42話 四天王の最後
はじめまして、大森林聡史です。
魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。
よければお付き合いください。
「ダ、ダークジェネラル!」
ダークビショップが慌ててダークジェネラルに駆け寄ったが、ダークジェネラルの返事は無く、黒焦げになった鎧がボロボロと崩れた。
さすがのダークビショップも呆然としていると⋯
「ハッ⋯!?」
「くらえ!『地獄突き』!」
ミネルバが素早くダークジェネラルから槍を引き抜き、すかさず地獄突きを放った。
しかし、槍が空を切る⋯
ダークビショップは、間一髪でワープし回避に成功した。
「我ら⋯四天王が⋯人間に⋯負けるのか⋯!?」
ダークビショップは、目の前の光景が信じられなかった。
魔王軍の精鋭中の精鋭である、四天王が集結し、負けた事は、魔王を除けば一度も無かったのだ。
見渡せば、ドラゴンロードも地に落ちている。
「ぐ⋯まさか⋯これ程までとは⋯」
ダークナイトは、ゆっくりとドラゴンを降りた。
ニ体ともダメージが大きく、ダークウィングはもう飛ぶことはできなかった。
ダークビショップだけは、まだ余力を残しているが、グレイ達が優勢になっているのは明らかだった。
「みんな、油断するなよ⋯奴等は死に物狂いで向かってくるはずだ⋯!」
グレイの言葉に静かに頷く三人。
ダークビショップが、ダークナイト、ダークウィングと合流した。
「⋯どうやら、我らの負けのようだ⋯」
「ああ⋯」
ダークナイトは足が震え、立っているのがやっとだった。
ダークウィングも、また同じである。
「だが、ただでは死なんぞ⋯!」
残りの三人の四天王がカッと目を見開き、凄まじい気迫を見せ、捨て身の攻撃にうつる。
ダークナイトが、満身創痍ながらも漆黒の大剣を振りかざし、クリスめがけて突進する。
「王女め……! この一撃で……!」
凄まじい気迫で迫る。
グレイの竜神の鎧が激しく光り、光の盾も呼応して激しく光る。
神器の最大の防御力を発揮し、迎え撃つ。
「クリス……! 後ろに下がれ……!」
ダークウィングが残った翼でバランスを取り、炎のブレスを吐く。
灼熱の業火が、廃墟になった城下町を焼き尽くしながら迫る。
「『セイント・バリア』……!」
クリスが聖なる結界を張るが、焦土と化すほどの業火で結界が溶け出す。
「負けるもんですか!」
クリスは、エクスカリバーを持って、強固な結界を張り、炎を押し返すが⋯
「『ダークネス・ブラスター』⋯!!」
ダークビショップの闇魔法の光線が、炎の背後から、バチバチと激しい音を立てて迫る──
「姫様……! 加勢します……!」
アリスが、クリスに加勢し結界を破らせない。
「ミネルバ……今よ……!」
「『流星衝』……!」
高々と飛んだ、ミネルバが流星のように槍を一閃し、ダークウィングの眉間を貫いた。
ダークウィングの巨体がビクビクッ! と痙攣した後、白目を向き、口からおびただしい真っ黒な鮮血を吐き出した。
ミネルバが槍を引き抜くと、巨体が仰向けに倒れた。
「ウオオオッ!! どけーっ!!!」
ダークナイトが迫り、クリスの前に立ちはだかるグレイに、漆黒の大剣で渾身の一撃を放つ。
キィンッ!!
しかし、光の盾で弾き⋯
「おりゃあっ!!」
がら空きになったダークナイトの胴体を、ドラゴンバスターで貫いた。
「グハッ……! まさか……ここまで……とは⋯!」
ドラゴンバスターを引き抜き、ダークナイトが倒れた。
「ヌウゥゥ⋯!! こうなれば⋯」
ダークビショップが最後の力を振り絞り、禁呪を唱え始める。
「『ダーク・レクイエム』……!」
「この魔法は……! みんな……盾の後ろに……隠れて!」
アリスが叫び、四人が光の盾の下に集まり、クリスとアリスが光の盾に魔力を送り込み、更に龍神の鎧も輝き、強固な分厚い結界を張る。
しかし、死へといざなう暗黒の調べが次々と結界に張り付く──
「グアアアアーーーッ!!!」
禁呪を使ったダークビショップが全身から血を吹き出した。
「み、見事だ⋯だ、だが⋯魔王樣は⋯我ら⋯四天王が⋯束になって⋯かかっても⋯足元に及ばぬほど⋯強い⋯⋯」
そして、力尽きて崩れ落ちた。
「……勝った……!」
クリスが涙を浮かべ、ルナ王国の廃墟を見渡す。
「これで……お父様……お母様……」
グレイがそっと彼女の肩に手を置く。
「……まだ終わりじゃない。魔王リャクシンがいる」
三人が深く頷き、王城へと歩みを進める。
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