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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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恋より先に

 ルドフィルは、私にとってとても頼りになる従兄だ。

 でも、それだけでなくて。


 恋愛対象としてのルドフィルは、どういう人だろう。

 いつも私の手を引いてくれた人。

 ルドフィルが、笑ってくれていると安心するし、嬉しい。


 でも、それは、恋とは違う気がする。


 私にとっての恋とはもっと──どろどろしたものだ。

 それ以外をすべて投げ捨ててしまえるほどのもの。


 私にとって、ルドフィルのことは大切だけれど、私はルドフィルだけを選べない。

 自分勝手な私が今一番大切にしたいのは、私だから。

 それにしても、ルドフィルはなぜ、私に恋を……?

 わからない。わからない、けれど。


 私が現在、ルドフィルに恋をしていないことは、確かだった。

 だから。

 明日、そのことをちゃんとルドフィルに伝えよう。

 たとえ、それでルドフィルとの関係が変わってしまうのだとしても、ルドフィルに嘘をつきたくはなかった。


◇ ◇ ◇


 早めにベッドに入った翌朝、あまり寝付けなかったけれど、支度を整え、図書室に向かう。


 その途中でジルバルトと出会った。

「おはようございます」

「……おはよ」


 ジルバルトが私の顔を覗き込む。

「?」


 どうしたんだろう。首をかしげると、ジルバルトがほっとした顔をした。

「昨日、放課後図書室に来なかったでしょ。だから、何かあったんじゃないかって心配だったんだ」


 確かに昨日は、ルドフィルに言われたことで頭が一杯で、放課後図書室に行かなかった。最近、放課後に図書室に行くことは日課だったから、ジルバルトも不審に思ったのだろう。


「ご心配をおかけしました」

「ううん、別に。ボクが勝手に気にしてただけだから。それより、寝不足? あまり根を詰めすぎるとよくないよ」


 ジルバルトはどうやら、私の寝不足な原因を勉強をしていたからだと思ったらしく「勉強ならボクが教えるからさ、しっかり休みなよ」と言ってくれた。


「ありがとうございます」


 単純にジルバルトが優しいだけだと知っているのに、なぜだか、声が上ずってしまった。最近のジルバルトに対する私は、少しおかしい。


 また、風邪でもひいたのだろうか?


 思わず自分の額に手をあてていると、図書室についた。


 ジルバルトはいつも通りの席に座ったけれど、私はどうしようかときょろきょろと辺りを見回す。


 アレクシス殿下はまだ今朝は来ていないようだった。


 周囲に誤解されるのを恐れるため、できればアレクシス殿下から遠いところに座りたかったけれど、まだ、来ていない分には仕方がない。


 ふぅ、と息を吐き出し、問題集を開く。

 けれど、頭の中では、ルドフィルに言われた言葉がぐるぐるとまた回っていた。

『君のことが好きなんだ。……君に恋をしてる』


 ……ダメだ。集中できそうもない。

 私は、自習スペースから立ち、本棚へと向かった。


 古今東西、人は恋と言う感情に戸惑い、苦しむと言う。


 だったら、先人たちの教えが本と言う形でどこかに残っていないだろうか。

 そう思い、背表紙をつらつらと目で追っていると、一冊の本に目が留まった。

「『恋と愛の違い』? 君は、誰かに恋をしているのか?」

もしよろしければ、ブックマーク、☆評価をしていただけますと、今後の励みになります!

そして、よろしければ、好きな登場人物などを教えていただけますと、舞い上がります笑(それによって展開が変わることはありません)

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― 新着の感想 ―
[一言] ジルバルト様も好きだけど。 ルドフィル様も好きです! どっちとも結ばれて欲しいと思ってしまうのは、ワガママかなぁ…。
[一言] とても面白くて、毎回楽しく拝見させて頂いてます。 私はアレクシス殿下が好きですが、余りに都合の良い性格なので……(笑) まぁ、復縁は無いかなとwww 結局、1人で逞しく生活しそうなヒロイ…
[良い点] ルドフィルが好きです♡
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