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あ、あれ?

気付くと色々伸びててびっくりしてるんですけど!?


えっと、有り難う御座います!

 次に召喚されたのは灰色のうさぎ。今回も魔物の頭上には赤いマーカーが付いているので、すぐに敵だと判断出来る。大きさはさっきのジャイアントラットより二回りくらい小さい。



「これはスタンピングラビットという魔物です。先程のジャイアントラットよりは手強いのですが、お2人でしたら問題ないでしょう」


 私の指示があるまで攻撃しませんよ、と付け加える。



 お2人って言うか、まだシロしか戦闘見せてないから俺はまだ分からんと思うんだが。名前から察するに足技が得意だろうから気を付けないとな。


 よし、まずは識別を意識して見とくか。



スタンピングラビット LV3


HP:100/100

SP:???/???

MP:???/???

EP:???/???


スキル:???


アーツ:???



 識別すると意識している間は兎の頭上に半透明のステータス窓が現れ、意識をしないとその情報は消えてしまった。



「お、こいつスキルとアーツ持ってるのか。でも何かは見えん」


「クロ様の識別の精度が上がれば見える様になりますよ。相手が自分より強いほど得られる情報は少なく、弱いほど容易により多くの情報を得られます」


「じゃあ今のは、こいつが特別強いって訳じゃなくて、俺の精度の問題なんですね?」


「はい、そうなります」


「シロ、次は俺にやらせてもらっていいよな?」


「好きにしたら?」


「おう!じゃあポラリスさん、お願いします!」




 ポラリスさんが頷くと、灰色兎もこちらを見据えて構える。


「ハッ!」


 膝を曲げて腰を落として、左手は顔の前に、右手を下にだらんと下げた状態から、踏み込んだ右足を一気に地面へと叩き付けながら右拳を突き出す。


 ダンッ!

 ボス!


 と、踏み込んだ足と相手の鼻に当てた拳の音が同時に響き、スタンピングラビットがたたらを踏んだ後、ギャウ!と可愛げのない声で怒りを露わにした。


 すごい!思った通りに体が動く!これがスキルの効果なのか?拳を突く時も力が乗りやすいように動きが修正される感じがする。拳打篭手は武器の装備効果だから、今のは格闘スキルが効いてるんだと思う。


 これなら色んな技が試せるな!

やべぇ高まってきた!


 お返しとばかりにタックルのような野性味のある突進から真っ直ぐに頭を突き出すスタンピングラビットを、何とか左の篭手を当てながら右側へと回り込む。そのまま右足を踏み込んで、今度は右手をボディブローの様に下から斜め上へと突き上げた。


「ピギャ!?」


 この1撃で少し距離が取れたので兎の頭上を識別を意識して見ると、HPゲージが黄色になっていた。2HITで50%以上削れたのか。この分ならあと2〜3発も当てれば何とかなるな!



 この少し目を離した隙に、ジャイアントラビットがほんの少しだけ赤く光った。なんだ?と思った時にはもう遅く、奴が突然10m近く離れた場所からジャンプして一気に頭上まで跳んできた!


「やば!そうかこいつ、」


 こいつの名前はスタンピングラビット、名前の通りの踏みつけ兎か!



 何とか両手でガードするが、踏みつけるというよりマシンガンのような蹴りのラッシュが5発6発と続き、最後とばかりに空中で体を1回転させて、まるでライダーキックのように飛び蹴りを放って来た。


 痛覚5%だがじんじんと腕に痛みが走る。でも、


「なめんな!」


 左の手のひらを蹴りに合わせて突き出し、当たる瞬間に反時計回りに柔らかく回して兎の足を絡め取る。そして兎の蹴りの勢いのまま下に引っ張り地面に叩き付け、バウンドした所に右足を踏み込みながら右腕を曲げて肘を打ち上げる様に突き、更に空中にいた兎に合わせて跳び回し蹴りを叩き込んだ。


「ギャウ〜〜」


 スタンピングラビットは地面に落ちずにそのまま赤黒い光になって消えていく。兎のHPバーが完全に消えたのを確認してから、俺は構えを解いた。


「押忍!」


 両拳を引いて戦闘が終わったとポーズでアピールして、

やっとクロ自身も息を吐いて緊張が解けた。




「うっわ、HPが55%になってら。結構やばいんだなあいつ」


「お疲れ様です。初戦闘では正直厳しい相手かと思いましたが、難なく倒してしまわれましたね」


「いいえ、やられ過ぎよ。あと、途中でよそ見したわね?」


「あれはあいつのHP確認してたんだよ。まぁ、油断したな」


 油断はしたけど、昔VRで格ゲーの真似して練習したのがきちんと出せた。

そっちの方がすっげー嬉しいから結果オーライなんだよ!



「クロ様、折角ですので光魔法で回復されてはいかがでしょう?」


「あ、そうでしたね。魔法か……ドキドキするな!えーっと、『ファーストエイド』!」


 右手を胸の上に置き発動ワードを唱えると、白い光が優しく過ぎ去る。表示バーを見るとHPは86%に、MPは85%になっていた。1回に付きMP15%使ってHP30%回復かね?LV1の初期魔法だしこんなもんだろう。ついでにあと1回唱えておいた。この辺りは後で実際に使いながら確認してみるか。

 あ、HPが1多いのは話してる間に自動回復で増えた分だ。特殊エリアや戦闘中じゃない場合はEP以外は基本1分で1%、更に街などセーフティエリアなら1分間で5%回復するらしい。街なら20分あれば全快か。……覚えておこう。


 それと、ログアウトは街やセーフティエリアなら即座に実行されるが、それ以外だと1分間無防備で放置され、その間に攻撃を受けると強制解除でログアウト失敗になるらしい。

 更に、セーフティエリアの中ならログアウト中もEP以外は回復するが外のログアウトは一切ない。しかもログイン時に近くに魔物がいれば即襲われる。メリットよりデメリットがかなり大きいってわけか。

 そうならないように自己管理をする上で忘れてはいけないのが、ゲーム内で連続15時環(現実では5時間)以上経過すると強制ログアウトになる事。その1時間前に警告が出るから気を付けるように、っと。これらも覚えておこう!


 スキル効果によっては回復量や消費量の変化はあるが、それは自分達で見付けながら楽しんで欲しいと言われた。その辺りの検証はゲームの醍醐味でもあるから、勿論俺も色々試してみるさ。


 あ、当然ながらシロは全く話聞いてないな!



「魔法も慣れれば発動も早くなりますし、LVを上げれば新たな魔法を覚えますので、こちらも是非鍛錬なさって下さい」


「はい、魔法も頑張ってみます!……あ、折角武器貰ってたのに杖を試すの忘れてたなぁ。武器アーツも使ってなかったわ」


「でしたら、特別にもう1度戦闘を行いますか?本来は戦闘はすぐに終わらせず、一時中断させてアーツを説明して使用して頂くのですが、すぐに終わってしまいましたし」


「普通は1回なんですよね?じゃあやめときます。あんまり優遇されるとそれに慣れちゃいそうで怖いですからね」


「そうですか。では、チュートリアルはここまでになります。最後に、チュートリアルを受けた皆さん全員に贈るアイテムをお渡ししますね」



【導きの女神ポラリスのチュートリアルが終了しました】

【祝福のクッキー×10、初心者HPポーション×20を獲得しました】

【称号『導かれし転身者』を獲得しました】

【HP/SP/MP/EPが全て回復しました】



導かれし転生者:被ダメージ-0.3%

→チュートリアルを終えた者に贈られる称号。守りの加護が宿る。


祝福のクッキー:EP回復30%、売買不可

→チュートリアルを終えた者に贈られるお菓子。甘くて美味しい。


初心者HPポーション:HP回復30%(変動あり

→飲み切る事でHPが30%回復するが、種族LV-1の数値だけ回復%が下がる。但し、最低回復量は10%となる。




「これですべての修了を確認しました。今回伝えた内容やその他の細かい疑問はメニュー内にあるヘルプを参照してください。では、お2人の進む先に良き導きが訪れますよう」


「ポラリスさん、ありがとうございました!ほら、シロも」


「クッキーありがとう」


「クッキーだけかよ!?」



 クスクスと笑うポラリスさんが、それではと手を振リかざすと、俺達の体が白く光っていく。消えゆく視界の中で、ポラリスさんが手を振っていた。


(またね)


 ってまた言われた気がする。

またどこか、イベントか何かで会えるのかね?





 今度こそ、NFLの世界を遊ぶぞ!



 ほんと、やっとだよ……



はい、やっとチュートリアルから戻りましたー。

ここから、ですね!


毎日更新の予定ではなかったのですが、思わず今日も投稿してました(笑)


※12/14 回復魔法の数値修正をしました

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