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不思議な病気のある世界  作者: 永山次郎
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幼なじみ


 ー数分後ー


 妹の手も借りて、何とか着付けは終わった。

 ついでに、ブラジャーの付け方も教わったが、これは別に書き記さなくてもいいだろう。


 姿見を見る。そこには、可愛らしい女の子が佇んでいた。

 新品の白いセーラー服。

 紺色のスカート。

 1学年を示す赤色のリボン。

 黒い髪は後ろで結い上げてポニーテールに。

 活発そうな美少女がこちらを見る。


 …可愛くないか?

 いや、私が恋したことないとか、付き合った経験ないとかを抜きにしても、これは結構可愛いんじゃないだろうか。


 私が男のままだったら惚れるね!今見えてるこの子は自分だから惚れはしないけどね!難しいね!


 くるりと一回転。ふわりと浮いたスカートの中からすらりと伸びる白く細い足にも釘付けだった。

 まぁ、それも私だから欲情なんざしませんがね。


 スタタタタっと下へ降りてゆく。おじいちゃん達に見せるためだ。


 ジャーン!と効果音が付きそうなドヤ顔でおじいちゃん達の前に姿を見せる。

 一目見るなりおばあちゃんは「可愛いわねー」を

連呼しているし、おじいちゃんは「似合ってるぞ」と一言。

 妹には無言で頭を撫でられた。ちょっと待て。

 今の行為は許されないぞ!少なくとも私の中で立案、採用されたやってはいけない暗黙のルールその2に当てはまったぞ!犯罪じゃ!これは犯罪じゃ!


 っという意味を込めて愛理を睨んでみたが、こちらを一切見ないので無駄骨に終わった。これからもこんな扱いなのだろうかとため息も出た。

 「お姉ちゃんため息ついたら幸せ逃げちゃうよ?」とか言ってんじゃないよ!誰のせいだよ!


 え?キャラがブレすぎ?こんな子でしたよーっと。

 さて。お披露目も終わったところですし。


 外に出ますか。


 ここで勢いに乗って外に出れば馴れるのも早いはず!習うより馴れろ!意味違う?分かんない

 というか、本当まじで一回は翔たちに会わないと。普通に会いたいわ。


 これも新しく買ってもらった学校指定の茶色い靴を履いて外への扉を開く。出るときに小さく

 「いざゆかん」っと1人ごちるのも忘れない。


 隣にある柴田翔しばたしょうの家までは、私ん家からほんの数歩歩く程度だ。目と鼻の先、とでも言うのだろうか。


 綺麗なミルク色の壁の、大きなお家だ。

 門の隣に"柴田"って書いてあるから、記憶の通りだったようだ。これで間違っていたら恥ずかしい。


 翔が出てくれよと願いながらインターホンに手をのばす。


 「あのー…どちら様ですか?」


 後ろから声をかけられた。ビックリして後ろを向くと、そこには少し背の伸びた翔がいた。

 背が伸びたっていうか、私が少し縮んだのか?

 そんな些細なことはどうでも良いか。


 この人誰?という顔をしてこちらを見る翔に私は「よっ!」と手を挙げ、いつも通りの挨拶をする。極めて自然だ。もちろん笑顔も忘れない。


 翔は「よ、よう」と言って小さく手を挙げた。

 なんだなんだ?やけによそよそしいじゃないか。

 そんな彼に私は正体を明かす。


 「私だよ私!鈴木葵!」


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