S.32『-禿げ。-それは世の中の男性と一部の女性を悩ませ(以下略)』
ごめんなさい、遅れました。
このマナの話をバットエンドにするか、グッドエンドにするか迷っています、・-
グッドEdの方がいいのかな?
とりあえず今回はギャグっぽいかな?
-禿げ。-それは世の中の男性と、一部の女性を悩ませる現象。-
-その種類は素人が思うより多く、ストレスが原因で有名な円形脱毛症。女性に多い牽引性脱毛症、産後脱毛症。全体の9割を占める男性型脱毛症。-
しかも男性型脱毛症には種類があり、M字型ハゲ、O型ハゲ、Uハゲなどがある。その区別が男性の心を更にえぐる結果になっているのもまた事実。-
-エルヴィナ海軍所属。第四艦隊提督 スマンソン・リ・ボードル- 彼もまた、日々進行するカスタトロフに悩んでいた。-
任務で訪れる港の先々で効果があると噂される育毛剤を割と金に糸目を付けずに衝動買いする程度には、、、、
幼い孫に「おーちゃんのアタマつるつるなのにべたべたぁ~」と、無邪気な笑顔で核爆弾級の破壊力を持つ言葉を言われたのが原因かも知れない。
後に彼は語る。「無邪気さほど残酷で恐ろしいモノは無いと実感した瞬間だった。」と、
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演習が始まった。
演習場は軍港の一角にある大きな格納庫の中だ。その中に。壁やフェンスを立て狭い室内、船内に見立てている。
使用する武器はガスの圧力を低く調整した気砲。使う弾は命中すると赤い塗料が付く演習用のペイント弾だ。
当たっても死ぬことは無いが、それでも痣くらいは出来るらしいので、出来れば当たりたくない。と言うより、演習やりたくない。
というのが木崎の本音だった。
ルールは1チーム5人。それぞれ3チームずつ出し、攻める側と守る側を交代して計六回行い勝ち数が多い方が勝利となる。勝ち数が同じ場合は引き分けだ。
一回目と二回目の成績は以下の通り、
マミヤ:チーム1 攻め:負 守り:勝
海兵:チーム1 攻め:勝 守り:負
マミヤ:チーム2 攻め:負 守り:負
海兵:チーム2 攻め:負 守り:負
相手が海兵で戦慣れしている上、士気が最低の状態で始めたのだから当たり前と言えば当たり前の結果だ。むしろ一本取れたのが奇跡なのだ。
木崎はチーム3の指揮役だ。
彼が攻めと守りの両方を勝たないと負けてしまう。
が、木崎としては正直勝手も負けても興味なかった。目的はマナの様子見兼ショック療法。
とは言ったもののいきなりショック療法とか無茶苦茶だと思う。
「おい木崎、さっきから船長すっげーこっち見てるぞ・・・」
アールが船長の方をチラチラと見ながら言う
船長は、これに負けたら減給だと目で言っていた
「負けたら絶対減給とか言ってくるぞあれ」
「そうなったらユエさんに相談しよう、船長はあの人に勝てない」
「ああ、そうしよう。ブラックな上司に容赦は必要ない。」
来たれ革命、起こせ下克上。
木崎は適当に会話を終わらせたところで、集まったチームのメンバーを見渡した。
自分、ラルゴ、アール、マナ、シルフィ。と、いつものメンバー
少し・・・いや、かなり締まりがない様子だが、これまでの事を考えると仕方ないと言うものである
ふとマナに目を向ける。今のところ問題なさそうだったので、突入するに当たって作戦の説明を開始する。
「え~と、チームを二つに分けて、一組は表からもう一組は・・・」
「ねぇ、まず第一に勝てると思う?今の状態で」
ラルゴが説明を遮って聞いてくる。
コンディション最悪の状態でやる演習?いい結果が出るはずがない。
「無理だな…」
「ど、どうしよう・・・これ以上減給になったら」
マナがどこから取り出したのか、給与明細の用紙を見ながら深刻につぶやき、
「ちょっとアール、なんかいいアイデアないの?」
「え!?いや、オレに言われても・・・てか、お前は何かないのかよ?妄想ならお前の方が得意だろ?知ってんだぞ?男色絵草紙読んでドキドキハァハァするのが趣味なんだろ!?」
「い、言わなくてもいいじゃない!」
アールとシルフィが何やら痴話喧嘩を始め、
ん?腐女子って言ったか?マジか、、、ゾンビ系のヤツらにはあまりいい思い出が無いのだが、と言うかイヤな思い出しかない、少し距離を置こう。
と、木崎は嫌な思い出を思い出した。
「で、どうすんの?」
幼き日のとあるトラウマに顔をしかめていると、ラルゴが顔を寄せて聞いてきた。
近い。
なんとなく気恥ずかしくなり、目線を上に向ける
「お、おう、どうするって、、、もういっそあのボードルとかいうハゲ大佐人質にするとか?」
「おお!それ良いな!!」
「へ?」
冗談半分やけクソ半分、本気度マイナスの案が見事採用されたようです。
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「オラオラァ!!テメーらの大将のドタマぶち抜くぞォ!!」
アールが、足で扉を蹴り飛ばして相手の前に出る。腕でボードル大佐にホールドをかけ銃口を突きつけながら。
何があったか。始まると同時に監視台の上で演習を観ているボードル大佐を引きずり降ろして人質にした。
「お、おい、大佐殿を離せ!」
「な、なややってんだお前ら!」
一瞬、相手チーム全員が理解不能といった顔をしたが、すぐに冷たい目と銃口を向けてくる。
彼らは訓練を受けた軍人だ。しかも海賊が某RPGゲームのスライム並みの頻度で出没する世界だ。おそらく全員実実戦経験済み、
実際の戦闘でも彼らは引き金を冷徹に引くのだろう。
それにこれは演習だ。
銃口から出る弾は訓練用のペイント弾で、アールの言う通りに、ドタマぶち抜いても潰れるのは弾頭の方だし、怪我してもせいぜいデカいタンコブが出来るくらいだ。
予想外の事故が起こらない限り死人は出ない。
大佐も余裕のある顔をしている。むしろ自分の部下がどのような行動をとるのか楽しみにして観察している感じだ。
「大佐殿を返して貰おうか」
相手チームの海兵の一人、そのチームの隊長と思われる一人が前に出て言った。
どうやら交渉を選んだようだ。
海兵たちの余裕綽々な表情にちょっとイラっとした。
どうしようかと考え始めた時、ふと目に入ったアールの顔。
それはニヤニヤとまるで落とし穴に誰かが落ちるのを待つ子供のように笑みを浮かべていた。
そして彼は言う。
「返して欲しいか?」
「あ、ああ、、、」
その表情と言葉に海兵たちは訝しげな表情を見せる。
「本当に?本当に返して欲しい?」
「さっきからそう言ってだろう!!」
アールの問が、「本当にいいの?どうなっても知らないよ?」と言ってるように聞こえたのは自分だけだろうか?
木崎はアールがとんでもない事をしそうで不安になる。そのとばっちりが自分の方に飛んで来ないか、と。
そんな彼の気持ちも知らすにアールは一歩前に出て言う
「分かった、そこまで言うならちょっとだけ返してあげよう」
「「「はぁ???」」」
相手味方合わせ、その場にいる全員の声がハモった。
「は?え、ちょ、アール、それどういう意味なn・・・」
シルフィが言いかけた時。アールはカスタトロフの進行によって少なくなったボードル大佐の髪の毛を二、三本摘まんで容赦なく引き抜いた。
「「「イイイイゃやヤャやャやぁあァアあッ!!!」」」
頭から「ぷちプチぷちっ」と破滅の音が聞こえ、それを聴いた大佐はリアルムンクの叫びと化し、引き抜かれた数本の髪の毛は残酷に宙舞う。
『おーちゃんのアタマつるつるなのにべたべたぁ~』
そんな言葉が彼の脳内に孫の幼い無邪気な笑顔と共に蘇った。
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