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人間から嫌われている私は、魔族に愛される魔女だったらしい  作者: シン
第二章~魔族 VS 勇者~

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第一戦

「魔王、言われた通り、あいつらを引きつけたぜ」

「ああ、……先陣はお前らだ。うまくやれ」

「かしこまりました」

――――――――

《ステラ目線》

 魔王城の入り口である柵を越え、私たちは大きな庭に入った。

 あたりを見回してみた。


 暗い色の植物が多いけど、どれも瘴気に侵された禍々しさがない。

 どうやら魔王城の敷地内では瘴気がないらしい。

 それならブローチの心配しなくても良さそうだ。


 私たちは真っ直ぐ、城の扉に向かった。

 しかし途中で、誰かが道を塞いだ。

 その人は人間から見ても小柄で、私より少し高いくらいだろう。

 深緑の綺麗に切り揃えた髪に、光の見えない漆黒の瞳。

 とても可愛らしい顔立ちなのに、感情が見えないせいで、不気味に感じてしまう。


 バルドは剣を構えた。

「お前は魔族か」

「……」

 その子は何も答えず、じーとこちらを見つめた。

 いや……彼は私を見つめている気がする。


「答えろ!魔王はどこだ!」

「……魔王様に会えたくは、僕たちを倒してからにしてください」

 彼はどこからか2本の短剣を持ち出して、構えた。


 先に動いたのはバルドだった。

 バルドは素早く、相手に切り込んだ。

 しかし相手は2本の短剣を使い、容易くそれを受け止めた。

 剣を跳ね除けられたバルドはすぐ体勢を整え、何度でも切り込んだ。

 それでも、相手は容易く、それらを受け流した。


「バルド!俺も加勢する――」

 カイルさんが大剣を構えながら、バルドの方へ向かった。

 ――その時、上から何かが襲ってきた。

 カイルさんは咄嗟に大剣で、それを受け止めた。


「くっ!」

「ははっ!お前いいな、人間にしては強そうだ!」

 その男性は灰色の髪を靡かせ、獣のような琥珀の瞳を大きく目開いた。

 彼は大きな爪でカイルさんの大剣を押さえつけた。


「なんだ、この力は」

 相手は武器を持っていないというのに、大剣を構えているカイルさんの手が、震えていた。


 なんとか相手を弾き飛ばし、カイルさんは再び構える。

「いいな、久々にいい狩ができそうだ」

「レオード様、目的を忘れないでください」

 灰色の彼は狂気に満ちた目を、カイルさんに向けた。

 その後ろでバルドを軽々と引き留めている緑色の彼が話しかけできた。


「わーてるよ、女をとっ捕まえればいいだろう」

 

 灰色の彼は、私とメイリーの方を見た。

「えーと、どっちだっけ」

「両方捕まえてください。他の人間は僕が足止めします」

「はっ!軟弱者でも、人間の相手くらい造作ないでか」


 彼らの話からすると、私かメイリーを狙っているらしい。

「……皇女様、私の後ろに」

 メイリーは手で私と魔族たちの間を遮った。


 そしてカイルさんは警戒しながら、灰色の彼を睨んだ。

「おっと、逃げる気が?俺と戦うのが怖いのか、魔族様よ」

「は?お前、よっぽど死にたいのか?」

 どうやらカイルさんは目の前の魔族を煽ることに成功したらしい。

 

「おい、軟弱者!役目交代だ。お前が女を捕まえろ。この生意気な人間も、お前とやり合ってるやつも、俺が相手する」

「……はあ、わかりました」


 緑色の彼はバルドの攻撃を俊敏に躱し、目にも止まらぬ速さで、私たちの方へ飛んできた。

 カイルさんはすぐそれを止めようとしたが、すぐ灰色の彼に遮られた。


「おっと、浮気すんなよ。こっちを構ってくれねえと拗ねるぞ」

「ちっ、なんでわがままな坊ちゃんだ」


 対峙しているカイルさんたちに目もくれず、もう1人の魔族はすぐ近くまで来た。


「ステラ様!」

「っ!」

 バルドがこちらを呼びかけてきたのと同時に、ライアンさんは前に来て、バリアを展開した。

 そのバリアは、短剣による攻撃を完璧に防いだ


「……レオード様、相手に魔法使いが」

「はっ、やっぱりお前はどこまでも軟弱者、だな!」


 カイルさんと戦っているはずの魔族は、隙を見て黒い魔力の塊を投げてきた。

 その塊がバリアとぶつかり、数秒でヒビが割れた。


「これはこれは……僕もまだまだのようですね」

 ライアンさんの頬に汗が流れたのが見えた。

 そして次の瞬間、バリアは完全に壊れた。


 完全に相殺しきれなかった魔力の塊はこちらに飛んできた。

 ライアンはぎりぎりそれを躱し、メイリーは咄嗟に私を抱き寄せ、地面へと伏せた。


 魔力の塊は私達の後ろへと飛んでいった。

 無事に避けられたと思った瞬間、体に浮遊感を感じた。

 緑色の彼は私を肩に担ぎ、メイリーを脇の下で拘束した。


「な!離しなさ――」

 私とメイリーが必死に抵抗するも虚しく、なんらかの力で体が硬直したのを感じた。


「レオード様、ここは任せます」

「久々に手ごたえありそうな狩だ。ゆっくり楽しませてもらおう」

 私とメイリーは捕まえられたまま、魔王城へと連れていかれた。


 バルドは追っかけようとしたけど、もう1人の魔族に攻撃され、その場から離れることができなかった。

 ライアンさんも何かの魔法を発動させようとしたけど、魔族の魔法攻撃に邪魔され、うまく魔法を構築することができなかった。


 そのまま、私とメイリーは抗うことができず、バルドたちと引き剥がされた。

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