見つけ方
エミリーが最初の一行を書いた。
「農民たちが自分で確認できるようにする必要があります」
王室農業管理者が尋ねた。
「何を見させるべきですか?」
一つ目。
葉に赤や茶色の斑点があるか。
二つ目。
斑点から粉が付くか。
三つ目。
同じ畑の他の小麦にも似た症状があるか。
四つ目。
最初に発見した日付。
五つ目。
栽培品種。
エミリーが言った。
「雨がいつ降ったかも覚えていたら一緒に書かせてください」
「風は?」
「それは役人たちが追加で確認すればいいです」
記録官が王国の文字に訳した。
アデリアが紙を見た。
「農民たちもこれくらいはできそうですね」
「村ごとに伝達します」
農業管理者が言った。
エミリーが病んだ葉を一枚手に取った。
「絵も一緒に見せた方がいいです」
記録官が尋ねた。
「これを描けばいいですか?」
「色と形をできるだけ似せてください」
記録官が作業を始めた。
エミリーは続けて言った。
「標本を持ってこさせる時は、どこから持ってきたかも必ず書いてください」
地域。
日付。
品種。
持ってきた人。
記録官が書き取った。
エミリーが拡大鏡を掲げてみせた。
「これのようなものがあれば助かります」
農業管理者が尋ねた。
「多く作れますか?」
「これは私が持ってきた物なので」
アデリアが言った。
「戻る時に一緒に消えるかもしれません」
エミリーが彼女を見た。
「私が持ってきた物もですか?」
「前の人間はそうでした」
エミリーは拡大鏡を見下ろした。
「それなら形から残しておきましょう」
記録官が拡大鏡を描き始めた。
王室魔法師も構造を調べた。
「レンズを作る職人はいますか?」
エミリーが尋ねた。
農業管理者が答えた。
「王都にいます」
「それならこの絵を見せればいいです」
アデリアがステータスウィンドウを開いた。
【残り時間:00:31:27】
「31分」
記録官が病んだ小麦の絵を完成させた。
エミリーが確認した。
「これくらいで大丈夫です」
農業管理者が紙を受け取った。
「各領地に送ります」
エミリーが地図を広げた。
「既に発生している地域の周辺から先に見てください」
赤い印の周りを一つずつ指した。
「そしてまだ病気がない主要な穀倉地帯も確認する必要があります」
エドガールが尋ねた。
「人がどれだけ必要だ?」
農業管理者が少し計算した。
「各領地の役人と村の責任者を利用すれば可能だと思います」
「そうしろ」
「はい、陛下」
農業管理者が記録官と必要な人員を整理し始めた。
エミリーは新しい紙に短く書いた。
アデリアが尋ねた。
「今度は何ですか?」
「してはいけないこと」
一つ目。
病気が出たからといって畑全体を無条件に燃やさないこと。
二つ目。
ブラン麦の被害が少ないという理由だけで王国全体にすぐ拡大しないこと。
三つ目。
発生地域の病んだ植物残渣を他の地域に無闇に移さないこと。
農業管理者が尋ねた。
「ブラン麦はなぜすぐ増やしてはいけないんですか?」
「病気に強くても収穫量や栽培条件が違うと言ったじゃないですか」
「そうです」
「まず試験してください」
農業管理者がうなずいた。
エミリーが言った。
「畑全体を燃やすのも同じです」
「既にそうした場所があります」
エドガールが言った。
「そうだ」
「必要な場合はしなければなりませんが、病気が少し見えるたびに全部燃やすと食料まで一緒になくなります」
エドガールが農業管理者に言った。
「処理基準も作らせろ」
「分かりました」
【残り時間:00:17:54】
エミリーが自分の手を見下ろした。
赤い粉が少しついていた。
「私が戻ったらこれはどうなりますか?」
アデリアが言った。
「元に戻るはずです」
「確実ですか?」
「ここで付いたものは戻る時に残りませんでした」
エミリーはうなずいた。
「それでも手は洗わないと」
水を用意して手を洗った後、エミリーは再び机に戻った。
「この標本も保管してください」
「どれくらい長く?」
「新しい標本が入って比較できる程度に」
農業管理者が書いた。
エミリーはこれまで作られた紙を一枚ずつ確認した。
発生地域調査。
発見基準。
標本記録法。
移動制限。
品種比較。
試験栽培。
国境外調査。
拡大鏡の図面。
「いいですね」
アデリアの目の前に再び文字が現れた。
【召喚対象が条件に該当する能力を使用しています】
エミリーは農業管理者に言った。
「新しい症状が出たら既存の記録と比較してください」
「分かりました」
「似ているからといってすぐ同じ病気だと決めないでください」
「はい」
エミリーが紙を一度見渡した。
「私が今できるのはここまでのようです」
アデリアがステータスウィンドウを確認した。
【残り時間:00:09:38】
「9分残っています」
エミリーが息を吐いた。
「本当に戻るんですね」
「すぐに分かるでしょう」
「元いた場所に戻りますか?」
「そうだと出ます」
「時間は?」
「ほとんど経っていない状態で戻るようです」
「直接確認してみないと」
残り時間が5分を切った。
エミリーは自分が書いた紙を記録官に渡した。
「これは読めないでしょう?」
「はい」
「それでも一緒に保管してください」
「分かりました」
王室農業管理者がエミリーに頭を下げた。
「大変お世話になりました」
「まだ解決したわけではありません」
「それでも何をすべきかは分かりました」
王室魔法師が言った。
「次はその顕微鏡というものの構造も教えてください」
「私がまた来たらですね」
アデリアが言った。
「同じ人間を再び呼べるかはまだ分かりません」
エミリーが拡大鏡を持ち上げた。
「それならこれから、できるだけ似た物を作ってみてください」
【残り時間:00:01:00】
「1分」
エミリーが周りを一度見回した。
「3時間も経っていないのに、やるべきことが終わった気分ですね」
「全部終わったわけじゃないでしょう」
「私がやるべきことはですね」
エミリーが王室農業管理者を見た。
「残りはここにいる方々がすべきでしょう」
農業管理者が頭を下げた。
「お任せください」
【残り時間:00:00:30】
「30秒」
エミリーがアデリアに言った。
「王女殿下」
「何ですか?」
「今後、農業問題で人間を呼ぶことになったら、植物病理学者だけではありません」
「他に何があるんですか?」
「土壌を見る人間」
「作物を改良する人間」
「水を管理する人間」
「虫を研究する人間」
エミリーの体の周りに光が生まれた。
「種類が多いですね」
「とても多いです」
【残り時間:00:00:10】
光がだんだん強くなった。
【残り時間:00:00:03】
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エミリーが最後に言った。
「小麦は必ず確認してください」
アデリアが答えた。
「言われたのでやります」
【召喚維持時間が終了しました】
【召喚対象の帰還処理を進行します】
【帰還完了】
エミリーが消えた。
彼女が持ってきた拡大鏡と透明な袋も一緒に消えた。
机の上には王国が準備した小麦と記録だけが残った。
農業管理者が拡大鏡を描いた紙を確認した。
「職人にすぐ送ります」
エドガールが言った。
「今日決めた調査指針も西部領地に送らせろ」
「はい、陛下」
その時、アデリアの目の前に新しい文章が現れた。
【召喚対象の活動精算が完了しました】
【権能経験値 +30】
続いて数字が変わった。
【人間召喚 Lv.1】
【累積経験値:100 / 100】
アデリアの目が止まった。
「100」
エドガールが彼女を見た。
「経験値か?」
「はい」
ステータスウィンドウが一瞬消えた。
新しい文章が現れた。
【人間召喚 Lv.1の経験値が最大値に達しました】
【条件を満たしました】
【人間召喚のレベルが上昇します】
アデリアが目を大きく見開いた。
【人間召喚 Lv.2】
「……上がりました」
「何がだ」
「レベル」
「2になったのか」
「はい」
アデリアがステータスウィンドウを再び確認した。
すぐに次の文章が現れた。
【人間召喚 Lv.2 再使用待機中】
【再使用可能まで:6日23:59:59】
アデリアの表情が固まった。
「……7日はそのままですね」
エドガールが尋ねた。
「変わったことはないのか?」
アデリアがステータスウィンドウを調べた。
条件スロットは依然として1。
召喚時間が変わったかは今すぐには確認できなかった。
「まだ分かりません」
アデリアの視線が一行に留まった。
【人間召喚 Lv.2】
田中隼人。
サラ・ミラー。
エミリー・カーター。
3人の人間が来て、そして帰った。
そして初めて権能の数字が変わった。
Lv.1からLv.2へ。
アデリアの口角が上がった。
「7日後に確認すればいいですね」
エドガールが尋ねた。
「何を」
アデリアがステータスウィンドウを見つめた。
「レベルが上がると」
少し止まった。
「何が変わるのかを」
第16話です。




