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『僕の周りの怪異たち〜学校の怪談や都市伝説と、なぜか普通に友達やってます〜』  作者: ハジェリ


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6/10

閑話 花子とのクリスマス回(※花子解放版)

※本編では「送信を取り消しました」で伏せている花子のセリフを、全部載せています。


おそらく見ない方が幸せだろうな、と感じた方は、ここでそっと閉じてください。


……ということで、今回は花子に内緒で特別に公開します。


本文中の [ ] で囲まれている部分が、花子が送信を取り消したメッセージです。


「だって。私だって一緒にいたいよ」


そんなことを送っては、恥ずかしくなって消して。悲しくなって消して。また送って、やっぱり消して。


クリスマスが終わるまでに、花子はいったい何回メッセージを取り消したのでしょうか。


本編では見えなかった、花子のちょっと素直になれないクリスマスをどうぞ。




――




十二月二十五日、夜。


メリーさんを見送ってから一日が経った、僕の部屋でスマートフォンが鳴り始めた。




(LINE個別トーク:花子)




【花子】メリークリスマース!!


【花子】(サンタのスタンプ)


【花子】おーい


【花子】おーい!


【花子】はじめー


【花子】ねえ!ずーっと既読ついてるのに!




【はじめ】どうしたー




【花子】いいから!メリークリスマス!!




【はじめ】はいはい




【花子】はいはいってなによ!


【花子】聞いて!昨日、音楽室でパーティーしたのよ




【はじめ】おめでとう!




【花子】おめでとうってなによ!


【花子】ベートーヴェンと、あと理科室のガイコツ先生と、体育倉庫のマットの人




【はじめ】マットの人?


【はじめ】なにそのパワーワード!




【花子】いるのよ、そういうの


【花子】うちの学校、結構にぎやかなんだから




【はじめ】知らない怪異、気になるな




【花子】そんなことより!


【花子】ケーキも出たのよ。イチゴのショート!


【花子】(写真:ショートケーキ)




【はじめ】いや、それよりマットの人のこと教えてよ!




【花子】ケーキ誰が用意したと思う?




【はじめ】マットの人どんな見た目?




【花子】マットの人でしたー!!




【はじめ】マットの人すげぇー!!!!




【花子】マットマットうるさいのよっ!!


【花子】でね、プレゼント交換もしたの




【はじめ】何もらったの?マット?




【花子】(クマが舌打ちしてるスタンプ)


【花子】マット……あと楽譜。手書きのやつ




【はじめ】いいじゃん、良かったね




【花子】うん


【花子】…うん、良かった


【花子】はじめは?


【花子】何してたの




【はじめ】うちにいたよ。


【はじめ】あ、メリーさんが泊まりに来てた




【花子】え?




【はじめ】去年のクリスマス、メリーさんずっと一人だったらしくて


【はじめ】それで、ちょっと家に呼んだ




【花子】ちょっとって……


【花子】ちょっとで二日もいるの?




【はじめ】母さんとケーキ作ったり、普通に家族イベントしてた




【花子】ふーん


【花子】家族イベントねえ


【花子】寂しくなかった?って聞こうとしてたのに


【花子】台無しじゃない




【はじめ】いやいやいや




【花子】強がらなくていいのにって言う流れ、丸ごと消えたんですけど。返して




【はじめ】僕のせいじゃないけど




【花子】まぁ一人じゃないなら、いいけど


【花子】でも、ちゃんと私にも教えてよね


【花子】そういうの




【はじめ】なんで花子に報告義務があるんだよ




【花子】[だって。私だっていっしょにいたいよ]


【花子】……なんでもない。


【花子】良いお友達ができたみたいで、何よりです




【はじめ】なんか言い方変わったぞ




【花子】ねえ、はじめ




【はじめ】どしたー




【花子】窓開けたら雪降ってると思う?




【はじめ】予報では降らないって言ってたけど




【花子】夢のない返事するじゃない




【はじめ】予報に夢を見ないからな




【花子】窓開けちゃおっかな


【花子】[はじめが呼んでくれたら]




【はじめ】どした?開けなよ




【花子】…なんか、一人だと怖い


【花子】開けに来てよ


【花子】なんてねー♪




【はじめ】メリーさんなら、もう家にいないよ




【花子】そういう意味で言ったんじゃないもん!!




【はじめ】わかってるって。ベートーヴェンもいるんだから怖くはないだろ




【花子】絵から出てこない


【花子】居心地いいみたいなのよね、あの中


【花子】……はじめ、今なにしてるの?




【はじめ】勉強




【花子】そっか


【花子】[これから来れないよね?]


【花子】勉強頑張ってね


【花子】はじめも怪異だったらよかったね




【はじめ】勉強中にやたら送ってくんな


【はじめ】しかも送信取り消し多すぎだろ。


【はじめ】言いたいことあるなら言いなよ




【花子】なんでもなーい




【はじめ】言いなって




【花子】なんでもないでーす




【はじめ】あっそう


【はじめ】つーか、どうせまた配信してんだろ


【はじめ】僕のことおちょくり配信


【はじめ】忙しいから勘弁してくれ




【花子】ごめんごめん


【花子】悪気はないのよ


【花子】(猫が謝るスタンプ)


【花子】ほんとに頑張ってね




【はじめ】はいよー。じゃあ、そろそろなー




【花子】うん。


【花子】おつかれー、メリクリー




【はじめ】長い夜を皆と楽しんでなー




――




しばらくして。




【花子】そろそろ寝たかしら?




【花子】おーい、ちゃんはじめ




【花子】寝ちゃったー?




【花子】おーい




【花子】クリスマス終わっちゃうよー




【花子】……あのね




【花子】[私嘘をついてたの。ごめんなさい]




【花子】[ほんとはベートーヴェンと付き合ってない。月光も。はじめに弾いてたんだよ]




【花子】[でも、はじめを苦しめたくなくて。そうしたら、どんどん苦しくなって]




【花子】[サンタさんにもはじめをお願いしたよ。クリスマスだけでも会えますようにって]




【花子】[メリーさんのことは……でも、はじめが一人じゃないなら。楽しかったならそれでもいいやって思う。うざいよね。ごめんなさい]




【花子】おやすみ




――




【はじめ】ようやく勉強終わったー。つかれたー、しぬー。これ以上は怪異になるー




【はじめ】寝たかー?送信取り消しすぎだろ。大丈夫か?




【はじめ】あっ、言い忘れてた。まだ三分ある!ギリギリセーフ




【はじめ】メリークリスマース!



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