27: 私は韓国人です
「私は韓国人です」——承勲がSNSに投稿した一文が世論をひっくり返した。オーストラリア国籍を放棄し、海兵隊に志願入隊する選択。祖父の計算を読みながらも、逆の方向へ歩いた承勲。在俊も海兵隊へ。采恩の震えた笑み、父の「誇りに思う」という言葉。そして論山へ向かうバスの中で静かに刻まれた誓い——「1962年の真実を明らかにします。待っていてください。」
第27話
私は韓国人です
26話の最後、承勲はノートに書いた。
今すぐ解決しようとしない。しかし諦めもしない。
その文を長い間見つめた。
在俊のメッセージが思い出された。
ゆっくり行ってもいい。
そしてもう一つ。
俺、今回現役入隊申請した。ロースクールは除隊後に行けばいいから。
在俊が先に決断を下した。ロースクールを後回しにしてまで。
承勲は窓の外を見た。
ソウルの夜が広がっていた。
俺はどうするのか。
法学部を続けるためには韓国にいないといけない。韓国にいるためには兵役問題を解決しないといけない。解決する方法は履行するか、放棄するかの二つだった。
オーストラリア国籍を放棄するということは、英勲が「オーストラリア人として生きなければならない」と言っていた言葉に背くことだった。そしてメリッサが生んでくれた国を手放すことだった。
しかし。
1962年の殺人事件。趙東赫。韓鍾洙。
この真実を明らかにするために法を学ぶと決めた。その決心がここまで導いてきた。
承勲は長い間座っていた。
そしてゆっくりと決めた。
翌朝、承勲は采恩に電話をかけた。
「俺、決めた。」
采恩はしばらく黙ってから聞いた。
「何を?」
「オーストラリア国籍を放棄して海兵隊に志願入隊する。」
電話の向こうで沈黙が流れた。
「……本当に?」
「うん。」
「一人で決めたの?」
「うん。」
采恩はしばらく何も言わなかった。それからゆっくりと言った。
「わかった。」
それだけだった。しかしその二文字の中に何が込められているか、承勲は感じた。
承勲はSNSに短い文を投稿した。
私は韓国人です。
今日、オーストラリアの市民権を放棄することを決めました。そして来月、海兵隊に志願入隊します。
文は素早く広まった。
世論はひっくり返った。兵役忌避の疑惑を受けていた財閥3世が海兵隊に志願するという知らせにコメントが溢れた。好意的なものもあり、疑うものもあった。全部は読まなかった。
しばらくして、英勲から電話がかかってきた。
受話器の向こうから父の声が聞こえた。
「承勲。」
「はい。」
しばらく沈黙が流れた。
「お前は、俺より立派だ。本当に。」
英勲の声が低く震えた。
「祖父が作った状況をお前がこうして受け止めることを、父親として申し訳なく思う。そして……誇りに思う。」
承勲はしばらく黙ってから言った。
「お父さんが俺の味方だということはわかってます。それで十分です。」
電話を切ってから長い間座っていた。
ソウル・江南の邸宅。
韓鍾洙は窓際に座ってスマートフォンの画面を見下ろしていた。
ポータルのメインに記事が出ていた。
道峰グループ韓鍾洙前会長の孫、オーストラリア国籍放棄後、海兵隊志願入隊予定。
彼はしばらくその見出しを見つめた。
海兵隊。
予想していなかった決断だった。兵役問題が起きたとき、国籍を放棄してオーストラリアへ帰るだろうと思っていた。それが一番楽な道だったから。
しかし承勲は逆の方向を選んだ。
あの子が本当に法廷に立とうとしているんだ。
その考えが静かに降り積もった。
韓鍾洙はウィスキーグラスを持ち上げてからまた置いた。
俺があの子をさらに強くしているんじゃないのか。
その考えが胸の片隅を締め付けた。
窓の外にソウルの昼が広がっていた。春の陽光が降り注いでいた。
趙東赫が転生したなら……あの子に違いない。
ずっと前にアンナが言っていた言葉たちが一つずつ浮かんだ。裁きは真実に従ってくると。
韓鍾洙は目を閉じた。
怖くないといえば嘘だった。しかし同時に、不思議と別の感情が混ざっていた。
あの子は俺に似ている。
諦めないこと。最後まで行くこと。
それが自分の最も悪い点だったのか、それとも最も良い点だったのか、今となってはわからなかった。
入隊十日前。
在俊から連絡が来た。
「俺、海兵隊に変えた。現役じゃなくて。」
「なんで。」
「なんとなく。一緒に行く方がいいと思って。」
承勲はしばらく黙ってから言った。
「ありがとうとは言わない。」
「当然言うな。」
短い笑いが交わされた。
在俊はしばらく間を置いてから言った。
「ソへが連絡を切った。20ヶ月が長すぎるって。」
「そうか。」
「別に驚かない。俺もわかってた。」
承勲はそれ以上言わなかった。在俊も言わなかった。
それで十分だった。
入隊三日前。
承勲は美容室の椅子に座った。
隣に在俊が座っていた。
髪が素早く短くなっていった。二人とも何も言わなかった。
美容師が仕上げながら言った。
「軍隊に行かれるんですか?」
在俊が先に答えた。
「はい。」
美容師は「頑張ってください」と言った。
鏡の中の二人を見た。短くなった髪。少し見慣れない顔たち。
承勲はしばらくその顔を見つめた。
いよいよ本当の始まりだな。
入隊前日の夜。
采恩が来た。
承勲は荷物をほぼ詰め終わった部屋の前に采恩と並んで座った。言葉は多くなかった。
采恩が先に言った。
「明日なんだね。」
「うん。」
しばらく沈黙が流れた。
采恩が静かに言った。
「気をつけて行ってきて。」
「うん。」
「体に気をつけて。」
「うん。」
采恩は何かもっと言おうとしてからそのまま笑った。笑みが少し震えた。
承勲はその様子を見た。何も言わずにしばらく彼女の手を握ってから離した。
それだけだった。しかしそれで十分だった。
入隊当日の朝。
承勲はリュックを準備した。荷物は多くなかった。
部屋を出る前に机の上に封筒を一つ置いた。
世英に書いた手紙。冷蔵庫の使い方が手書きで書かれた紙。よく行っていたトッポキ屋のおばさんへの感謝の挨拶。
そして采恩への短いメモが一枚。
待っていてくれてありがとう。
それだけだった。
玄関の扉を開けて出ながら少し後ろを振り返った。
誰もいなかった。采恩と世英は論山まで見送りに一緒に行くことになっていた。
承勲は扉を閉めた。
論山行きのバスの中。
窓際に座った承勲は窓の外で手を振る采恩と世英を見た。
バスが出発した。
二人の姿が小さくなった。
在俊が隣の席に座った。何も言わなかった。
承勲も言わなかった。
窓の外にソウルが過ぎていった。漢江が過ぎていった。都市が遠ざかり田んぼが見え始めた。
承勲は目を閉じた。
祖父、私は韓国人です。
海兵隊の服務を終えてソウル大に戻ります。法を学んで弁護士になります。そして1962年、あの日の真実を明らかにします。
待っていてください。
その誓いが静かに、深く刻まれた。
数日後、采恩と世英が家に戻ったとき。
玄関の前に小さな紙の箱が置かれていた。
采恩が先に見つけた。
中には承勲が残していったものたちが丁寧に入っていた。世英に書いた手紙。冷蔵庫の使い方。トッポキ屋のおばさんへの感謝の挨拶。そして采恩に書いたメモ。
采恩はメモを取り出して読んだ。
待っていてくれてありがとう。
彼女はしばらくその文字を見つめた。
世英が隣で手紙を取り出して読みながら言った。
「立派になったな……」
采恩も頷いた。
二人はしばらくその場で承勲の痕跡を見つめていた。
まだ残っている彼の気配が、温かな春の陽光のように静かに部屋を包んでいた。
第27話を読んでくださり、ありがとうございます。承勲が最も大きな決断を下す場面を書きました。「待っていてくれてありがとう」という采恩へのメモ一枚に、この話のすべての感情を込めました。在俊と二人で並んで座るバスの中の沈黙、世英と采恩が痕跡を見つめる場面——言葉より静けさを大切にした話でした。次話もよろしくお願いします。




