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現在、僕は、風呂に入っている。
しかし、リラックスは出来ない。
風呂場の、洗面器を湯船代わりに、
子猫が浸かっているのだ。
この子は、昼の3時の時点で、
瀕死だった。
本来なら、もう、死んでいる。
それが、元気に回復して、
生き生きとした目で、
僕を見ている。
僕の血を一滴、
この子に、与えたのが、
昼の3時頃・・・
そして、ヴァンパイア化したのか?
その間、家の裏手とはいえ、
外に居たのだ。
太陽で死ぬとは、思えないが、
3時から、今まで、
どこに居たのか?
ずっと、同じ場所に居たのか?
太陽光を避けて、隠れていたのか?
それは解らない。
つまり、明日、
太陽の光を浴びた瞬間、
死ぬ可能性もあるのだ。
そんな子猫を、飼う方向で、
話を進めても良いのか?
僕は、大急ぎで、自分を洗い、
ネコを洗面器から出し、
風呂を出た。
この時、僕は、母がリビングに居る事を、
感覚的に把握していた。
間違い無く、
ヴァンパイアの能力である。
取り合えず、僕が身体を拭いて、
その後、子猫を拭いて、
子猫を、タオルに包んだまま、
抱きかかえ、2階の僕の部屋に、
向かおうとした瞬間、
ママの心の動きを察知。
そろそろ、パパが帰って来るので、
玄関の電気を着ける為、
動こうとしたのだ。
その場合、僕と、
鉢合わせに成る。
だから、僕は、何かを発した。
結果、ママの気持ちが、消失。
もう少し、後でも良い。
その様に考えた様である。
2階の自室に、駆け込んだ僕は、
机の上に、タオルに包んだ子猫を乗せた。
で、どうする?
取り合えず、パンツを履こう。
僕は、大慌てで、
洗面所に戻り、
シャツをパンツを回収して、
2階に戻った。
で・・・?
パンツは履いた。
で、どうする?
僕は、馬鹿だ。
取り返しのつかない事をした。
猫にヴァンパイアの血を与えたのだ。
それが、どれほど危険な事なのか?
全く不明である。
その為に、メダカ実験を考えたのだ。
残酷な様だが、メダカなら、
確認の為に、殺す事も出来た。
しかし、子猫相手に、
そんな事は、出来ない。
この子は、歳を取るのか?
その確認の為には、
数ヵ月は、必要である。
本来なら、半年もすれば、
成長が見られる。
しかし、ヴァンパイアの、
不老不死が、何歳で発動する?
例えば、ヴァンパイアには、
子供が生まれないのか?
もし、生まれるのなら、
その子供は、成長しないのか?
生まれた瞬間の状態で、
不老なのか?
それとも、生き物として、
有利な状態。
人間なら、20歳前後。
そこまでは、成長するのか?
その確認を、この子猫で行う場合、
やはり、数ヵ月の観察が必要である。
その場合、飼う事に成る。
しかし、もし、この子が、
このまま、全く、
成長していなかったら?
子猫のままだったら?
両親は、どう思う?
そもそも、猫を飼う場合、
病院に連れて行く。
そして、血液検査を受ける。
その時、どんな結果が出る?
やはり、子猫に血を与えたのは、
失敗だった。
僕は、絶対に、やってはいけな事を、
してしまった。
絶望的な、気持ちに成るが、
しかし、可愛い・・・
こんな子を、死なせる事など、
出来なかった。
しかし、そんな事では駄目である。
今後、全ての子猫を、
助けるのか?
眷属にするのか?
そんな事をして、
大丈夫なのか?
僕には、この子の空腹が理解出来た。
血では無く、純粋に、
食事を求めている。
つまり、ミルクである。
しかし、我が家には無い。
プロテインも無い。
どうする・・・?
取り合えず。
僕は、無音で、
階段を駆け下りて、
玄関の電気を着け、
階段を、無音で駆け上がった。
その数秒後、パパが帰宅。
ガレージが開き、車が入る音、
ママは、大慌てで、
玄関に電気を着けに行ったが、
すでに、電気が着いている。
その事で、少々疑問を感じている。
自分で、着けたのか?
その様に、悩んでいるのだ。
僕は、その事に、
罪悪感を覚えた。
僕は、人の心を、
僕の都合で、
コントロールしているのだ。
僕は、僕の気持ちを、
コントロールする事も出来ない。
ゴミと理解していも、
ドラゴン・ソード・キーホルダーが、
欲しいのだ。
メダカで実験するベキだ・・・
メダカでも、実験は危険だ・・・
などと、考え納得したのに、
子猫に、血を与えたのだ。
そんな、精神力の弱い僕が、
他人の意思を、消失させる。
そんな権利など無いのだ。
しかし、では、どうする?
この子猫を、どうする?
本来なら、鳴くであろう子猫。
しかし、この子は、
僕の眷属。
つまり、僕に支配された存在。
僕の言い成りの存在。
だから、無駄には動かない。
僕の指示が無いので、
タオルに包まれたまま、
動く事もしない。
つまり、今、僕には、
子猫の姿は、見えないのだ。
見えているのは、タオルである。
『殴り殺すか・・・』
などと、考える事は出来るが、
そんな事、実行出来る訳が無い。
しかし、飼う事も、
逃がす事も出来ない。
子猫は、空腹に耐えている。
つまり、不老不死では無いのか?
その様な、
都合の良い、考え方は出来る。
しかし、不死では無くとも、
不老であった場合は?
この子に、噛まれる事で、
噛まれたモノも、不老に成ったら?
理屈で考えた場合、
猫ヴァンパイアが、
ネズミを襲い、
そのネズミが、不老不死に成ったら、
困るのは、猫ヴァンパイアである。
つまり、猫ヴァンパイアが、
噛みついても、ヴァンパイア化、
しないのか?
どうしても、僕にとって、
都合の良い方へ、考えてしまう。
と、ここで、僕は、
一旦、部屋を出て、
階段を下り、パパに、
「おかえり」と伝え、
再び2階へ。




