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おまけ
大北は、文芸部室でそわそわとひよりの到着を待っていた。
そんな落ち着きのない大北を気にして、先輩が声をかける。
「どうした一年そわそわして」
「あ、先輩。友達をまってるんですよー」
「あー……あの、例の『歌詞』つくってみたい、って子」
「そうですそうです!」
先輩はちょっと照れくさげに頬を掻き掻き、「あれ、すごいよな」と言う。
大北は、にやにやを隠そうともしない。
「情熱的ですよねー。完成が楽しみで楽しみで」
「あれで、無自覚って、なぁ?」
「ねぇ?」
二人が同調するように照れ笑い。
「バンドやってる友達に、ボツでもなんでもいいから試しにみせてみるっていってたけどさぁ……どう考えてもな」
「ですよね!」
そこで2人は声を揃えて――
――ラブレターにしかみえないよね。
そういって、笑い合った。
ここまでで、大体文庫30Pぶんです。
オムニバス形式で、同じ舞台をつかった違うカップルの設定も、脳内にはあったのですが。