第30 話 エピローグ
「ホー↓ホー↑ホホー→」
村田蔵五は床で目を覚ます。
ワンルームの狭い部屋。床には飲み食いした残骸が散乱している。
「…みず」
呟いて起き上がる。
蛇口から直接水を飲み、その場に座り込む。
「失業者かあ。失業保険がいるな。ハローワークに行かないと。あと、労基に訴えてやろうか」
部屋に戻り、冷蔵庫を開ける。酒とサバ缶と腐ったヨーグルトしかない。
ふと、気付く。
「なんだこれ?」
テーブルの上に汚れたティッシュの箱。
『楠本うざいアホしね』と書いてある。
「汚れまくってるじゃねえか。なんでこんなに汚いんだ。捨てよう」
指先で持ち上げゴミ箱まで持っていく。そして躊躇して少し考える。
「…まあ置いとくかな。なんとなく」
部屋に戻り携帯の電源を入れようとした時、インターホンが鳴り響く。
「ピンポンピンポンピンポンピンポン」
「うわっ!なになに?」
外から声が聞こえる。
「村田さーん、生きてるー?課長と来たわよー。開けてー」
「楠本?」
「一緒に労基に訴えて、三人で会社をつくりましょー」
蔵五はため息をつく。そして玄関に向かう。
「開けるから、玄関前で大声出すなー」
ドアを開ける。楠本と大鳥が立っている。
「なんだよ二人とも。いきなり来て」
「電話しても繋がらないからじゃない」
「そうだぞ。心配したんだからな」
「そりゃどうも」
「蔵五、楠本は会社を作るとか言っているが、話半分でいいぞ。俺はトラックの運転手をするか自衛隊に復職をするつもりだからな」
「何言ってんの。課長は私達を見捨てる気?一緒に会社作りましょうよ」
蔵五が苦笑する。
「はいはい。とりあえず中へ入ってください」
楠本と大鳥は部屋に入る。
ドアがしまる。
鍵がガチャリと閉まる。
中から賑やかな3人の話し声が聞こえる。
fin
拙作をお読み頂きありがとうございました。
幕末の軍人村田蔵六についての小説を書きたかったのですが⋯なかなか難しく、練習としてこのギャグゾンビ小説を書きました。書いていてとても楽しかったです。
まだまだ幕末小説を書けそうにないので、練習としてギャグ全振りの和風ファンタジーを書いています。
2026/5/1からアップしています。
無限炉スキルで和風ファンタジー世界を生き残る方法
貧乏神あつかいの村田蔵五と、忌神の少女・楠本いね子。
ふたりは“無限炉”として神器府に拾われ、怪異退治の任務に放り込まれる。
しかし周囲はなぜか美少女だらけ。
しかも全員ちょっとおかしい。
振り回され、巻き込まれ、それでもなぜか敵は瞬殺。
ゆるくて強い、アホで爽快な和風ファンタジー。
微エロギャグあり。
こんな感じです。
よろしければそちらもご覧ください。
では、ありがとうございました。




