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僕が守るから
そこには、宅配便のお兄さんが立っていた。
「〇〇宅急便でぇす!幹谷様にお届け物です!」
僕は、彼女から了承を得てその荷物を受け取った。
「父さんじゃ…なかっ…た…?」
「宅急便だったよ。」
大きなダンボール。
僕らは、そのダンボールを開ける。
すると、中には一匹の古いクマちゃん人形が入っていた。
「うそ…でし…ょ……?」
彼女はその人形をみて絶句した。
「どしたの。」
「この人形…父さんが買ってくれたの…」
「えっ?」
「父さん、私の居場所なんてわかってるんだ!殺しに来るんだ!」
「愛!」
僕は大きな声で叫んだ。
「ひとまず落ち着くんだ!これから高飛びしよ!」
「高飛び…?」
「今から、沖縄に行こう!ねぇ?気晴らしにもさ?」
「…ごめ」
彼女は僕に謝ってきた。
しかし、僕は彼女が最後まで言う前に抱きしめた。
「謝らないで…ね?ただの旅行だよ?」
そう言い、彼女に微笑みかけた。
僕らは荷造りを始めた。




