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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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ダンスパーティ 2

「……ああいった男が好みなのか?」


 ああいった男。前も同じようなことを言われた気がする。

 あのときは、よくわからなかったけれど。今回のああいった男、とは、十中八九ジルバルトのことだろう。


 それにしても。アレクシス殿下が、なぜ、私の異性の好みを気にするんだろう。いくら友人になったとはいえ、過干渉な気がする。


 ……謎は尽きないけれど。

 ジルバルトのことを異性としてどう思うかと言ったら。

「魅力的な方だと思います」


 体調を気遣ってくれたり、飲み物をとってきてくれたり。ジルバルトは優しい。優しい人は好きだ。


「……そうか」


 アレクシス殿下は、なぜか更に複雑そうな顔をした。

「それでも、私は──。……ブレンダ」

「はい」


 アレクシス殿下は一度言葉を切り、続けた。

「そのドレス、とても似合ってる。私と踊ってくれないだろうか?」


 今は二曲目に入ったところだ。踊るなら、次の曲からだろう。アレクシス殿下と一曲踊る約束をしたのはちゃんと覚えてる。……としても。三曲目は、まだ平民が第二王子と踊るには早すぎはしないだろうか。


 それとも有象無象の一人なのに、私が気にしすぎなのだろうか。


 でも、こうして誘われてしまった以上、断る方が角がたつかしら。


「……喜んで」


 頷くと、アレクシス殿下はほっとした顔をした。


「ブレンダ、飲み物をもってきたよ」

「ありがとうございます」


 ジルバルトが飲み物を手に戻ってきた。私たちの間に漂う微妙な空気に気付いたジルバルトはそっと、私の側にたった。

「君のパートナーをダンスに誘ったんだ」


 アレクシス殿下がそういうと、ジルバルトはにっこり笑った。

「そうですか。ブレンダ、今日はせっかくのダンスパーティだから、楽しんでおいでよ」

「はい。ありがとうございます」


 丁度そこで、二曲目が終わった。アレクシス殿下にエスコートされて、ホールの中央へ行こうとした直前、ジルバルトは囁いた。

「しつこかったら体調不良を使うか、思いっきり足を踏みつけるんだよ」


 どういう意味だろう?


 疑問に思いながらも、アレクシス殿下に気付かれないように頷くと、ジルバルトは満足そうに微笑んだ。


 アレクシス殿下と、踊る。


「アレクシス殿下、改めて、ドレスを贈ってくださりありがとうございます」

「さっきも言ったが、とても似合っている。着てくれてありがとう」


 アレクシス殿下の翡翠の瞳と目が合う。

 今までダンス中にその翡翠の瞳と目が合うことはなかったから、とても不思議な気がする。


 そんなことを思いながらも踊っていると、あっという間に三曲目は終わった。


「アレクシス、殿下?」


 それなのに。おかしい、まだ、手が離されない。

「……君を、あの男のところに行かせたくない」

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― 新着の感想 ―
[一言] もうキモ殿下の足の骨粉々になるまで踏みつけたいわ〜w
[一言] よっしゃあ~、体調不良になっちゃえブレンダ! 今さらですぜ、殿下。
[一言] 「友人」なのに、エスコートしている男性パートナーを あの男呼ばわりして返したくない… もう、アレクシス殿下は「うるせーぞ、俺のものに ならないなら不敬罪で、あの男もお前も牢に送ってやる!」 …
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