33話 召喚魔法エルブレス
はじめまして、大森林聡史です。
魔物に追われる王女と、彼女を守ると決めた剣士の物語です。
よければお付き合いください。
黒い渦が渦巻き、ヘルゴーストが不気味な笑い声を上げる。
更に、小柄だが鋭敏で鋭い剣を持つ、ミニ・ソルジャーが数え切れない程現れた。
「……くっ……! 実体のない敵……! そして、この軍勢⋯!」
グレイが苦々しい表情を浮かべた。
ミネルバがルナ・スピアでヘルゴーストに突きを入れたが⋯
「く⋯! やはりすり抜けるか⋯!」
クリスが聖なる炎を手に輝かせ、冷静に分析する。
「物理攻撃は効かない……私とアリスの魔法で……!」
エルガメラが甲羅を震わせ、声を張り上げる。
「ほほほ……どうする……!?」
ヘルゴーストが、鎌を振り上げ⋯
「姫様、光の盾をお貸し下さい!」
ミネルバが、光の盾を受け取っている間に、ヘルゴーストの鎌が振り下ろされた。
キィン!
間一髪で間に合いミネルバが、光の盾で弾いた。
「姫様! 私の攻撃は効きませんが、光の盾で私が攻撃を防ぎます! 時間を稼ぎますから作戦を⋯」
「分かったわ⋯! 私の聖魔法で倒します。グレイとアリスは、ミニ・ソルジャー達をお願い!」
「承知した!」
「分かりました!」
ミネルバが、ルナ・シールドを構えて、ヘルゴーストと対峙し、そのすぐ後ろでクリスが聖魔法の詠唱を始めた。
グレイは、アリスと共にミニ・ソルジャーの群れに向かった。
「アリス、奴等を倒すにはスターダスト・ミーティアしかあるまい。俺が近づけさせないから、魔法で一層してくれ」
「はい!」
グレイは、ドラゴンバスターとドラゴンシールドを構え、アリスの周囲を防御した。
アリスは、目を閉じて詠唱を開始。
グレイに、無数のミニ・ソルジャーの剣が迫る!
キィン!
ドラゴンシールドが弾き返した。
しかし、ミニ・ソルジャーは、数が多く、回り込んでアリスを襲う。
アリスは、魔法の詠唱中で、全くの無防備。
「アリスには、近づかせん!」
グレイがドラゴンバスターで、薙ぎ払い、ミニ・ソルジャー数体の胴体を一度で真っ二つにした。
しかし、更に回り込んでくる。
「ぐ⋯」
グレイは、自らの身体を盾にして、アリスを守り、手傷を負った。
しかし、耐えてドラゴンバスターで薙ぎ払った。
「まだまだぁ!」
グレイの気迫に、ミニ・ソルジャー達は怯んだ。
(グレイさんは、私に近づけさせないと言ったわ⋯私はグレイさんを信じて魔法の詠唱を続ける!)
アリスは、魔力が高まり、白いオーラに包まれている。
「天翔ける流星よ⋯集いて我が敵を打ち払え! 『スターダスト・ミーティア!』」
空に無数の星が輝きを増し、夜空が昼間のようにフラッシュし、次々と流星が降り注ぐ。
ミニ・ソルジャー達を、流星が押しつぶし、数百体もの敵の群れを一度に全滅させた。
「グレイさん、大丈夫?」
アリスが、駆け寄りすぐに回復魔法をかけた。
「ああ、大丈夫だ」
その頃、クリスとミネルバは⋯
「姫様には、手出しはさせん!」
ミネルバは、ヘルゴーストの攻撃を、光の盾で完全に防いでいる。
クリスは、セイント・フレアの詠唱を続け、青白い聖なるオーラに包まれ、ピンク色の髪が青白く輝きを放っている。
「これが⋯真の聖魔法よ⋯!『セイント・フレア!』」
聖なる光の炎が、ヘルゴーストを直撃し邪気を焼き払った。
エルガメラが満足そうに目を細める。
「ふむ……見事じゃ」
亀の甲羅が光り、小さな巻物が現れる。
「竜の谷への地図じゃ。……だが……」
その目が一瞬鋭く光る。
「竜王は……お前たちを『歓迎』するかどうか……」
四人が固く頷き、新たな試練への決意を固める。
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