によって作られたが、人間から理性を奪うとただの生物(アカワク)となる。



 緑は上記二組四色とは異なり、対立色が存在しない。中立性をあらわす調和の色。

 だが、それ単体で対立する要素を内包した混乱状態でもあるといえる。いわば自身が対立色の役割を果たしている。緑は秩序や調和の色であると同時に無秩序と混とんの色でもある。


 カードチェスにおいて、動力の記号は緑のクラブ。クラブの由来はクローバーではなく、木の棒、こん棒、杖をあらわすシンボル。山札はカードを積み上げた塔でもあり、データ上では棒のように縦にのびた領域。

 それに対して、手札は横方向に広がる領域。場は手前から奥へと展開される領域。捨札と消札は、前後左右も上下もない異空間のような領域。

(捨札にも順番の概念はあるが、好きに入れ替えることができる。アナログ版では口論をさけるために下から順に積み重ねるのが常識だが、あとで活用する予定のカードを上か下に集めておいても良い)


 すべてのものは自然から生まれ、自然へと回帰する。自然物(ミドリワク)はすべてのはじまりであると同時に終わりでもある。アルファでありオメガでもある。産まれたての赤子であり死にゆく老人でもある。

 対局で使用するすべてのカードは山札からはじまり、手札や場、捨札へと降り積もるように拡散する。そして、投了時は山札に手を乗せて終わりを宣言する。

 山札はすべての根源にして結末。原点にして頂点。一にして全。単独にして無限。



(松平対局塾発行のハンドブックの詳細解説本「超訳『カードクリエイターになろう』を読み解く」より)

カードチェスにおける色や記号のアイデアは、マジック・ザ・ギャザリングのカラーパイやトランプの図柄等を参考にしました。

ですが、上記本文に書いてある各色の対立構造や対応関係は完全にカードチェス独自の概念です。


光と闇の逆転システムはグノーシスの影響ですね、中二病乙。

そういえば、カイザ君の髪色はメインが紫でサブが黄色⋯⋯。

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