9話 ロイ
ピロン♪
『あいつらが また来たんだよ』
「あいつら?」
あいつら…あいつら…なんだっけ…
ロイ この人は お芋盗まれた人で…
このアプリ 名前と今のメッセージだけ見れて
前のやり取り消えるから忘れちゃうよー
ピロン♪
『また 海から でっけえのが来てよ』
「あー」
そういえば そんな話してたね
海からって何が来るんだろ?
ピロン♪
『俺は 仲間と狩りに出かけてたんだ』
「狩り…」
この人やっぱり外国の人っぽい
狩りなんて今の日本しないよね
ピロン♪
返信しなくてもメッセージ来るし
『それでな 村に戻ったら騒がしくてよ
無事だったやつが言ってたんだ』
ピロン♪
『海の でっけえのから
見たことねえ やつらが来て
村の男たちを連れて行ったと』
ピロン♪
『反抗した仲間は
パーンて音がしたら倒れたって』
ピロン♪
『俺は夜になったら仲間を助けに行く』
ピロン♪
『なんか知らねえけどよ
気付いたら お前と話すことできてな
最後に話ができて良かった』
「最後?」
ピロン♪
『聞いてくれて ありがとな』
『まってまって!どういうこと!?』
『もう俺の村は終わりだ
人はいねえし 家も畑も壊された』
『終わりって…家族は?』
『親父と弟は…あいつらに…ちくしょう
お袋は無事だったがよ』
『そんな』
『けど反抗した親友は』
お相手が退出しました。
ピロン♪
『俺はあいつらを許せねえ
同じ目に合わせてやる』
同じ目?
ピロン♪
『親友の仇 これは俺の復讐だ』
『復讐って そんなのダメだよ!』
『ダメ? なんでだ?』
『だって復讐は悪いことだよね!?』
『悪いこと? 悪いことって何だ?』
『悪いことは悪いことだよ!
あなたは誰かを傷つけようと』
『そうだが? 何か悪いのか?』
『悪いよ! 人が人を傷つけるなんて
それに残された家族は』
『お袋も村の連中も同じ気持ちだ
親父と弟は連れて行かれたが
まだ生きてるはず 絶対に助け出す』
『でも…あなたは』
『俺らは普通に暮らしてた』
ピロン♪
『あいつらが来なければ平和だった
あいつらのせいで村は』
ピロン♪
『許せるはずがねえんだ
このまま何もしないで生きてくなんて
先祖の魂に顔向けできねえよ』
『でも…でも』
こんなの…
『俺らが何をした? なあ教えてくれよ』
『何って…そんなの』
『お前は いいな』
『えっ?』
『すまねえ あんたは悪くねえのに
ふぅ じゃあな もし生きてたら』
お相手が退出しました。
「わたし…」
なんて書けばよかったの…




