初めはオロオロー居間に大水槽
今回は長めです。後半は時代背景(笑)の話になりますので、読み飛ばし推奨です。
大きな水槽に移った金魚たちは快適そうにしていましたが、実は飼い主の私のほうがオロオロしていました。
まず気になったのは、「私が夜更かしすると金魚は困るの?」ということ。
気を抜くとすぐ昼夜逆転する私は、平日であっても午前2時に眠れれば上出来。
パソコンかテレビか携帯と仲良くしながら居間のソファにごろごろしているのが常なのですが、天井の灯やテレビの反射は、金魚たちに影響しないのでしょうか?
小水槽も家の中にありますがサンルーム内で、居間のカーテンさえ閉めてしまえば、ギンとダイは人工の灯りを浴びることはなかったのです。
居間で金魚たちがストレスに感じてないか、観察、かんさつ~
そして「金魚の睡眠」についていっぱいググり、「金魚は夜に目を閉じて睡眠する、というわけではない。短い間隔で定期的に身体を休める」という情報をゲット。
そういえば、10匹思い思いの場所で、ぼうっとしている時がある。
リラックス時間はみんな一緒。
私が活動的な午後8時から10時くらいにうとうとしていて、こっちが「寝室に行かなきゃね」と電気を消す午前2時頃に活動的になっていたりする。
数週間の観察結果は、「午後10時就寝も午前2時就寝も、私のすることなんてあんまり関係ない」でした!
明るくてもぼんやりするし、暗くても動き廻る。
灯の点けたり消したりは、私のほうが苦手だからしないようにしていますが、照明よりも嫌がるのは振動。
近くにあるキッチンのドアを手荒く閉めたり、足音を立てて急に近づいたりすると、数匹がビクッとします。
こちらの動きをゆっくりのんびり静かする、のがいいみたいです。
また、水槽の蓋にはLEDライトが装備されていて、点けると魚たちがとっても綺麗に見えるのですが、これも要らない気がしてもう点けていません。
サンルームからの自然光をできる限り浴びてもらうことにしました。
色も光や反射と関係があるんだと思うのですが、水槽に近づくときは私がカーキ色の職場の制服を着ている場合が断然多いせいか、違う格好をしていると「餌くれる人認定」してくれないことがあります。
特に明るめのTシャツなどの部屋着だと、ドキッとするみたい。
第二の私の懸念は、フィルタ―のお手入れがちゃんとできるか。
欧州で一番信頼できるというメーカーのフィルターに、私の安い一日の収入相当額を投資したのです。
真下から水を吸い込み、活性炭マットやスポンジ、水質浄化バクテリアを増やすセラミックリングの3層でろ過して上から水が出て来ます。
出水口のベンチュリを開けると、ぶわぁーと音を立てながらジェット噴射のように酸素を取り込んでくれます。
最初はおっかなびっくりお掃除していたのですが、後述の「リロワン事件」(既出作をお読みの方はご存知)からは、フィルターを動かしたり外したりするのも恐くなくなりました。
普段はベンチュリを開けていないので、フィルタ―の音はほとんど聞こえません。
水音がし過ぎると、私のほうがドキドキしてしまうので。
水面に波ができるくらいにしていますが、それだけで十分、金魚たちが酸素不足になることはないようです。
深夜には、かすかなポンプの回転音と振動が聞こえるかな、くらい。
3年経ったら自分の耳鳴りのほうが酷くなって、全然気にならなくなりました。笑
第三の心配は、体色の変わり方でしょうか。
屋内で紫外線が少ないからか、10匹が10匹ともどんどん色が薄くなる。
栄養が偏ってるのかも、緑黄色野菜不足?
などと悩みました。
ネットで「金魚は茹でたブロッコリが好き」というコメントを見て、茹でる時にはお塩を入れず、金魚に食べさせ残りは自分がマヨネーズ。
ほうれん草も同様に茹で、葉柄部分を取り除いてあげると喜んで食べてくれます。
でも身体の色とはあまり関係がないみたい。
でも10匹の中で、「もしかして病気????」
と心配してしまったのがシャーク。
身体全体がオレンジになった後も、右のほっぺに白い部分ができて、それがどんどん広がっていく。
水カビとかは見えないので皮膚炎でないことを天に祈りました。
洞窟に棲むブラインドケーブ・カラシンという目の退化した魚のように真っ白になってしまうのでしょうか?
シャーク本魚はそんな飼い主の心配など意に介せず、元気に餌を食べ、スレンダーな身体をシャープに泳がせていましたが。
1年後に落ち着いたのが、白赤ツートンカラーの更紗模様。
美人さんになりました。
ここまでくると、なんかもう、飼育初心者とオロオロするほうが愚かですよね。
200リットルという容量は、生活環境がかなり落ち着いてる。
「水槽は可能な限り大きなものを。フィルターは値段が張っても信頼できるメーカーのものを」という友人の助言はバッチリでした。
心強い味方のフィルタ―が動いている限り、金魚たちが鼻を上げたり水面にお腹を見せたりすることはない。
思い思いに動き、餌を食べ育つ姿を私は眺めて、必要な時だけ手助けすればいいと悟りました。
ただ、うちの金魚たちは野外の池で勝手に生まれたノラ和金、フナ尾かコメット尾びれの違いしかない一番原始的なタイプなので、高級金魚には当てはまらないかもしれません、悪しからず。
ー◇ー
さて、大水槽が来た頃の、私を取り巻く状況について書き足しておきます。
オロオロの理由は外的要因にもあったから。
絶賛コロナ禍ですもの。
(私の記録ですので、読み飛ばし推奨です)
2020年8月夫ががんで他界してから、母は「一度日本に帰っておいで」と言ってくれていたのに、日本は英国からの渡航を完全禁止していました。
そんな中、2021年3月、母自身が脳梗塞で倒れ入院。
何とか回復して自宅療養に変わった母と過ごす時間を取りたいのに、帰りたくても日本に帰れない。
2021年6月から一部の渡航が解禁されましたが、「日本人の帰国のみ可。
ただし、日本への入国時、空港でPCR検査、陽性なら指定施設で14日間隔離。陰性なら宿泊施設などは使わず直接、自宅や実家などの目的地まで公共交通機関を使わないで辿り着くこと」という過酷な条件つき。
空港まで家族が車で迎えに来れる、首都圏在住ビジネス関係者向けな条件なこと見え見えです。
成田や羽田便しかないのに、そこから、ホテルも新幹線も国内線も使わずに、実家の広島まで帰れるわけがない。
その後だんだん隔離日数や渡航可能条件が緩和され、2022年4月ごろ、「英国での予防接種証明書入手と、英国側の空港でPCR検査を受けて陰性証明書を出してもらうこと」に変わっていきました。
こちらの条件なら何とかなります。
私は母に会いたい一心で飛行機を予約したのですが、取れたのは2か月後の6月の便。
そのフライトも1か月前にならないと、航空会社が飛ぶか飛ばないかを発表してくれない。キャンセルになったら次の日便に順次繰り越し、という状況でした。
このフライトを取った頃、母が倒れてちょうど一年過ぎですね、私と大水槽の同居は始まったのでした。
英国のほうが先にコロナが広がったこと、先に予防接種を開始したことから、日本より生活が落ち着くのは早かったように思います。
特に仕事については、職場は戸外でソーシャルディスタンスを取れるという理由で、部門内15人中最低5人は必ず出社していました。
毎朝簡易検査キットで陰性を確認、写真を撮る。体温を測って37度7分(英国人、37度が平温らしい)を越えてないことを記録、という条件付きではあっても。
私に関しては、忌引き後相続の手続きに奔走したり、「死別後のうつ気味」と診断されたり、第二次ロックダウンなどで仕事にいけず、復職は2021年早春とのんびりでしたが。
職場の動物園及び庭園も、2021年夏からは入場制限付きで開園していました。
「三密を避けられるお出掛けどころ」として繁盛したのも皮肉なものでした。
大水槽が来てフライトを予約した2022年の春と言ったら、「コロナはインフルのひどいやつ。致死率高めだけど治る人のほうが多い」という感覚を持ち始めた頃。運が悪ければかかってしまうけど、だからといって家に閉じ籠っても仕方ない。
こんなふうに、身の周りが通常運転に戻れば戻るほど、母に会いに帰れないのが辛かったです。
振り返ってみると、金魚たちがどれほど私を支えてくれていたのか、感謝したくなります。
私に生殺与奪権を握られているというのにそんなこともどこ吹く風、ひらひらちゅっちゅっと自分たちの人生(金魚生)に専念してる。
目の前の金魚たちの心配をすることで、母のこと、母を支える父のこと、コロナのことに心を占有されないで済んだのかもしれません。
夫の喪失感はぬぐえなかったとしても。
英国のロックダウンは3回ありました。
職種によっては出勤が許されたし、休む人は政府が8割の所得を補償してくれたので、働かなくてもお給料もらえた。陽性でなければ、最寄りのコンビニには行けたよ。
1. 2020年3月23から3週間。毎週木曜日午後8時に、玄関先に出て、医療従事者さんに感謝し、ご近所さんに手を振って無事を確認し合う、ということを政府が推奨して夫と参加してました。
2. 2020年11月5日から12月2日
3. 2021年1月4日から2月中旬




