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四話の三です!
是非一度、お試しください!
挿絵付けてます! 下手くそですがご容赦下さい!
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四話の三
「断るっていうのね。リリーナ」
「当たり前だ。ミシェル。君の配下にはなれない」
そりゃ当然だ。世界政府を立ち上げようってのに、テロリストの配下になったんじゃ意味が分からない。
「じゃあ、対決路線という訳かしら?」
「そういうことかもしれないな」
ミシェル様が大きな溜息をつく。
「リリーナ。あんたも馬鹿ね。わたくしに盾突くということがどういうことか分かっているのかしら?」
場の雰囲気が一気に変わった。ピリッとした空気が肌を突く。
「どういうことなんだろうな?」
「リリーナ。考えてもみなさいよ。私は名家の令嬢として生まれ、何不自由なく幸せに過ごしてた。なのに今ではこの様よ。テロリストのトップ。どれだけ令嬢ごっこしてみても、周りはゴロツキばっかり。何も満たされないの」
ミシェル様は自分語りを始めた。完全に自分の世界だ。悦に浸ってやがる。
「何が言いたい?」
「あなたはいいわね。愉快な仲間を引き連れて、自分の夢に向かって進んでる。それって幸せなことじゃない? わたくし、うらやましくて、妬ましくて。憎いわ」
ミシェル様は椅子から立ち上がった。
「生まれも、育ちも一緒。違うのは身分だけ。それも私が上だった。でも、今はあのみじめだった混ざりのガキが私より楽しそうなんて許せると思う?」
「混ざりって……」
「何じゃと?」
確か、アオウが言ってたやつじゃ……。
師匠は怒り心頭といったところだった。
「貴様! よくもそれを……!」
「あら? 本当の事言われて怒った? 誰にも言ってないわよね。そのせいで、あなたはみじめだったんだもの。可哀想な子」
師匠は今にも飛び掛かりそうな様子だ。
「でもね。リリーナ。今は私の方がみじめなの。可哀想なのよ。ずっと、復讐の事ばかり考えてきたの。今もね。だから、手伝ってくれない? 私の配下に入って、ワイルドカードの連中を皆殺しにするのよ。そうすれば、その後の事は見逃してあげるわ」
「断ると言っている!」
「ならしょうがないわね」
ミシェル様はそう言うと、右手人差し指を軽く回した。すると、俺達の周りが光り始めた。師匠以外が。嫌な予感MAXだ。俺は、とっさだった。師匠に力をまとわせシンクロした。次の瞬間、光に包まれたと思ったらさっきの部屋。執事のいる応接間にいた。
「どういうことだよ?」
「空間移動じゃ」
アオウが焦った様子でそう言った。
「なんちゅうレベルじゃ。四人も一気に移動させるとはの」
「これも超能力か?」
「そうじゃ!」
マジで? こんなこともできるのか? 後で真似してみよう。だが、それはともかく。
「師匠が置いてかれちまったぞ」
「お気に入りみたいじゃったからのう」
「助けに行かないとまずいな」
「モテム様急ぎましょう」
そうだ。早く助けに行かないと。殺されたりでもしたら大変だ。流石に師匠でも後味悪いよな。
「まあ、まあ皆様。落ち着いて下さい。お茶でもいかがですかな?」
そう言ってきたのは執事だ。
「そんな事を言っている場合では……」
反論しようとしたレイの喉元に執事によってナイフが当てられる。
「っつ……」
「皆様も向こうでは手練れ揃いだったのでしょうが、こちらの者たちは皆、死線を潜り抜けてきた者達ばかりであります。抵抗はお互いに痛い目を見るだけかと。何も、ミシェル様は殺しはしないでしょう。それでも助けに行くというなら……」
執事の指パッチンが合図だった。部屋の扉が開かれ、屈強な男達三人が部屋に入って来た。皆、執事の格好だけど。
「我々、四天衆がお相手いたします」
「ぬぬ……」
「手ごわそうじゃの」
確かにいきなり暴れるのは得策ではないかもしれない。ここは一旦様子を見るのもありだろう。
「皆、聞いてくれ」
俺は小声で三人に話し掛けた。
「どうしたんじゃ?」
「実はギリギリのところで、師匠にシンクロをしておいたんだ。だから、俺は向こうの様子が分かる」
「流石です! モテム様!」
「どうかしましたかな? 皆様」
敵からすると、ヒソヒソ話で何を盛り上がっているのか? って感じだろう。
「俺が様子を見ている。ヤバかったら教えるから。皆はこの連中にそれを悟られないようにしてくれ」
「分かったのじゃ」
「ラジャー」
「頑張ります」
アオウがソファに深く腰掛ける。
「まあ、確かにそう焦ることもないのかもじゃ。リリーナもそう簡単にくたばるタマではないしの。どれ、旨い紅茶を一杯貰おうかの?」
「僕もだ。一杯入れてくれ」
「アルルもお願いしますね」
なんかわざとらしいけど、まあいいか。俺は目を閉じた。
「おや? そちらの殿方は」
「ああ、こいつは紅茶が嫌いなんじゃ。それに頭も痛いらしい。放っておいてやってくれ」
目を閉じると見えてくる。師匠の様子が。
師匠は……捕まっていた。両膝をつかされ、首、手首、足首に輪っかをはめられ、さっきの拷問器具の一つに縄で結ばれている。
「貴様! どうするつもりだ!」
「おほほ。口が悪いわね。リリーナ」
ミシェル様が下に降りて近付いてくる。
「どうしても、仲間になりたくないの?」
「当たり前だ!」
「そう。なら、しょうがないわ」
ミシェル様は師匠の服の胸元に手を掛けると、ゆっくりと下におろした。
師匠の豊満な胸があらわになる。俺は鼻血が出そうになった。何て破壊力だ。
……
「お連れの殿方。お顔が真っ赤になってきましたが……?」
「はは。よっぽど具合がわるいんじゃろ」
「そうですか。なら、お薬でも?」
「いや。結構じゃ。こいつは回復が早いからのう。はっはっは」
……
「や、やめろ。なにをするっ……」
「辱めを与えてやるのよ。生意気な小娘にはね。おほほ。中々、いい姿じゃない? リリーナ。みじめねえ」
「どうするつもりだっ!?」
「こうするのよ。ほら」
ミシェル様は何のためらいもなく、師匠の胸のトップを……。
「うあっ。やめろっ。そこは……っう。ふあっ! ああっ!」
俺は鼻血を噴き出していた。ダメだ。これ以上は見ていられない。失血死してしまうし、規約に抵触してしまう。
「婿殿! 大丈夫かの?」
「俺は大丈夫だ。でも師匠が……助けに行くぞ!」
そうだ。助けないと。このままじゃ打ち切りだ。
四に続く。
ありがとうございました!
次回も早めに上げたいと思います! 多分、明日です!
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