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 ミウラール王国の北方四領を確保

 「それでリットちゃん。ファーナ様は?」


 「はいおば様。ウォーガット城で皆様の受け入れ準備中です」


 「妖精様を働かせているの」


 「私の近親者に会えると張り切っていますよ」


 「もぉぉリットちゃん。メッ」


 「あうっ」


 「もう一点いいかの」


 「はいお爺様」


 「わしの領地となる東隣のヒルデンブルック・ファイア・ヒコットセン子爵はどうなるのか」


 「今日中に私の領地となります。理由は王家の転覆を画策していました。

 既に証拠を提示して、陛下の指示により捕縛。本日処刑です」


 「お家事情は自業自得の散財で火の車じゃったからなぁ。

 一攫千金と不動の地位を狙ったか」


 「そのまんまです。

 それで、ヒルデンブルック・ファイア・ヒコットセン子爵領の南隣のイーナポインター・リバード・リコイン男爵


 「私の弟か」


 「はい。おじ様の弟様イーナポインター・リバード・リコイン男爵です。

 イーナポインター男爵様に王家簒奪の情報取集の協力への功績で、子爵に陞爵して頂いてヒルデンブルック・ファイア・ヒコットセン子爵領を割譲致します。

 今まで小さな領地で大変だったでしょうから、これからは今までの領地を含め頑張って頂きたいと思います」


 「リット。お主は悪魔か。ミウラール王国の重要拠点の北の全てを自由に操る気か。面白い事を考えよって」


 「お父様ぁぁ。言葉が過ぎます」


 「リーナスは気付いておらんのか?」


 「悪魔ですか?」


 「そうじゃ。

 いいか。まず初めに茶髪のリットは世界でたった一人のエスエスランク。恐らく今後も出て来ぬじゃろう。最強の男じゃな。

 で、イルリット・ファ・ウォーガット騎士爵は最低の貴族爵位じゃがその実行権力は国王をも凌駕する。

 それをアホも認め王位継承権を得たわしも認めた。

 この二点で既に世界最高峰の男だ。

 そこに更にファーナ様が実体化してお付きになり、全ての能力値で最高峰。

 さらにアクアスカイ女神様のお力も有した使徒様じゃの。

 後は悪を断罪しまくる悪側から見た悪魔しか残っておらんじゃろ」


 「「「確かにぃぃ」」」


 「お爺様。全く気付いておりませんでした」


 「無自覚とは恐ろしいのぉぉ。

 での。残りの悪魔は、リットが北端。バールデシタのバカ共と魔物の巣窟の番人。

 ミルカマイナが西。わしが中央。イーナポインターが東。

 全てリットが可愛い爺とおじさん達だ。

 国王がなんぞ言って来たらリットが地獄の門を開ける。わしらは何もせず悪魔の眷属達は素通りで王都を目指す。

 なんせウォーガット騎士爵が国軍と近衛に応戦するなと言えば手出しができなくなる。民達は事前に避難させておけば何も問題は無い。通路を設けるだけだからな。

 リット。造作も無いのじゃろ」


 「はい」


 「悪魔だわ」


 「法に抵触はしないの?」


 「お婆様ご安心を。

 まず、皆様内緒ですよ」


 「「判った」」

 「「判りましたよ」」


 「皆も秘匿せよ」


 「「「はい」」」


 「ウォーガット領の魔物の発生はランダムでした。その時期の予測も発生量も予測すら不可能でした」


 「当然じゃな」


 「ですがわたくしの魔力と魔法。そしてファーナによって時期と発生量をある程度はコントロールできることが解りました」


 「何じゃとぉぉ」

 「何だってぇぇ」

 「「何ですってぇぇ」」


 「既に実験済みで、その成果は期待以上でした」


 「「良くやったぁぁ」」

 「「凄いわぁぁ」」


 「それであの付近を今探索しています。

 その探索にわたくしが今まで討伐して来た三から五メートル級のスチルゴーレム十体を完全に使役して探索と警戒に当たらせています」


 「何じゃとぉぉ」

 「何だってぇぇ」

 「「何ですってぇぇ」」


 「言い方は悪いですが国軍兵より従順で扱いやすいです。

 ご存じの通りドラゴンとワイバーンに並ぶ強敵。

 崖も関係なく落下しても無傷で地面の形状も水の中も関係無く、魔物は明確な敵で、報告の欠如も無く、食費も掛からず、昼夜兼行で疲れも睡眠も必要ありません」


 「「すげぇぇ」」

 「「凄いわぁぁ」」

 「「「凄いですぅぅ」」」


 「イルリット君。私にも貰えないか?」


 「おじ様の領地にも必要と思います。

 スチルゴーレムが出たら教えていただけますか」


 「任せろ。

 マギュレイ、至急捜索隊の編成を」


 「畏まりました」


 「リットちゃん。今のを借りることは出来ないの?」


 「申し訳ございませんおば様。

 一旦捕まえて、初期登録におじ様の妖精の力の波長が必要なのです」


 「ああキャラカン教授の研究の」


 「はい。まだ、上書きまでの能力を習得出来ていません。

 敵味方の判別やこの地の情報登録など詳細を認識させる事も必要なので今はまだ」


 「判りましたわ」


 「それで法に抵触しないようにする方法ですが。

 領地軍の二倍を超える魔物の襲来。同時にバールデシタ軍が侵攻。

 無敵と称されるスチルゴーレムが先陣。

 各方面。応戦に失敗。国軍。近衛では被害が甚大。対応不可。茶髪のリットを待て。そうして私が誘導」


 「領地軍の二倍とバールデシタの同時が肝要だな。バールデシタの方は兆候の欺瞞でもいいな。

 叱責を受けるどころかあ奴らがひれ伏せて褒章ものか」


 「はい。儲かっちゃいます」


 「で、魔物の侵攻ルートは自然に耕されて、魔物のフンや死骸が肥料となって潤うと」


 「コントロールできる魔物ですから魔石も大量になります。

 そのルートは既に策定済みです」


 「一石三鳥ぐらいあるな」


 「本当に悪魔ちゃんよ。リットちゃんは」


 「おば様ぁぁ」


 「可愛い悪魔ちゃんね。楽しくなっちゃうわ」


 「で、我が聡明な孫よ」


 「照れますが」


 「まさか自治領を宣言する気か?」


 「お爺様には勝てませんね。

 確認ですがドワーフさん達は」


 「長を含めた若干名はわしの元に居る・・調査済みかこの大悪魔め。

 三十三名。取り纏める登録上の長が実在。出来るな」


 「はい。ドワーフさんの保護自治区を含めた自治領が成立します」


 「悪魔ちゃんたらぁぁ」


 「四領で監視か?」


 「はい。お願いいたしますね」


 「「任せろ」」


 「リットちゃん。憂いは無いの」


 「有ります。それを含めてお話しを聞いて頂きたいのでわたくしのお城に今直ぐお招きしたのですが・・・おじ様。お客様のようですよ」


 おじ様は天井を見つめながら恐らく探索を掛けたのでしょう。


 「こいつ等か。何処の手の者か解かるか?」

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