23話 ハナ アキ「穴の中」
ハナ
『穴の中ね すごいんだよ 夜でも明るいの』
蛍光灯ついてるみたいだからね
私こんな穴にしてって頼んだのかな?
ハナ
『それとね たまにね 風が吹くんだよ
穴の中で涼しい風が吹くの!』
風かー なんだろ クーラーあるの?
空気とか どうなってるんだろ
ハナ
『それにね 時計がね』
防空壕みたいな穴 お願いしたつもりだったのに
思ったより本格的なの作ってくれたのかな
ハナ
『あとね 聞いて聞いて』
もしかしたら 私のアパートより良かったり?
いや…それはないか…
ハナ
『おねえさん聞いてるの?』
「あっ」
『うん 聞いてる聞いてる』
メッセージ最初しか読んでなかった
新しいメッセージ来ると前の消えるから
後で読もうとか流し読みできないよ
ハナ
『ねぇねぇ おかあさん ここに住もうよー』
アキ
『そうねぇ…でも…』
ハナ
『私たちのお家 壊れちゃってるんだよー』
アキ
『そうだけど
でも この穴の中ずっと明るいじゃない』
ハナ
『うん』
アキ
『夜でも明るくて これじゃ寝られないわよ』
ハナ
『布団かぶって寝るの』
アキ
『それでも眩しいわよ』
ハナ
『うぅ…』
アキ
『壊れてない狭い納屋で寝るのも辛いけど』
眩しいか…穴の上に蛍光灯がついてる…
『穴の中は周り土なんですか?』
アキ
『いえ 土では無いわね
白くて硬いので囲まれてるわ』
白くて硬い? コンクリート?
土が崩れたりする心配はないのかな
『その白い壁にスイッチないですか?』
電気のスイッチあれば…
アキ
『スイッチ? 壁に?』
『もしスイッチあれば電気消せるかもで』
ハナ
『おかあさん おねえさん何言ってるの?』
アキ
『壁にスイッチあるって』
ハナ
『スイッチって?』
『少し壁から出っ張ってるというか
白い壁で少し色が違うとこあれば』
戦時中に今みたいな電気のスイッチあったのかな…
アキ
『とりあえず探してみましょう』
ハナ
『どこを?』
アキ
『この白い壁でスイッチあるか調べるの
おかあさん こっち周りで見るから』
ハナ
『うーん?』
この子 分かってるのかな…




