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現在、終礼直後の放課後、
僕は、田渕と、木戸さんに、
勉強に参加する事を、
求めていた。
すると、そんな僕たちを、
クラスの女子、背葉さんが、
スマホで、盗撮したのだ。
本人は、それが罪だとは、
理解していない。
そして、背葉さんとは、
別の小学校だったので、
僕の恐ろしさを知らない。
その為、背葉さんは、
僕の事を、舐めていた。
そこで、僕は、
ブチ切れた芝居を始めた。
まず、背葉さんの方を見て、
怒号を発した。
驚いている木戸さんに、
「大丈夫です」と目で合図する。
これは、芝居であり、
先程、その事は伝えてある。
通じているかは、不明だが、
通じている事を祈る。
その後、再び、背葉さんの方を向く。
背葉さんは、その瞬間、
何が起きたのか、
理解できていない。
中條は、馬鹿なのか?
私が見られている?
私が怒られている?
そんな混乱した表情で、
僕を見ている。
そこで、僕は、目を見開き、
瞳孔が開いた様な、
表情を作ると、
背葉さんに、向かい歩きながら、
「何、撮ってるんだぁあああ!」
と、狂人を演じた。
言い訳が通用しない相手、
それを印象付ける事が、
目的である。
本来の、背葉さんなら、
「はぁ? 撮ってないし」
などと、平気で、嘘を言っただろう、
もし、スマホを見せろと言っても、
見せずに、消去作業を行い。
その後、僕にスマホを見せ、
「ほら、撮ってないんですけど、
どうしてくれるんですか?」
などと、被害者を演じただろう、
しかし、僕は、異常者である。
一度、殺されそうに成り、
その時、相手を殺す為に、
狂人と成った。
その後、その技術を磨く為に、
体操を続けている。
そんな異常者の僕が、
瞳孔を開いて、
両手を、ぶら下げ、
前傾姿勢で、ズンズンと、
向かって来るのだ。
おまけに、僕は、
ヴァンパイアである。
おそらく、それも、
恐怖に影響を、与えているのだろう。
背葉さんは、
恐怖で硬直していた。
僕は、そんな背葉さんから、
スマホを、ふんだくると、
それは、撮影画面であった。
そこで、再生する。
結果、そこには、挙動不審の、
田渕の姿が。
そこで、僕は、背葉さんに、
背を向けると、
何が起きているのか解らず、
放心している田渕に、
その映像を見せた。
「田渕、これが、お前だ。
滅茶苦茶、挙動不審だろ?」
その後、僕は、
背葉さんに、スマホを返さずに、
近くの机に、そのスマホを置くと、
そのまま、田渕に話を続けた。
もとちろん、普通の口調である。
しかし、田渕は、完全に怯えている。
仕方が無いので、
僕は、出来る限り、
穏やかに、
説明を始めた。
「田渕、お前は、重度の厨二病だ。
だから、声に出してしまう。
もし、お前が、心の中で、
勝手に空想しているレベルなら、
僕も、何も言わない。
けど、田渕、お前は、声は出すし、
手も動かす」
僕は、再び、スマホを持つと、
その映像を、もう1度、田渕に見せ。
「カッコ悪いだろう?
そんな、お前が、
朝、ホームルームの前、
小声で、防御魔法発動とか、
呪術無効化とか、言いながら、
手まで、動かしていた。
そして、その事は、
周囲に知られている。」
その後も、僕の説明は続いた。
田渕、お前は、
馬鹿にされている。
でも、もう大丈夫だ。
現実を、教えてやる。
田渕、お前は、
井野辺が、怖かっただろ?
そんな、お前でも、
その気になれば、
家から、包丁を持って来て、
それで、井野辺を殺す事は出来た。
でも、田渕、お前は、それをしなかった。
つまり、お前には、自制心がある。
だったら、厨二病も、
その自制心で、押さえ込め。
この世界に、魔法なんてモノは、
存在しない。
と言った瞬間、
田渕から、反論の気持ちが、
少し、現れた。
しかし、僕が、怖くて、
言い返せない。
だから、僕は、話を続けた。
宝クジに当選したら、
換金に行くだろう?
では、田渕、
お前が、呪術を無効化出来るなら、
なぜ、それを使わない。
その確認に、行かない?
心霊スポットに行って、
本当に、呪いを無効化して、
何なら、浄化すればいい。
除霊を商売にすれば良い。
でも、お前は、それをしない。
田渕、お前、それが出来ない事を、
知っているんだ。
例えば、
仮面ライダーの、
変身ベルトを、買ってもらって、
自分が、強く成った様に思い、
調子の乗っている子供でも、
ベランダからは、飛び降りない。
それは、無理だと理解出来るんだ。
田渕、お前も、
自分に、魔力が無い事は、
理解してるんだ。
だから、井野辺を、
倒せない。
そして、僕の事も、
排除出来ない。
今日1日、
僕に何をされるのか、
ドキドキしてただろ。
でも、田渕、お前は、
何も、出来なかった。
お前は、無力なんだ。
そして、重度の厨二病には、
危険がある。
毎日、自分に、
妄想の暗示をかけている。
結果、痛々しい人間に成って行く。
世の中には、
ボランティアと称して、
宗教の勧誘に来るヤツが、居るだろ?
ヤツらは、実在しな神を信じて、
教壇に、騙され、貯金を奪われ。
それでも、洗脳されているから、
それが、正しいと、信じて、
教団に、金を貢ぎ続ける。
しかし、現実には、
失うだけで、何も得られない。
で、田渕の場合は、
自分で、実在しない能力を妄想して、
無駄な努力を繰り返し、
結局は、何も得られない。
僕は、田渕に、
その現実を伝えた。




