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          1 賢王

 腐敗しきった貴族達を糾弾したため自害に追いやられた青年官僚の無念を託された賢王とマリエールが活躍する。

            1  賢王


 私の自己紹介をすると少し長くなる。この国は長く腐敗した貴族が実権を握り続け国民は圧政に苦しんできた。この国を嘆いた青年官僚は腐敗した貴族達を糾弾した。不快に思った貴族達は青年官僚の暗殺を企む。己の危機悟った王子に短剣を託す。己の魂の籠もった短剣だ。同じ物三つ作った。一つの物は王子に託し一つの物は我が命を絶ち一つの物はまだ生まれぬ子どもに託した。

 生まれた子どもが私である。短剣を託された王子は密かにクーデター計画を練った。当時5歳の私も転生者故に計画に参加しても支障はなかった。むしろクーデターのための兵は私が用意した。

 クーデターの日、腐敗貴族の屋敷と現国王の部屋は私の生み出したアンドロイドによって包囲された。私の指示で腐敗貴族の首は刎ねられ、現国王は捕らえられた。国に巣食う虫どもは皆殺しにあった。

 クーデターを起こした王子は後賢王と呼ばれた。私は賢王の懐刀と呼ばれた。クーデター起こした当初は基盤も弱く、反対勢力は未だ強い。力を示せねば倒される。10歳を迎えた私は賢王の側近と言うわけではない。賢王の反対勢力を見張る戦力を備えた諜報部隊。短剣のお陰で意思疎通は可能だ。賢王は私に、

「マリエール。私はそなたに随分無理をさせたし辛い目にあわせた。私はそなたに労いをしたい。何か望みを言って欲しい。」

クーデターが成功しても、人心は完全には把握しきれていない。腐敗政治の延長だと誰もが思う。腐敗のない政治など何処にもない。そういった国民の諦めを払拭したい。

「一つご提案がございます。この度の灌漑、開拓事業に私も参入させて下さい。実際に参入してみないと実際の腐敗のあるなしが判断できない部分があります。ないのにあるように誤解される必要はありませんしあるのにないように思っているのは馬鹿げた話しです。国民の誤解かどうかしっかり調べる必要があります。」

私の意見は当然承認された。その結果賄賂を請求した役人が複数捕まった。取り調べた結果賄賂は常習化しており多数の役人が賄賂に関係しており、賄賂の返還を迫ると共に犯罪性により罰金、解雇、処刑となった。人員の穴埋めにアンドロイドが採用された。罰金刑となった役人も将来はなかった。

 国政への信頼は徐々に上がり。賢王の名に恥じぬ政治ができる基盤ができた。私は再び賢王に助言する。

「農林水産業が国の要ですが流通を抜きして国の成り立ちを語る事は出来ません。その一助となるお役目を私に御命じ下さい。」

マリエールは国の流通を担う役割も果たすようになった。

 マリエールはこの家の長女である。マリエールの父親が死んだ時一旦家名断然となったが賢王の図らいで母親の名前で家名が復活した。マリエールが15歳になったのを機会にマリエールが家名を継いだ。役人をしている者が養子になってマリエールの婿になった。当然アンドロイドだ。

 マリエールは実力行使可能な諜報部隊を持ち、事業を担い、役人のかなり部分を受け持ち、流通を担っている。賢王の政治の実質的な責任者だ。

 実力行使のできる諜報部隊や事業の担い手、役人の多数を輩出流通の担い手、マリエールは賢王の実質的政治の責任者だ。

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