ヌシがヌシなのはサイズだけではなく
うちにいる10匹の金魚の中で一番大きいのがヌシで、2022年3月、庭の寒い水鉢から屋内の大水槽200リットルに引っ越してきました。
その頃の体長4.5センチ。
次に大きな子はギンちゃんで、4センチ程度、小水槽でダイちゃんとふたり暮らしをしていましたが、この時に晴れて合流、広々とした水槽をビュンと泳いでいました。
ギンちゃんはコメット型のひらひら尾びれなので遠目には大きく見え、もしかしてどちらが水槽のリーダーになるのかケンカするかと心配でしたが、ヌシの『貫禄』にはさっさとひれ伏すことにしたようです。
ヌシの貫禄が’現れるのは特にこの3点ーーーー
1. ヌシはぶっとい。
2. ヌシは水槽内や、外の人の動きをチェックする。
3. ヌシは団体行動を統率する。
では、これら3点について、説明を加えさせてくださいませ。
1. ヌシはぶっとい。
いやもう、ヌシは厚みがすごい。
色が黒い子供の頃から、「君は鮒だよね?」と言いたかった。
和金とヒブナの違い、目や口のついてる位置が少し違うそうなんですが、飼っている10匹を比べても顔つきが違うのに、そんな区別はつかない。
水槽の横からガラス越しに見て、背びれから腹びれまでも長いので太いとは思うのですが、それよりも、水槽を開けた時、水面から見下ろすと左右方向にでんとしていて「わっ妊娠中?」と思えるくらい。
悠々とゆっくり泳ぐ点も、太さを強調している感あり。
2. ヌシは水槽内や、外の人の動きをチェックする。
ヌシが凄いと思うのは、私が水槽の横、フィルターのある側に近づくと、避けるのではなく寄って来る、「何するつもりだ?」とガンを飛ばしてくること。
私と真面目に視線を合わせてくるのはヌシが一番じゃないかな。
「お前、そろそろ、フィルターの掃除しろよ」と言わんばかり。
壁に付着した藻を掻き取っていたら、その道具をつつこうとし。
網を入れても「何を掬うんだ?」と近づいてきます。普通、網が近づいたら逃げない?
水草を植えても、砂利を追加しても、新しい水を足して水滴がたくさん出ても、とりあえず一体何が起こっているのか、ヌシが来てチェックを入れるのです。
自分のためだけにしてるのかもしれないけれど、傍目には、水槽内のみんなを守るために行動しているように見えます。
つい、そう信じてしまうのです。
比較対象として、ギンの好奇心は、「自分のことしか考えていないのね?」と言いたくなるからかもしれません。
ギンは活動量が多くフィルターが作る水流に戦いを挑むのが好き。
寝る時以外は水槽の浅めの所を好き勝手に泳いでいたい。
餌の時間以外に私が近づくと、ついっと水槽の奥に逃げたりする。
可愛い女の子には性格のキツい子が多かったりしますが、ギンちゃんもイケメンだと自覚しているのか、「我関せず、我が道を行く」タイプなんです~。
3. ヌシは団体行動を統率する。
ヌシは他の小さい魚たちがそばを泳ぐのを嫌がりません。特にリロワンはよくヌシの近くを泳ぎます。
決まった時間になのかはわからないのですが、ヌシを先頭に、ギンちゃんも含めて『フォーメーションラップ』をします。(フォーミュラワンのスタート前の一周みたいでそう名付けました)
まるで点検をするかのように、みんなでのんびり水槽内を泳ぎ回るのです。
また、朝の餌の時間は全金魚が水槽の前面に集まってきて、身体をくねらせて「ご飯、ご飯、ごっ飯~」と踊ってくれます。
そのリーダーはいつもヌシなのです。
私のほうをじっと見て「ご飯だよね?」と確認し、彼が「早く、早く」と急かす動きに合わせてみんなも動いているかのよう。
もしかして音頭とってる?
ヌシがいつまでもヌシとして水槽の仲間を率いてくれますように。
友人にそれぞれの金魚たちの名前を聞かれ、「ヌシ、the master of the fish tank」と英訳したのですが、それは亡き夫がお気に入りのスリッパをはいてリラックスしている夜に「I'm the master of the house. この家のご主人様だぞぉ」と笑っていたのを憶えていたからです。
この家ごと、私と金魚とを、夫が見守ってくれています。




