表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/71

接待?飲み会?友人達の疑問




★金田君視点



「ではお願いします。」


三件目の電話を切り俺は肩の力が抜けて軽く息を吐いた。

これで姫の要望通りの仕事は出来たと思う。

それにしてもどんな飲み会なんだろ?

そもそも俺達は未成年。………店で飲むとか普通考えないし……でも誰かに頼まれてみたいな感じじゃなかったし……。

不思議に思いながら鮎美に電話してみた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


☆鮎美さん視点



ちょうど家の前に車を停めた時に電話が鳴った。電話に出てみると…………


「もしもし、金田だけど。」


「あぁ、金田ちょうど良かった。今、電話しようと思ってたのよ。」


「ん?何かあった?」


「多分金田が私に電話してきた件と重なるかも。今日ね、優紀から金田の電話番号聞かれたのよ。何か急いでるみたいで………………………………電話来たんでしょ?どんな要件だった?」


「あぁ、そうか鮎美が俺の番号教えたのか…………そうか、それで一つわかったわ。んで要件がよ、『3人で飲み会するから個室のある所の準備をして欲しい。』って内容でさ、他にもいくつか細かい事頼まれたよ。何かあったか鮎美ならわかるか?」


「ううん、全然。要件の内容聞いて私も驚いてる所。……………………多分会社関係だとは思うんだけど、まだ入ったばかりだしなんだろね?」


「俺も不思議でさ、頼まれた物から考えるとプレゼントみたいな感じだと思うんだけどさ……………………酒とイカの塩辛の詰め合わせが好きっておっさんぽいよな?どれも高級って言ってたしどっかの社長?」


「ん~~~~わかんないよ。今の優紀は中身おっさんだから男を好きになるとか無いと思うけど……………………ん~~~~接待のつもりなのかな?」


「あぁ、あとそれから気になる事が一つ。姫が自分でお金出すみたい言い方が気になったんだけど、姫ってそんなにお金持ってないはずだよな?どこから出す気なんだ?」


「え?……………………そー言えばそうよね。バイトとかもしてなかったの知ってるし、毎月のおこづかいの金額だって私達知ってるしね。新人が企画しての接待ってあり得るの?会社が出してくれるのかな?」


「普通は無いよな。俺達未成年者に接待……………………姫は飲み会って言ってたけど。何か特別に認められる事でもしたのかな姫。たった3人の飲み会の予算10万とか高過ぎだし、それに俺に成功報酬3万だって。姫どこから出す気なんだろ?」


「会社が出してくれる以外だと…………ん~~~~宝くじにでも当たったぐらいしか説明出来ないよね。でも優紀なら絶対私に話してくれると思うし……………………もしかして某芸能プロダクションと契約したお金とかじゃないよね?」


「いや、それこそ鮎美には話すと思うぞ。」


「……………………そうだよね。」


とりあえず後日優紀から聞き出すって事で、金田との電話を切った。

中身がおっさんになってしまった優紀の行動はもう私は予測出来ない。

どんな行動するのか不安になってきた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





その頃某芸能プロダクションでは………………………………



割と派手なスーツを着た男性が社長室でスカウトの責任者と話をしていた。


「ねぇ~~~雅史ちゃん。まだ良い子見つからないの?もう4回もオーディションしたのよ、そろそろ決めてもいいんじゃない?」


割りと派手なスーツの男はオネェだった。


「……………………社長、俺はあの子がいいと何回も言って断ってますよね?」


「だって~~~あの雅史ちゃんが何回も口説き行っても落ちない子なんでしょ?本人がやる気無いならこの世界でやってくなんて無理よ~~~。それより今回のこの子なんてどう?いいんじゃない?」


「はぁーー。あの役はあの子がイメージにピッタリなんです。撮影開始は一年後ですよね?それまでには何としても諦めませんから!」


「本当に強情ね~。そんなにその子凄いの?写真だと綺麗な子だとは思うけど……………………」


「だから会えばわかりますって!神々しいとか彼女の事ですよ。この前インターネットで見つけたんですけどね、あの子にファンクラブが出来ていたのがわかったんです。それも彼女からは何も活動とかアピールとかしてないのにですよ?信じられます?会員の数も増え続けて1000人を超えていますし。絶対にデビューさせてみせますから!」


「え?何よその話、あたし聞いてないわよ?それに活動もアピールもなしでファンクラブ?それってありなの?」


「えぇ、あるんです。ただ、まだファンの誰かが個人で作ったホームページみたいですから作りが素人ぽいですが、ファンが自ら企画等を作り広めているみたです。それとこのファンクラブの決まりが変わってまして何だと思います?」


「え?どんな決まりがあるの?」


「まず彼女の事はファンの間で『姫』の愛称で呼ばれているんですが、1、姫に話しかけてはいけない。話しかけられるのを待つのみ。2、抜け駆けしない。(男性のみ)3、姫を危険から守る。怖がらせない。4、姫にファンクラブの存在を隠す事。高校生が作った様な決まりでしょ?それに最後の決まりを見た時は流石に笑いそうになりましたよ。どんだけ大事にしようとしているのかと……………………」


「待って!待って!彼女から何も活動もアピールもしてないのに周りがほっとけないってどんだけカリスマの持ち主なの?」


「だから言ってるじゃないですか!会ってみればわかると……………………俺は会って見た時に固まってしまいましたよ、声を掛けるのも忘れて。衝撃的って言葉じゃ言い表せないですね、思考も体も止まるんですよ。でも目だけは動いて目が離せないんですから。」


「そ、そんな子がいるの?ありえるの?その子何とか連れて来れないの?」


「……………………興味はあると思うんですよ。ただ……………………彼女母子家庭でして多分母親を1人家に残して出たくないんでしょうね。そこの問題をどうにか出来ないかと……………………」


「何その天使みたいな子!」


「えぇ天使みたいでしょ?だから俺もう芸名決めてあるんですよ!『神代 姫華(かみしろ ひめか)』どうです?神からのと言う意味と、姫の華で彼女にはこの名前しかないと思いましたよ。」


「えーーーー?あの雅史ちゃんがそこまで考えているなんて……………………なんだかあたしも会いたくなってきたわ。ねぇ、アポ取れそう?」


「えぇ勿論。彼女優しいですからね多分アポはすぐに取れると思います。」


「そう。じゃぁお願いね。雅史ちゃんのイチオシどれほど凄いのか楽しみだわ~。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ