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クソッ!

執筆中に居眠りしたら本文真っ白だった!

居眠り前はかなり書いてたのに

なぜっ??

 ガサッ! 

 草陰から出てきたのはなんと少女プレイヤーだった。手に大剣を持ち高価だろう鎖系防具を着込む。その屈強さとは裏腹に黒髪で目はキリッとし顔のバランスも整っている――美少女だった。

「ハァハァ……。兄…さ…ん……やっと……みつけ……ま……」

 言っている途中でバタッと倒れた。相当敵と応戦したり走ったりしていたのだろう。そのおかげでスタミナ値が0になり強制回復状態に移行したのだろう。強制回復状態はようするに状態以上で言う「眠り」だ。強制回復状態の場合は眠り状態が1日続きそれから1日は立つことはできないらしい。

 

 グォォォォォォォ!!!


 強烈な鳴き声が木霊す。

「この鳴き声は……! 気をつけろキリノ! ウルフだ!! 見殺しにはできねぇ! 助けるぞ!」

「はい!」

 群れを成し狩を行うモンスター――ギンイロコガネウルフだ。

 鳴き声からしてそんなに多くないだろう。数にすると5~6……もっと少ないかもしれない。

「来るぞ!」

 俺は叫ぶとともに剣を構え突撃体勢に移る。


 ガサッガサッ!!!


 狼が数匹草陰から飛び出してくる。

 やっぱ5匹か……!

 現れた狼は5匹。あまり体の大きくない――巨大な群れを形成されなかった少数の群れだ。俺たちがモンスターハウスで戦ったやつらとは比べ物にならない。

「行くぞキリノ!」

「はい!」

 俺とキリノは現れた狼に突撃した。


「あんなの軽いもんだな」

「弱かったですね! 戦いに慣れてきてる証拠です!」

「あぁ! それよりこの美少女プレイヤーどうすんだ? 名前は――INORI。INORI……?」

 俺は昔の事を思い出していた。俺の妹――木田(きだ)(いのり)と一緒に住んでいたころ。その頃はやっていたオンラインゲームに憧れた俺は母さんに頼んで家族共用のパソコンでそのゲームをやらせてもらえることになった。その時祈も一緒にやりたいと言いキャラを作った。そのキャラ名がINORIだったのだ。俺のキャラ名は確か……TORU。

「気のせいだよな……」

 俺は小声で言う。

「イノリさんというんですね。ここに放置しておくわけにもいかないしそもそも悪い人じゃなさそうですし一緒に連れて行くのが良いかと思います」

「そ、そうだな……。ならキリノが背負ってくれ。俺が敵と戦うから」

「え……ですけど……私は背負えるか……」

「大丈夫さ! きっと!」

「は、はい……」

 キリノはイノリを背負う。

「うぅ……重いです……」

 涙目になったキリノがこちらを向いてうるうるになった瞳で俺を見つめてくる。可愛すぎて消滅してしまいそうだ……。

「そうかそうか。持ててるんだから大丈夫だ!」

「ドSです……」

 俺とキリノは会話しながらダンジョンに入っていった。


 この駐屯所は本当に堅固な造りだ。入る前じゃ分からなかったが物見櫓がいくつもある。ダンジョン突入前は板塀に見えていたが兵士を何人でも配置できそうな城壁がそこにはあった。城壁の高さは10メートル程。門は小さく、鉄格子のような物が取り付けてあるだけだ。

 内部に入るには門を突破する必要があるが、見たところ門には重装槍兵が2人いる。それに加え城壁に数人の弓兵がいる。重装槍兵の名前は「操られた帝国重装槍兵」で弓兵は「操られた帝国弓兵」。そのまんまだが操られたって何なんだ……?

「簡単に抜けられそうにないな……」

「そうですね……」

 キリノはイノリを背負っていて戦うことができない。ようするにあのイカツイ装備をしている重装槍兵と1人で戦わないといけないということだ。さらに弓兵の攻撃からキリノを守りながら……。

「無理だ!!」

 こんなの無理だ……。キリノは抜刀できないので回復ができないのだ。回復ありなら希望はあるけど回復なしとかラスBOSSに素っ裸で突撃するようなもんだ。

「頑張ってください!」

 キリノは俺に死ねと言っているのだろうか……。

「ここまで来たんだから行くしかないですよ!」

 これは死ね死ねコールですね……分かります。もうここまでコールされちゃぁしかたないな……。

「死んでくるわ……。キリノはここにいてくれ……」

 俺はそう言って抜刀する。

「え……? 死んでくるって……トールさん……!」

 キリノは動揺しているがそんなの知らない。

 俺は「英雄の証!」と叫んだあと重装槍兵に向かって突撃した。

 重装槍兵は突撃に気付いたようで槍を構える。弓兵も同様に突撃に気づき応戦の準備をしている。

「うぉぉぉぉ!!! 連続剣技法」


 ガギン!! ギン!! ギン!! ズサッ!!


 連続する剣技は見事に槍で弾き返されるが一発だけ敵の腹を命中する。

「よし!」

 俺はステップで後退し敵のHPバーを見る。

「1割か……!」

 あの鋼鉄の防具によって攻撃が妨げられたのだろう。

 2人の重装槍兵が近づいてくる。


 バッ!!


 重装槍兵は俺の腹めがけて勢いよく槍を突き出してくる。それを寸前の所で避けステップで敵の背後に回る。重装槍兵は防具によりなかなか旋回できないらしい。

「トリプルスイング!!」

 強烈な3発をさっき1割食らわした敵に向かって放つ。やはり背後は弱いのかすごい勢いでHPが減っていく。残り3割となった。

「行ける……!」

 その時俺の背中に強烈な痛みが走った。

「!?」

 俺はすっかり忘れていたのだ。城壁の上に弓兵がいたことを。

 俺の背中に刺さっていたのは鋭く尖った矢であった。しかもそれが5本刺さっている。

「クッ!!」

 背中と口から血がダラダラと流れる。

「グハッ!!」

 腹にも強烈な痛みが走った。槍が突き刺さっていたのだ。

「ゲホッ!!」

 口から大量の血を吐く。俺のHPはレッドゾーンになっていた。目の前が歪んで見え痛みが徐々に薄れていく……。俺、死ぬんだ……。

「トールさん!!!!」

 キリノの声が近く聞こえる。近く……?

 

 ドガッ!!!

 

 強烈な打撃音が聞こえた。

 それとともに俺の目の前にいる重装槍兵の頭がぶっ飛び首から噴水のように血が噴き出した。数秒程で血の噴水は治まり首から上がない重装槍兵はバタッと倒れた。隣にいたもう1人の重装槍兵は槍を持ち直し一歩後退する。

 一番の疑問だがなぜ頭がぶっ飛んだのか……? すぐ見当はついた。

「キリノ!?」

 涙目のキリノが立っていた。

 あれ? キリノさん……? イノリさんはどうしたのですか……? う……。道の上に放り投げてありますね……。えらいこっちゃ……!

「トールさん……! 大丈夫ですか……!? 私のせいで……グスン……グスン……うわあぁぁん……!」

 キリノは泣きだし抱きついてきた。やべぇ……。女の子に初めて抱き着かれた……。感動だ……。

「良かったです……!!!!」

 感動しすぎて……。涙出てきた……。

 

 ピュン!! ピュン!


 城壁の上から数本の矢が飛んでくる。

「避けろ!!」

 俺はキリノを突き飛ばし自身も後ろにステップする。

 ここは戦場とかしている。重装槍兵だって殺せていない、城壁には弓兵もいる。こんなことをしていて狙われないはずがない。

「弓兵は無理だ! キリノはイノリを連れてきてくれ!」

 俺はそう言い生き残っている重装槍兵に剣を向ける。

「は、はい! 分かりました!」

 キリノは急いで戻って行った。

「さて……。行くぜ!!」

 スッテプで敵に近づき勢いよく剣を振るう。

 敵も槍で防御しようとするがタイミングのずれが生じ体勢を崩す。俺は丸出しになった敵の腹めがけて剣を突き刺す。


 グシュッ!!

 

 剣が肉体に刺さるのが分かる。刺さった剣と鎧の間から血が流れ出す。

 俺は剣を引き抜き後退する。 

「まだまだだ! トリプルスイング!!」

 ステップで敵の目の前に素早く移動した俺は腹に向かって3発の攻撃を叩きこむ。

 戦闘の流れは確実に俺にある。


 ピュンピュン!!!


 後ろから弓兵が矢を放つ音が聞こえた。

 勝った……! 

 そう確信した。

 矢が俺の背中に到達する寸前にジャンプする。

 目標物を失った矢は止まるわけなく直進し重装槍兵の腹にグサグサグサと音をたて突き刺さった。重装槍兵はバタッと倒れ消滅した。

「殺ったか……」

 

 ガラガラガラガラガラ!! ドゴン!!


 消滅とともに城門が開いた。

 いつのまにか弓兵の姿も消えている。

「どうなってんだ……? とりあえず行くかキリノ……!」

 キリノは近くに寄ってきて「はい!」と元気な返事をした。

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