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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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46/150

兄でなくても

 振り向く。この声の主は──。

「おはよう、ブレンダ」

「……おはようございます、アレクシス殿下」


 思った通り、アレクシス殿下だった。

 アレクシス殿下は、それで、と話を続ける。

「君は誰かに恋をしているのか?」

「……いいえ」


 首を振る。私は誰にも恋をしていない。

 するとアレクシス殿下は、なぜかほっとした顔をした。

「……そうか」


 話はそれで終わりだろうか。

 私は誰にも恋をしていないけれど、だからこそ恋と愛の違いが気になる。


 私はその本を借りることにした。

「ち、ちょっとまて」

 アレクシス殿下は本をもって、貸し出しコーナーにいった私を慌てたようにとめる。

「どうなさいました?」

「だったら、なぜ、その本を借りるんだ」


 なぜ、と言われたら。

「知りたいからです」


 そう。私の知る恋は一つしかない。だからこそ、世間一般の恋と言うものを知りたかったのだった。


◇ ◇ ◇



 午前の授業を終えた私は屋上へ向かう。

 屋上は今日も気持ちの良い風が吹いていた。

「……ブレンダ」

 名前を呼ばれて振り返る。

 ルドフィルだ。

「ルドフィル様、昨日の件でお話があります」


 私は、深く息を吸い込んだ。そして、ゆっくりと吐き出す。

「私は、ルドフィル様の気持ちには応えられません。私は、ルドフィル様に恋をしていないから」

「……うん」


 ルドフィルはゆっくりと、頷いた。

「はっきりと言ってくれてありがとう」


 ルドフィルは笑った。

「でも、ブレンダは、他の誰かに恋をしている訳じゃないんだよね」

「……はい」


 私は誰にも恋をしていない。恋をしていない、はずだ。

「だったら、赦してくれる?」


 赦す?

「僕が君を好きでいることを。そして、君がいつか、僕に恋をしてくれるように努力をすることを」


 頷く。赦しなんて必要ない。

 私がそういうと、ルドフィルは笑った。

「ありがとう、ブレンダ。……もう、僕は君の兄ではいられないけれど。それでも、君を大切に思う気持ちは変わらない。大好きだよ、ブレンダ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 真っ直ぐに自分の気持ちを伝えるルドフィルがとっても格好いいです(>_<)♪ ブレンダのことを諦めない宣言しているので、今後も物語に登場し続けてほしい……。 今までアレクシス殿下はしつこくて…
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