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黒の指揮官  作者: 冬城 一夜
異世界での生活
33/33

閉話 開発風景

読み飛ばしていただいても、本編に影響はありません。

専門的な単語等理解しずらいものがでます。


内容はお蔵入り予定であった

宇宙要塞冒頭でとばした数日分や

大盾の開発風景をなるべく読みやすくなるように手直ししたものです。

まだまだ書き足りない部分があるのですが

一話分に収まり切らない量になるため、後半部分は省略しています。


ある日の工房内


「マスター!!!頼みがある!」


ガボットがバンっと派手な音と共にドアを開いてはいってくる。


「ん?なにー???」


カチャカチャと複雑そうな機械をいじりながら答えるティア、顔を上げもしない。

その横では大佐が、ここが違う等と2人でしゃべりながら何かを作っているようだ。


「部隊全員に盾がほしい!!戦車砲すら弾くようなのwwww」


「ぶっっっ、ガボたん?戦車砲を弾くって無理だからね?!」


ごほっと息をつまらせて咳き込むティア。


この世界の魔法金属やエンチャントと合わせれば、かなり丈夫な盾はできるだろうが


戦車砲を弾くほどというのは、伝説クラスになるのではないだろうか?


「いやいや、重さとか300kぐらいまでならなんとかなっから、なんとかなんね?wwww」


「って、言われも……戦車砲を弾くなら主力戦車の前面装甲並のが必要になるから…………っては?300キロ!?持てるの?!」


ぅーーんっと、唸るティア。


重くても大丈夫とはいえ、300kって人間のもてる重量じゃない気がするけど。


「戦車の前面装甲に取っ手着ければよくね?w」


前面装甲ってたしかベニヤ板みたいに、複数の装甲板を重ねて複合装甲にしてあるんだっけ?


「ぅーーん、ググッても詳細はさすがにでてこないと思うんだけど………」


「戦車装甲ならば知識として知っている、この世界で軍事機密もなにもあるまい、教えよう」


ゲーニッツ大佐が弄っていた部品の塊を机におくと、すらすらと紙に設計図を書いていく。


「これを応用して、いくつかの装甲盾を作り、あとは対魔法や耐久実験をこなせば問題無い。魔法兵の訓練も兼ねられるだろう」


「反応装甲は男の浪漫wwwwしかし一発きりwwww」


なんだか濃い話に………。


ある程度ならついていけるけど、濃い話になるとさっぱりわからないんだよねぇ。


男2人が盛り上がり始めました。


「重量を気にしないのであれば戦車や戦艦の装甲のように、炭素鋼表面に浸炭処理を施す事も……」


「貫通弾が無ければセラミックは抜いてもよいんじゃね?」


ええっと………日本語でOKってレベルで理解できない。


ぐぐって意味を調べたら次の話題にいってます、先生助けてください!


もういいや、とりあえず幾つかつくっていこう…………。


そして完成した試作品の装甲盾、その数50種類……あははは、ボクもう疲れたよ、パトラ(ry




訓練場に固定し、並べる。盾が一直線に一定間隔で50も並んでいるのである、かなり壮観だ。


「んでね、強度実験したいから盾に対して色んな魔法を同一威力で全部同じように撃ちこんでいってほしいんだけど?」


整列した魔法兵に対してそういう。


「馬鹿なっっ、無理ですよ!50発も同一威力で撃つなど………軽い威力であればともかく、魔力がもちません、不可能です!」


エミリオさんの副官の壮年の軍人が慌てたように反論する。


それを聞いたゲーニッツ大佐の眉がぴくりっと動く。


ぁ、怒るっ………。


「不可能……だと?やってもいない癖に不可能だと言ったのか、貴様!!!」


溢れる殺気、恐らく正面にいる軍人さん達は風に叩きつけられたような錯覚だろう。


後ろに下がった僕でさえ、ぞくっとした。



「これが戦争でも同じ事をいうのか貴様!!!迫る敵に攻撃をやめ、もう無理です撃てませんと、泣き言を漏らすのか!


軍人というのは尊敬される、それは何故だ?己の命を賭けて民を守るからだ!


その軍人が、敵を前に、救うべき民に、魔力が無いです。50発を超える敵が出てきたのでと言うのか貴様!!


50発撃てぬなら撃てるように工夫し、努力しろ!!!才能がないならば、千の努力で埋めてみせろ!千で足りぬなら万の努力をしろ!


魔法が使えるというだけのそんなくだらんエリート意識なぞ捨てろ!


エリートとは諦めず、才能に胡座をかかず、努力し不可能を覆す事のできる者だ!


それができぬのであれば、故郷へ帰りママのスカートの中にでも隠れていろ!!」




た、大佐……言ってる事めちゃくちゃです………。


言いたいことはなんとなく、わかるんだけど……理論がめちゃくちゃです。


しぃんっと静まりかえる鍛錬場、さすがに辞表とかボイコットされるのはまずいんじゃ??


え?あれ?なんで?ねぇ?なんで皆泣いてるの??


全員が大佐へ敬礼している。


ぇーっと、耐久実験の問題は解決ってことでいいのかな……。


けど、残った優秀な結果の盾を更に改造したりして


また実験しなきゃいけないんだよね?


気が遠くなるような………あはは、ガボたん覚えてろーーー!






「ううむ、まったく使いにくいシステムである。簡易OSだけ先に作ってしまうのである!」


椅子に座り、魔力端末に入力をしている紳士。


DOSのような操作性にイライラが溜り、叫ぶ。


「簡易OS………?できるの?時間はあまりない………」


後ろで別の魔力端末で入力をするホーネットが紳士に返す。


「伊達にデスマーチをこなしたわけではないのである!うざったい営業からの注文や上のやつらのくだらん見栄えやら機能をもりこまぬなら半日でできるのである!」


どこの世界に半日で簡易とはいえOSを作れる者がいるのだろうか……。


「普通できない……」


「いくつのゲームを作ったと思っているのか、ゲームのシステムとOSは似たようなものである。大体のシステムは把握したのでできるはずである」


自作したキーボードを魔力装置につなげ、凄まじい速度でプログラミングしていく紳士。


「手伝う?」


「必要ないのである、後から問題ないOSを開発しそのOS上で動くよう調整するので、そのまま結界システムを作ってしまってほしいのである」


いつのまにか紳士の手元のキーボードが3つに増え、3つのキーボードを使いこなしている。


異様なというか、器用な光景。


「……了解、ピンポイントで出力強化するのは敵の魔力をレーダーで察知するとかが必要、なので基本のシールド出力を設計終わらせてからでないと無理」



しかしである、OSはともかくとして結界を強度を上げても地上部分、城壁がもろければ意味がないのではないか?


されど城壁を全て金属などにしても補修などが大変……


となると、やはり新型戦車等のように装甲板を城壁の上に貼り付けるのが無難であるか?


しかし、それは数に対応できない。リアクティブアーマーも同じである。


「ううむ、城壁強化の良い案がでないのである………」


「結界のほうは、地脈から魔力を吸い上げる魔法陣がある、それを最適化して強化する」


吸い上げる……地脈?水脈みたいに魔力が通っているのであったか?


水……水???


「おぉ?!流体金属装甲などどうであろうか?!」


「……あれは宇宙空間でなければ装甲面に流体金属を維持できない」


ようは貼り付けられればいいのではないか?


魔法陣に魔力を流して結界を形成できるならば、重力操作の魔法陣等も作れるのではないか?


貼りつけられたと仮定すれば、あとは魔力を通して液体金属自体を操作できるようにしてしまえば……?


「結界が龍脈からの魔力で永久起動できるならば、重力操作を魔法陣で行い、液体金属を操作できるようにすればどうであろうか?」


思いついたまま口にする。


「理論的には可能、けれど重力操作魔法を覚えなければいけない……そのシステムがわからない」


「で、あればミミィの言っていた部下にやらせるのである。既に別室に何人かいるので、チャットで指示をだすのである」


わからないならば、わかるヤツにシステムを作らせればいい。


別室で魔力端末を操作している部下に向かってチャットをおくる。


<液体化させた金属で城壁表面を覆いたいのである、液体金属だけを城壁に貼りつけられる魔法陣の開発を頼むのである>


「液体金属のほうはエミリオさんとマスターに頼めばいいと思う………昼食の時に頼んでおく」


ホーネットの魔力端末画面には、街の見取り図とそれを覆うドーム状の結界が映像として出力されている。


拡大すると部分部分に様々な情報が書きこまれている。それを選択し詳細を表示させる。


地下からの魔力経路、変換用の魔法陣の最適化、魔力経路の増設、予備の変換魔法陣の配置等々。


見直し、最適化し、シミュレートする。エラーがなくなれば一部だけを書き換えて問題なく動作するか確認する。


「ピンポイントバリアで思ったのであるが、オリジナルと同じように数人のオペレーターによるマニュアル操作はどうであろうか?システム負担が減るのである」


「そのへんは問題ない……OSシステムが追いついていないだけで、自律ゴーレムや簡易人格を与えた人工ゴースト等はAIとして、とても優秀……」



この世界、いや帝国では情報網や魔法道具の開発に力がいれられている。


そして、この魔力端末、いわゆる現代でいうPCなのだが、凄まじいまでの欠点がある。


OSが全くと言っていいほど発達していない。それを埋めるように人工知能にあたる人工ゴーストやホムンクルスのような物に処理をさせる。


残念なのがこの端末自体の処理性能はすごくいいのである。


どういう例にすればわかりやすいかな?


スーパーコンピューター並の演算能力等をもつPCなのだが、積んでいるOSがDOS。


その使いづらさを優秀なAIでなんとかカバーしていると考えてもらえばいいだろうか?


冒頭で紳士がキレていたのは、このOSの操作性等の悪さ。


そこを解決すれば、本来の性能の高さが発揮される。


(会社に例えるなら基本の処理部分である社員が優秀だが、OSである使い勝手の社長命令がなければ動いてはいけない、そして社長が無能すぎて性能が生かせていない)

(それをカバーする為にAIの位置である優秀な中間管理職が必死で無能な社長の命令を訂正し、がんばっている感じでしょうか?)



現代では実現不能な夢物語も、魔法という事象を取り入れる事で実現ができる。


数十億の人類が、その中の天才達が描く妄想、空想という現時点では実現不可能な斬新なアイデアの数々。


それらがいくつか実現できるのだ。


知識とは財産であり、武器である。


1人の天才が数百年分の文明を一気に進歩させるように、たった1つのアイデアが凄まじいまでの効果を生む。


この世界に無い発想が、実現されていく……


既に有る物を真似るのは簡単だ。


だが、現代でも実現不可能な物に魔法を取り入れて実現させるのに、一発成功などありえない。


簡単には行かない、数十回、数百回?


失敗し、改善し、また失敗し、少しづつ完成させて、それは成功となる


如何にAIが優秀でもアイデアや改善策は、この世界の基準。


それで改善できぬ問題を改善するのは紳士、ホーネットのこの世界にはない発想。


幾度も幾度もシミュレートし、プログラムを書き換え、シミュレートしなおす。


エラーを無くすように、少しでも結果がよくなるように………。


気の遠くなるような作業を延々と繰り返す、ひたすらに。


近道もなどはない、作業の繰り返し。


シミュレートでエラーが無くなったとしても実際に起動すればどういう結果になるかわからない。


ミニチュアモデルを作り出し、実際に魔力を流す。


寝る暇すら惜しんで作業は行われる。


簡易OSが完成し、AIの速度が、性能が劇的に発揮される。


紳士たちが作業を続ける間に、工房では魔道士達が、金属を液状固定する方法を模索し実験し、その耐久度を、測る。


いくつかの候補ができれば、それをミニチュアモデルの城壁に纏わせ、問題なく可動するかテストする。


問題があれば、紳士たちがソフトのエラーを見直し、最適化する。


数十人の魔道士達が液体金属の問題点をあげ、様々なエンチャントを試し加工する。


数えきれないほどの失敗作と失敗を積み重ねて、それはようやく完成する。






後半部分はプログラムの話等かなり専門的な内容になるので

手直しが難しく……というか、現状でもわかりにくいですよね。

すいません。


いかがでしたでしょうか?


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