表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

9話 アリス救出

はじめまして、大森林聡史です。

魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。

よければお付き合いください。

 グレイもアリスの元に駆け寄り、様子を見た。


「だいぶ衰弱しているな⋯よし、クリスの調合した薬を使おう」


 クリスは、グレイが薬を取り出す手を、震える指で止める。


「……待って、この子は魔力枯渇だから……普通の薬じゃ……」


 アリスの額にそっと唇を当て、微かな光を送り込む。


「『プリンセス・キス』……王家に伝わる秘術です」


 ふとグレイの驚いた顔を見て、照れくさそうに笑う。


「……初めて人前でやったわ。でも、グレイなら……いいの」


 アリスの頬に少しずつ血色が戻り、まぶたが微かに動く。


「これは⋯凄いな⋯」


 剣の世界で生きる、グレイにとって、この魔法の奇跡のような出来事は衝撃だった。

 アリスのまつ毛がかすかに震え、ゆっくりと目を開く。


「……ぁ……?」


 クリスは、涙で視界がぼやけながらも、必死にアリスの手を握る。


「アリス……! 目を開けて……! 私よ……!」


 少女の焦点が合い、驚きの表情が浮かぶ。


「……姫……様……?」


 突然、アリスが泣き出し、抱きついてくるのを受け止める。


「よかった……本当によかった……!」


 グレイの方を振り返り、笑顔で頷く。


「グレイ……ありがとう。これで……三人になった」

「うおおお⋯!」


 感動の再会にグレイは、男泣きしている。


「良かった! 無事に再会できて!」


 グレイの、いつものクールな雰囲気は何処へやら?

 クリスは、グレイの涙に驚き、自分もさらに涙をこぼす。


「グレイ……泣いてる……!」


 アリスと顔を見合わせ、くすくす笑い出す。


「クールな騎士様が、こんなに……」


 三人で自然と輪になり、抱き合う。


「これからは……一緒だよ。魔王を倒すまで……」


 ふと洞窟の外から差し込む陽光に目を細める。


「ほら、晴れてきた……きっと、いいことがありますよ」

「ああ! そうだな! まずは村に戻ろう! アリスを休ませないと」


 クリスは、アリスをそっと背負い上げ、グレイの方を振り返る。


「はい……! でもグレイ、その前に……」


 洞窟の奥を指差し、微かな光が揺らめくのを見せる。


「あそこに……聖剣の気配がします。アリスの転移魔法、きっと聖剣を守るためだったんです」


 アリスが弱々しく頷き、クリスの肩に顔を埋める。


「少しだけ……寄り道してもいいですか?」


 グレイの鎧の傷を気遣うように触れながら。


「グレイも、もう少し回復薬を使った方が……」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

面白いと感じていただけたら、ブックマークや評価をしていただけると励みになります。

感想も一言でもいただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ