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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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これが僕の本心にございます


 始終俯きながらの翔の話は、思ったよりもはやく終わった。


 つまり、僕らが連れ去られたことに気づけず、なおかつケガさせてしまったという事実に負い目を感じ、僕に合わせる顔がないと思って避けていた。男性恐怖症が治まってきたらば謝りに行こうと思っていたと。


 内容としてはこう言うことだろうか。なるほど。彼なりにしっかり考えていてくれたわけだ。


 しかし翔よ。君は初めから間違えている。


 そもそも僕らが連れて行かれたのは僕の不注意が主な原因。一緒にいたからという理由で翔を責めるのはお門違いだ。そこは百合と杏奈が無事だったことを喜ぶべきである。


 それに、ケガしたのは仕方ないことだ。相手の頭に血が上っていて危険な状況でケガ一つなく潜り抜けるのは至難の業だろう。故に、その点も気にかけることはない。


 あと男性恐怖症についてだが。


 普通に今お前と話せてるじゃないか。


 どうやら馬が合う奴と昔からの知り合いは大丈夫なようだ。翔とは長い付き合いだから平気なわけよ。

 ムカつくことに、昴とは普通に話せるんだが…馬が合ったのか?出会い方は最悪だったのに…本能レベルで信用でもしてるんだろうか?

 まぁ、友人が多いに越したことはないし、コイツ等がいれば変な奴に絡まれる心配もグッと減るだろう。


 かたや美人2人組。

 かたや、いけ好かない位のイケメン。

 一見するとタダのデブ(口は悪くない)。

 パっと見女の子な男の子。

 そして、普通に見える女の子。


 異色コラボすぎる。なんの接点も見あたらない僕らと昴たち。料理に例えてしまうと味がゴッチャ混ぜで凄いことになってるに違いない。食べられないな僕なら。


 とにもかくにも。

 元よりお前に迷惑をかけられたとは思ってないんですよっと。


 そう伝えた。一字一句間違えなく。


 翔は「それでも、謝らずにはいられないな。」と言い、ごめんと頭を下げてきた。

 慌てて顔を上げさせる。その表情に憂いは残っていなかった。


 そして、小学校の頃から一緒の翔と杏奈、中学初の友達の百合、そして昴と一郎くん。これまた小学校の時みたいにみんなで歩いて帰る。


 僕が百合に話しかけ、それに杏奈が入ってくる。そしてマニアックな話になったとたん昴が入ってきて僕が追い払う。翔と一郎くんは呆れた様子で一歩下がったところからこちらを見ている。ごく普通の学生の姿が、そこにはあった。


 もちろん、僕はご満悦である。当初の目的を果たせたのだから、当たり前だろうな。それに、なんだか落ち着ける場所を見つけられた感じがとても嬉しい。


 だから、僕は忘れていたのだ。


 あの"条例"のことを…


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