第49話:師から弟子へ
帰ってみるとそこにはフロン先生が立っていた。
「エリカさんはどうでしたか?」
フロン先生は生徒の顔を見るなりすぐ分かった。
ー無事ではなかったんだー
「天、君はこんな生徒を元気付けられないのかい?」
ふと、中学生の頃聞いた懐かしい声がした。
「司波先生!」
警備が言う
「総理とつけたまえ」
「そんなことはつけなくていい。というか天、例を見せてあげるよ」
近くにいた江上に近寄る。
「どうしたの、何があった?」
優しい声で聞く
「エリカ先生が記憶喪失になったんです。こうなったのは全部私達のせいです」
「違う、君のせいじゃない。君は自分を責めなくていい」
「何でですか。私達が気付かなかったからああなったんですよ!」
「君はできることをした。君は立派なことをしたんだ。」
「全然立派じゃありません。こうして負傷者が出たんですよ」
「そんなことは分かってるんだ。もし、君がそれで自分を攻めるのならば強くなればいい」
「先生、泣いていいですか」
江上が泣く。司波が生徒に寄り添っている。
その後、同じようなことを生徒全員にした。
生徒は元気を取り戻した。
だが、川西はしぼんだままだった。
そこに司波が
「こら!教師の分際で沈んでいたらだめだろ!川西大佐教師」
川西は緊張したのかも知れないが元気が出できていた。
「生徒を立派にできるように頑張ります!」
「それでよし!」
フロン先生は黙ってみていた。
生徒達が元気を取り戻していくさまを。
叶わないな。と思った。
頭の中は尊敬しか出てこなかった。
まぁまぁ悔しかった。
これでは恩師を越せない。超えるために教師になったのに。
司波が来る。
「まさか危害は私に加えないよね」
「そんなの加えるわけないじゃないですか。でもこの体はもうここにとっては害でしかない」
「じゃあなぜここに来た」
「・・・・」
「ここに来たのは生徒に社会のことなど役に立つことを教えるためだろう」
「はい」
「もっと生徒に同化してみなさい。じゃあ、君も生徒から尊敬される先生になるよ」
「本当ですか」
「ああ。昔の生徒にうそは言わないさ」
「ってことは、今までそういう風に・・・」
「そうだよ」
「首相、お時間です」
警備が叫ぶ
「先生、このあと何かあるんですか」
「私は法律を作らなければ」
「何の?」
「いま、民主主義の状態にはなっているけれどもこの先つぶれるかもしれない」
「何故ですか」
「いま第2次も第3次も勝った。じゃあ、どこに権力が行くと思う」
「軍ですね」
「ああ、だが、日本の軍は何故か民主主義になってから1回も権力を握ったことがない」
「そういわれればそうでしたね」
「だから付け足すのさ。『国会は国権の最高機関であり、軍人は国家議員になれない。そして内閣総理大臣も文民でないといけない。戦争の賠償金は内閣総理大臣が管理し、各国務大臣に配られる』」
「そうしたら独裁もできないし、軍人が政治を握ることもないですね」
「そして、もう一文『内閣総理大臣は国民投票で決められる』」
「じゃあ、国民に寄り添った政治ができますね」
「で、『天皇は国の象徴で、政治ができない』と『軍は内閣総理大臣の命令で出動する。勝手に動くことを禁止するが、軍警隊は例外で、事件の鎮圧が許される』」
「おお、いいですね」
「そしてこの民主政治があの教室の最高傑作さ」
そうして、首相は皆にお別れを言って仕事に行った。
その前にフロン先生に紙を渡して行った。
「これだけ皆に伝えてくれ。『軍警隊は銃類や刀等などの使用や所持を許可し、射殺命令が内閣より出た場合だけ射殺を許可する。そして軍警隊は特別に軍の陸佐の位と警察の警視の位を与える』これらの法律は明日に各部位に追加するよ。そして明日軍警隊の科目の内容と先生が来ると思うからそれ通りやってくれ。まあ、天君は午前中一般科目をサボったらいけませんよ。 司波総理大臣」
次の掲載日は4月7日になります。ご了承ください。




