家出するわ馬鹿野郎!
「修、貴方は家に居ても居なくても変わらないわ」
「おいおい美紀。稼ぎがないこの馬鹿息子なんて要らねぇだろ」
「昌、其処まで言わなくても~」
「おい、お前もそう思うだろ」
「親父は何で俺に聞くんだよ」
「当事者だからな」
タタっと軽い足音がして小さな子が割り入る。
「千尋、」
「パパもママも修にぃ苛めちゃダメ!」
俺の唯一の味方だけど今は嬉しく無い。その可愛い千尋が魔力操作上手過ぎて俺が責められてるんだからな!
「千尋、貴方は100点で偉いわね~、今度何か買いましょうね」
「やったぁ」
おいおい、可愛い千尋よ。物で釣られてるぜ?
「あーあー、分かったよ。こうすりゃ良いんだろ」
決して低くない平均レベルの魔法操作を行使し、物を纏める。
「修にぃ?」
「可愛いマイシスタープリンセス千尋」
いや、親父もお袋も盛り過ぎてドン引きしてるわ。でも千尋は照れて喜んでるな、可愛い。
「じゃあな!俺は家出する!親父もお袋も、ち、千尋はー…と、ともかく!何言っても帰んねぇからな!」
「馬鹿が一人減って清々するわ!」
親父よ、音源はとったぞ。
「そうよ、家には千尋が居れば充分よ」
お袋もとったからな、見返してやる!無理だけど。
「修にぃ~、また遊ぼうね、大好きだよぉ~(泣)」
あぁぁぁ!後でバックアップとるからな!
「じゃあな!!!」
こうして俺は17歳で家出した。
修のシスコン感と、地味に千尋のブラコン感が凄い