脱獄
「ここから出よう、そしてアリスを取り戻そう」
「でも、ザック、どうやってこの檻の中から出るんだ?武器は全部取られちまったぜ」
「そんなの決まってるだろ、俺は魔法が使えるんや」
そう言って、俺は魔法を使って檻を破壊した。
「よし、じゃ、まず、俺たちの武器を取り戻そう」
「でも、アルベルト、どこに俺たちの武器があるんだ?」
「それなら任せとけ、俺はこの監獄の地図が頭の中に入っている、父さんを助けようと思って覚えたんだ。結局できなかったけどな。武器は管理棟の二階に囚人荷物置き場がある。そこにあるはずだ。今いるのが監獄棟の地下3階。つまりまず、俺たちはここを出た後で隣の隣の建物の2階にまで突撃しなくちゃいけない。それも手ぶらでな。」
俺は、今、自分たちの置かれている状況のヤバさに気づいた。
「しかもその後、王城に行ってアリスを連れて行くのか」
さらにアルベルトはやばいことを言っていた。
これをやったら俺たちは本当に犯罪者になってしまう。いいのか?
当然、警報が鳴り出す。
囚人が檻から逃げたということが監獄全体に知れ渡った。
「さて、逃げるか」
俺はアルベルトについていった。
しかし、すぐに目の前に王国の兵士たちが現れた。
「ふん。どうするよ、この状況」
アルベルトが質問してくるが、答えはひとつに決まっている。
「ぶっ飛ばす!」
俺は魔法を使って目の前にいる兵士を次々と倒していく。だが、基本的に剣をメインに戦っていた俺には限界があった。王国の兵士はしっかりと育てられている。まだ討伐隊に正式になったばかりの俺たちに勝てるはずがなかった。アルベルトは兵士から奪い上げた剣で戦うがやはりアルベルトもまだ駆け出しの討伐隊員だった。
結局俺たちはあっけなく捕まってしまった。
奥からちょっと偉そうな人が出てくる。
「君たちなんかがこっから出られるわけないでしょ。ここは王立の監獄だよ?警備だってしっかりしてるに決まってるじゃん」
とても毛深い大きな男だった。
「俺はガイン。国王軍、兵士、中佐だ。」
そう言いながら拳をこちらに向けてきた。気がつくと意識は飛んでいた。