表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

前書きにかえて 

桜の季節は終わりましたが、楽しんでいただければ幸いです。


 願わくば 

 花の下にて 

 春死なん 

 その望月の如月の頃


                 西行


 この世には、常人の理解を超えた能力、人格、素質を持った人間たちがいる。

 確実にいる。

 彼らはその筋では「達人」「クリーチャー」「フリークス」などと呼ばれ、闇に生きるか、あるいはその異常性、天才性をひた隠しにして世間一般にまぎれて暮らしている。

 しかし彼らの中には、自分たちの持つ能力を手加減なしに発揮してみたい、自分たちが隠している本性をさらけ出してみたい、と常日頃から思っている者たちがいる。

 また、そんな彼らがいかんなく能力を発揮する様をこの目で見たいと考える、奇特な者たちもいる。

 法と秩序が支配するこの現代日本において、そんな思いを持つ者たちが一同に会して、互いの能力を存分に見せつけあう季節がある。

 それが3月半ばから5月初旬、南は九州から北は北海道にかけて、全国が桜の時期に浮かれている、いわば花見のシーズンであった。

 

 あなたたちの住む街で、桜が咲いたのはいつだっただろうか。

 一般人が楽しく景気良く桜の下でどんちゃん騒ぎをしている間、彼らは人知れず集まり、まさにこの世の者ならざる力をお互いに発揮して見せつけ合っていたのだ。

 それは人通りの少ない路地裏の公園であったかもしれないし、人里離れた山奥や無人島だったかもしれない。

 あるいは「達人」たちをその巨大な財力、資本力、政治力や権威で庇護している政財界の大物の私有地においてその祭りが執り行われた可能性もある。


 我々が、あなたたちが知らないだけで、彼らはこの時期に集まり、確実に「なにか」をしていたのだ。


 この物語は、私が調べた限りにおいてきわめて正確に客観的に、主観的な感情を排したそんな「彼ら」の行動調査記録である。

 私がどのようにこの事実を突き止め、調べ、記録したかをすべて告げることはできない。

 私も自分の命が、まだ惜しいからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ