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現在、夏休み1日目、
お昼ご飯として、
お爺ちゃんが、焼肉左近に、
連れて来てくれた。
僕には、ご馳走であり、
大喜びである。
しかし、僕には、
悩みがあった。
僕たちのクラスでは、
「人の邪魔をするな」
そんな決まりがあり、
その決まりは、
僕への恐怖で、成立している。
誰だって、呪われたり、
家庭が崩壊するのは、
イヤなのだ。
僕には、呪いの能力など無いし、
家庭が崩壊するのは、
相手側の、親が、異常者であり、
裁判によって、
それが知られ、会社に居られなく成る。
その様な出来事で、
自滅しているのだが、
事実として、
偶然にしては、不自然な火災や、
その後、失踪など、
呪いを連想してしまう。
つまり、ホラー映画は、
嘘と解っていても、
見た後、恐怖が残る。
その様なモノである。
その為、僕たちのクラスでは、
僕を恐れ、
人を馬鹿にしない。
ところが、心の中では、
相変わらず、人を馬鹿にしている。
僕の場合、
僕に向けられる感情しか、
解らないが、
それでも、僕が、勉強していると、
それを冷ややかな気持ちで、
見ているヤツがいる。
そいつは、木村である。
木村とは、小学校が同じなので、
僕の恐怖は、充分に理解している。
その為、木村は、
僕に対して、無茶は事はしない。
しかし、何もしない訳では無い。
木村は、心の病気なのだ。
木村の名前は、
天空雷音である。
その為、彼は、
幼稚園のころから、
周囲に同情されたり、
馬鹿にされたり、
様々な苦痛を受けている。
結果、彼の場合、
その苦痛から逃れる為に、
お調子者に成る以外に、
助かる方法が、無かった様である。
そして、お調子者は、
小学校の6年間で、
鍛えられ続けた。
つまり、木村は、絶えず、
周囲を観察している。
相手を、馬鹿にする為である。
結果、木村には、
自分は、優れた洞察力がある。
その様な誇りが、あるらしい。
その為、その洞察力を、
発揮したいのだ。
しかし、
そんな都合の良い展開など、
そんなに、起こらない。
結果、木村は、
さらに、周囲を観察する。
僕たちのクラスの場合、
英単語の、英単語の記憶や、
池上彰ゴッコなど、
正直、僕でも、
笑える場面は多い。
しかし、僕たちの多くは、
それを無視して、
勉強に集中出来る。
しかし、木村には、
それが出来ない。
周囲に、いちいち反応してしまう。
声には出さないが、
馬鹿にしたい衝動に耐えている。
そんな木村は、自分の事を、
つっこみ担当で、
洞察力があって、
賢いと思っている。
しかし、そんな木村は、
100点を取れない7人の、
1人である。
集中力が無いのだ。
その為、木村は、
僕が、英単語を覚えている最中、
それを聞いてしまう。
木村は、人の失敗を、
指摘したいのだ。
その為、間違っていないのに、
『あっ、今、間違えた!』などと、
反応してしまう。
他人を、批判したい為に、
相手が、失敗する事を前提に、
観察している。
その結果、木村は、
自分の都合の良い様に、
聞き間違え、
見間違え、
そんな自分が、正しいと、
思い込む。
体力テストの時も、
正しいフォームで、
繰り返している相手に、
今のは、カウント出来ない。
そんな事を、言っていた。
完全に、精神の病気である。
放置しても良いのか?
正直、木村が死んでも、
僕は、困らない。
これは、白鳥くんも同じである。
どうでも良い相手なのだ。
しかし、では、
なぜ、こんなにも気に成る?
僕も、病気なのだ。
お爺ちゃんが、
僕を喜ばせる為に、
タクシー代まで払って、
焼肉に連れて来てくれたのだ。
つまり、僕は、今、
焼肉に集中して、
全力で、その喜びを、
感じれば良いのだ。
それなのに、なぜ、
どうでも良い、相手の事で、
こんなにも、悩むのか?
お爺ちゃんに、失礼である。
だから、僕は、焼肉に集中した。
正直、その思いは、
空回りしていたと思う。
しかし、お爺ちゃんは、
うれしそうに、僕を見ていた。
僕は、なぜか、泣きそうに成った。
その後、左近と同じ敷地の、
コーナンや、ライフで、
お爺ちゃんが買い物をして、
再び、タクシーで、
僕の家に戻った。
で、僕は、その後、
何をしたか・・・
昼の2時、
僕は、お爺ちゃんと、
お婆ちゃんの2人に、
留守番を任せて、
木村の家に向かった。
それで、何に成るのか?
正直、面倒な事に成るのでは?
そもそも、僕は、
木村の家に行って、
どうする、つもりなのか?
しかし、家が近所なので、
3分で到着。
チャイムを鳴らして、
お母さんに、木村を呼んでもらう。
すると、木村の、お母さんは、
僕に、目茶苦茶、感謝していた。
木村が、テストで、
70点が取れるなど、
考えられない事なのだ。
木村は、
親が、馬鹿な名前を付けた事で、
それがコンプレックスに成って、
集中力に欠ける子供に、成長したのだ。
僕から見れば、
木村の親は、クズである。
馬鹿にされる名前を付けて、
優越感に浸る。
世界に1人だけの名前。
そんなモノに、
何の価値があるのか?
事実、木村は、
100点取れるテストで、
70点しか取れないのだ。
素晴らしい、勉強環境があっても、
それを生かせない程、
心が乱れるのだ。
絶えず、馬鹿にされる事に、
恐怖を感じ。
その結果、クラスの中で、
馬鹿グループの一員に、
成っているのだ。
中1のテストなど、
答えが、丸わかりなのだ。
テスト範囲など、
限られている。
それを、全て記憶する方法と、
環境が、僕たちには、
あるのだ。
ところが、それで70点・・・
しかし、木村は、
そんな自分は、
現実的には、賢い。
そんな馬鹿な事を考えている。




