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【書籍2巻2/10】感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!【コミカライズ】  作者: 夕立悠理
一章

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ダンスパーティ 1

 あと一ヶ月もあると思っていたけれど、勉強に、生徒会の仕事に。忙しくしているうちに、あっという間にダンスパーティ当日がやってきた。


「……大丈夫、かしら」

 鏡を見る。

 特に問題はない……はず。


 アレクシス殿下から贈られた空色のドレスは、それなりに似合っている、と思う。


 それでも少し心配で、周りを見回すと控え室で身支度を整えている女子生徒たちは、みんな輝いてみえた。

 

 鏡の中の自分に微笑む。上手く笑えた。

「よし」


 もう一度だけおかしいところがないか確認して、控え室をでた。



 控え室をでると、もうすでに支度を終えていたらしいジルバルトが待っていた。

「お待たせしました」

「ううん。そんなに待ってないよ。……ブレンダ、そのドレス似合ってるね」 

「ありがとうございます。ジルバルト様もとても素敵ですね」


ジルバルトが目を細めて微笑む。黒の夜会服に身を包み、前髪を後ろに撫で付けたジルバルトはお世辞抜きにとても美しかった。


「……行こうか」

「はい」


◇ ◇ ◇


 ジルバルトにエスコートされ、ダンスパーティが行われるホールに入る。ホールではすでに多くの生徒がいた。その中にはミランとクライヴもいた。二人は楽しげに会話をしているのが遠くからでも見てとれたので、邪魔をしないように話しかけなかった。


 しばらくすると、学園長が現れ、ダンスパーティの開幕を告げた。


「さて。ボクと踊っていただけますか?」


 ジルバルトが少しおどけた顔で、手を差し出した。

「喜んで」

 ジルバルトの手をとる。ジルバルトの手は意外とごつごつしていた。


 そんなことを考えながら、ジルバルトとダンスを踊る。

「……ふぅん。なるほどね」

「どうされました?」

 何がなるほどなんだろう。急に表情を変えたジルバルトに尋ねると、ジルバルトは笑った。


「ボクの後輩は、人気者だなって話だよ」


 私のこと? 人気者ってどういうことだろうか。

「その言葉の通りだよ。……でも、ボクだって負けるわけにはいかないな」

 話が見えない。

 その疑問が顔に出ていたのか、ジルバルトは苦笑した。


「わからなくていいよ。今は、まだ」


 ……そういうものなのだろうか。

「そういうものだよ」


 心が、読まれた!?


「ブレンダは、すぐ顔にでるからわかりやすいね」


 感情を殺すのをやめているから、確かに他の貴族よりは顔にでやすいと思うけれど。


「大丈夫だよ、可愛いってことだから」


 熱っぽく囁かれ、一気に体の体温が上がる。

 そんな私を見て、ジルバルトは美しく微笑んだ。

「!」

 

 ジルバルトは私のことを軽率だというけれど。ジルバルトは罪な人な気がする。


 ……と、丁度そこで一曲目が終わった。

「ちょっと待ってて、飲み物をとってくるよ」

「ありがとうございます」


 ダンスを踊る人の邪魔にならないように端に移動していると、声をかけられた。


 アレクシス殿下だった。ドレスのお礼を改めて言った方がいいだろうと向き直ると、アレクシス殿下は複雑そうな顔をした。

「ブレンダ。やっぱり、君は……」

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― 新着の感想 ―
[一言] あぁ着ちゃったんですね、ドレス。 受け取って欲しいとは言われても、着てくれとは言われていないのよ。男から贈られた服を着る意味を考えたら、今さら感が半端ない元婚約者から贈られたドレスなんて、気…
感想一覧
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