17話 ハナ「パン」
ピロン♪ ハナ
『おねえさん 今何してるの?』
『私はカップラー…ご飯食べるとこ』
『ごはん いいなー
わたしも お腹すいた』
「うっ…」
なんか罪悪感…別に悪いことしてないけど
私は部屋でスマホいじって…この子は…
ピロロン♪
『パン1個 寿命10分』
「ん?」
パン1個…え! 寿命10分でパン1個!?
やすーい のか分からないけど
でも…10分…それでパンあげられるなら…
ハナ
『ひゃっ なにこれ?』
『どうしたの?』
『なんかね 落ちてきて
あーーー! あんぱんだーーー!』
『あんぱん?』
『うん! あんぱん!
前に食べたことあるの!』
ハナ
『やったー! やったー!
あんぱん! あんぱん!』
『あんぱん…』
私の寿命10分のパンってこと?
『どうしよう 食べていいのかな…』
『食べられるとは思うけど
お母さん まだ帰ってないの?』
『うん お母さんまだ
お腹すいた…ごくりっ』
食べてもいいような
でもお母さんに見つかったら
うーん…怒られないとは思うけど
ピロン♪
『ねぇねぇ おねえさん』
『どうしたの?』
『あのね このあんぱんね 食べられないの』
食べられない?
『どういうこと?』
『あのね ちょっとだけ食べようとしたの
でもね なんか噛めなくて 味もしなくて』
『んー? あんぱんだよね?』
『うん あんぱん
丸くて黒いつぶつぶ乗ってて』
『あんぱんだ』
『うーうー なにこれー
なんで噛めないのー
あんぱん食べたいのにー』
あんぱんだと思うけど
何食べてるの? この子
わかんないよー そうだ
『カメラ撮れたりしない?』
『カメラ? ないよ?』
あー 分かんないよね
『スマホ…今持ってる文字書いてるのに
カメラ機能あって それで撮って』
ん? そういえば どうやって写真送れば
『おねえさん 何言ってるの?』
なんていえば
『今って 文字書いて送信してるよね?
その文字書いてる…四角い機械?というか』
『文字? 書いてないよ?』
えっ…
ピロン♪
『四角いって何? あんぱん丸いよ?』




