2 諜報活動
役人の業者の間、癒着と賄賂と紙一重だ。打ち合わせは酒の席で行なわれる事がしばしばだ。賢王は酒の席での打ち合わせを禁止した。
2 諜報活動
表の言動と裏の活動が相反するのは世の常である。表では賢王と讃えつつ裏では愚王と罵っている人物がどれだけいるのか数えたらきりがない。言うだけならある意味問題はない。言論の自由を否定する事は本意ではない。
問題なのはそれが非合法な手段に繋がるか否かである。もしも繋がるなら即刻逮捕して事実関係を調べなければならない。諜報活動とは治安活動とは違う。治安活動とは起こってしまった非合法活動を取り締まる事である。諜報活動とは起こるであろう非合法活動を前持って取り締まる活動である。
役人と業者の関係は癒着と賄賂と紙一重の部分がある。仕事が円滑に進むようにお茶一杯くらいの接待ならば許される範囲かも知れない。打ち合わせまで禁止するのはやり過ぎだ。これがお酒の席の打ち合わせならどうだろう。割り勘を絶対守る事が前提ならば認められるのかも知れない。割り勘を証明できる物がないなら賄賂と断定するしかないだろう。賢王はお酒の席での打ち合わせを賄賂と断定して禁止する事にした。遡っては明らかな違法性がない限りはしない事にした。
アンドロイドの役人と知らず同僚の役人だと思って愚痴る役人がいる。
「業者と酒の席で打ち合わせできないなんて本音で話し合うなって言っているような物だろう。お互いに建て前だけの話し合いなんて意味ないだろう。建て前だけの話し合いなんて紙に書いてある事の読み返しだろう。紙に書いてない事で伝えたい事がお互いにあるから酒の席で打ち合わせるんだろう。それを禁止しては今後業務に支障が出ないか心配だよ。」
アンドロイドの役人は、
「本音を紙に書けばいいだけだと思いますよ。あるいは酒のない場の打ち合わせで本音で語るとか。酒の席でしか言えない本音がある方が可怪しいと思いますよ。」
愚痴る役人が何か言おうとしたが上司止め、愚痴る役人に注意した。
「酒の席の打ち合わせは賄賂と見なされ今後処分の対象となった。酒の席で話す事も今後は書面、あるいは酒の席でない打ち合わせで説明するようにしなさい。」
アンドロイドの役人は愚痴る役人の事を諜報部隊に通報した。仲間から聞いたのだろうアンドロイドの役人は愚痴る役人から話しかけられる事はなくなった。
酒宴で役人と業者が同席するトラブルは相次いだ。友人同士だというのがほとんどだが許される事はなかった。罰金刑か解雇処分だ。
愚痴る役人も罰金刑になった。役所内で喚き散らしている。
「夕食会でほんの少しお酒が出ただけだぞ。酒の席の打ち合わせではないだろう。第一あれは顔合わせだ。そんな事も彼奴等は判っておらん。」
上司に止められてその場は終わった。愚痴る役人が解雇されたのはその一ヶ月後だ。彼が荷物を取りに来た時、
「俺は何も悪い事はしとらん。第一俺は酒を飲んでおらなかった。俺はしらふで話そうと思っていたのだ。それを彼奴等は俺を解雇にしやがって。」
アンドロイドの役人は処刑でなくって良かったと思う。
愚痴の多い役人は賢王の酒の席での打ち合わせの禁止に反感を持っている。本音で話し合う機会を奪う物だと。




