新曲の経緯と女神様
いい調子♪
「ちょ、ちょっと聞いてないんだけど!!!」
と声に出してから私は慌てて口を手で塞いだ。心臓が熱を持つ感覚………感情的になってしまったせいで魂の力を使ってしまったみたいだ。
この1ヶ月の間にボイストレーニング中に気がついた感覚。
言葉に力を持たせる感じで実際に効果があるのは実験済みだ。
室内のみんなを見ればやはり普通より強めに感情が伝わってしまったらしく固まってしまった。
そんな状態から逸早く動いたのは矢追さんと渚さんだった。
「い、今の感覚、夢と同じだ!」
「………えぇ、私も今そう思ったわ。」
?………夢。あぁ、そうか夢の中に現れたのはやっぱりあの女神様なのか。いったい何をやってるんだ?後で聞いてみないと………
どう2人を誤魔化そうと考えていたら。
「優紀ちゃんのお知り合い?」
ジェシカ社長がふわっと聞いてきた。
「まぁそんな所で………って違いますよ。知り合いに女神様がいるってどんな人ですか!」
あぶなっ、考えている時にふわっと聞かれたから正直に答えそうになったわ。
「ふ~~ん。優紀ちゃんならいそうなんだけどな~♪」
全くジェシカ社長は何処から何処まで知っているんだろう。
まさか、女神様と会った事あるとか………そう思いちょっと探りを入れてみた。
「ジェシカ社長こそ会ったりした事ありそうですよ?」
その言葉に余裕な感じでニヤリとして私を見て。
「私?私は流石に会った事ないわよ。でも………女神様から選ばれた特別な力を持った子には結構会ってるかもね。」
うわっマジで何処まで知っているんだ。内心焦りながら私も笑顔で
「へ~そんな子がいるなら私も会ってみたいですね。」
私は違いますよ、と否定しておいた。
まぁ、この会話のお陰か矢追さんと渚さんからは何も質問されずに明日から練習する事になって打ち合わせは終わった。
でも最後にジェシカ社長何が何故か最後までニヤニヤしているのがとても印象的だった。
その意味を知ったのは夜だった。
その日の夕方…………
とある山の宿。女神様が経営?する宿。
年間10人程しか訪れる人がいない為、今日も宿には人の姿はなかった。いるのは女神ただ一人…………
優紀に駄目神様と言われている元山の神は現在街へお使いに(女神の命令)出掛けていた。
この宿は最近変わり始めていた。今まで電気も無くTVさえも無かった。
長年祭られている【縁】の女神な為、神力は神の中でも大きい方だが祭られている地域から出る事が出来ないのはどの神とも同じだった。
そこに最近、何処にでも行ける様になった駄目神が来た。
それはこの宿に変化をもたらせた。女神は以前から興味のあったTVとなる物を買いに行かせた。そして手に入れたTVの説明書を読むと電気と電波が必要らしかったが、そこは神力を使い無理やり使える様にした。
そしてそのTVのせいで女神は欲しい物がいろいろ増えてしまった。
精神体の分身を作り飛ぶ様にどんな所も見る事が出来る女神なのだが、ただ見るだけでそれがどんな物かもわからないせいで興味を持つ事もなかったのだ。
TVでは食べ物からいろいろの物まで魅力的な説明がなされる。純粋極まりない女神にはそれが大袈裟に表現されている事さえもわからなかった。
精神体では見る事は出来ても触る事も勿論味を知る事も出来ない。
しかし実体を作れるここでは消化等の問題は不明だが、味を知る事は出来る。
…………そして現在駄目神はタピオカ入りの飲み物と流行りのスイーツを買いに行っていた。
TVの前でフワフワと浮きながらTVを見ている女神。
そんな女神に電波が飛んできた。それは携帯の電波だ。
「ん?これは携帯とか言う物の電波か。ほほう、あやつからじゃな。」
そしてその電波を掴み精神と繋げる。
「もしもし?」
「わしじゃ。」
「…………いや…………わしじゃって出方もどうかと思うんですけど。」
「なんじゃ?わしに何か用があって携帯なる物を使ったのであろう?ならわししか出ないじゃろ。」
「………………………………。」
「なんじゃ?言葉で言わんと今は考えてる事はわからんぞ。」
「あれ?そうなんですか?この前みたく考えもこっちの様子も見えているのかと思ってましたけど。」
「ほれ、今はそっちから電波なるのを掴まえて受けているからの。そっちに分身を飛ばしたこの前とは違うんじゃよ。それで何か困り事か?」
「…………困り事になる訳ではないんですけど、一つお聞きしたくて。」
「ほう!何じゃ?わしの美貌についてか?」
「美貌って女神様は何もしなくてもその美貌なんでしょ?自慢する所なんですか?」
「なんじゃと!わしだって女じゃぞ。気になるに決まっておるじゃろが。」
「はぁ~最近女になったばかりの私にはわかりませんけど…………それより女神様、最近誰かの夢に化けて出ました?」
「な、化けて出たとは何という言い方じゃ!夢に出るのは昔から【神の啓示】と言ってありがたもんなんじゃっぞ!この前お主を応援するつもりでこそっと才能ある男女にちょっとばかり女神の威光を見せただけじゃ。」
「はぁ~やっぱり。こっちはその夢を見た人から話を聞いてビックリしましたよ。」
「ん?あぁ、それは…………そのお主を想ってだな。」
「ちなみに女神様の事ってやっぱり秘密なんですよね?」
「…………なんで秘密なんじゃ?」
「え?」
「…………ん?」
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